2011年8月 のアーカイブ

二百十日

2011年8月31日 水曜日

大型で強い台風12号は、午前小笠原諸島付近を西北西に進み、ゆっくりと北上する様子です。台風の接近に伴い湿った空気が流れて、かなり湿度が高くなっています。今晩遅くに雷とともに激しい雨になるのでしょうか。

境内では、朝からミンミンゼミやアブラゼミ、ツクツクボウシが衰えを知らずに鳴いていました。夕方にはヒグラシの鳴き声も聞かれましたが、夜はコオロギを始め秋の虫たちも鳴き始めています。

明日は「二百十日」(にひゃくとおか)。立春から数えて210日目にあたり、中稲(なかて)の開花期で、台風の襲来時期にあたるため、農家では八朔(陰暦8月1日)、二百二十日とともに、荒日(あれび)、3大厄日として恐れられています。

龍田大社(たつたたいしゃ・奈良県生駒郡)は、古くから朝廷からの使を遣わされて奉幣(ほうべい)に預かった神社で、『延喜式』の「四時祭式 上」には、風神祭(かぜのかみのまつり)が風雨の順調を願い穀物の豊穣を祈る祭として、4月と7月(旧暦)に行われたことが記されています。

「公民(おおみたから)の作りと作る物を悪しき風荒き水にあわせ賜わず」

二百十日前後には、この「風祭」(かざまつり・かぜまつり)を執り行い、風を鎮めて豊作を祈願する地域が今でも多く残ります。

幕府天文方に任命された渋川春海が作った貞享暦(じょうきょうれき・1684年)は、我が国の風土に基づいた意義の高い暦法ですが、ここに八十八夜や入梅とともに記載されています。

来年は閏年なので、1日ずれて8月31日が二百十日となります。

9月の社頭ポスター

9月の社頭ポスター

相模の早鐘朝団子

2011年8月30日 火曜日

本日、「座間ふるさとガイドの会」ご一行がバスで参拝されました。座間市の郷土史を学ぶため、他の地域を視察しているとのことでした。

参拝者の一人から境内の宮鐘について質問がありました。神社の境内に鐘があるのは珍しいとのことでしたが、県央地域には割合多いようです。

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当社の宮鐘の起源については分かりませんが、江戸中期(宝暦4年)に寄進されたものは、先の戦で供出を余儀なくされました。戦後氏子中の願いにより、人間国宝・香取秀真(かとりほつま)氏に新鐘の制作を依頼して、昭和25年秋、香取秀真・正彦父子により完成いたしました。

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銘鐘には「相模の早鐘朝団子」という俚諺が記されています。鎌倉武人にならって朝早くに鐘をつき、団子を食す良き風習があったようです。

銘鐘に「祭礼に欽(か)くべからざる寶器(ほうき)なり」とあるように、今でも大祭を始め各祭典で、宮司が鳥居をくぐる直前に社頭(総代)さんがつくことになっています。

本年は、各地で防災訓練が盛んに行われていますが、この宮鐘は風水の害、失火の災の警鐘としての備えであることが同文に書かれています。

七五三参りのご案内

2011年8月30日 火曜日

先週あたりから「七五三」について問い合わせの電話があります。着物や写真を取り扱うお店で、宣伝が始まった影響だと思います。

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本来、七五三は11月15日に行うのが節目正しい行いです。しかしながら、実際はその前の土曜日・日曜日、また祝日にお参りの方が多くなっています。因みに、今年の11月15日は火曜日の大安です。

県内の飴屋さん特製の千歳飴

飴屋さん特製の千歳飴

本年は七五三用に奉製した特製御守をご用意しています。また、今年も特製の千歳飴を準備いたします。社務所ではお下がり用の袋の準備を進めています。

今年のお下がり袋はセサミストリート

今年のお下がり袋はセサミストリート

当社では、七五三のご祈願は予約制ではありませんので、随時(8:30~16:30)承ります。但し、恒例式や結婚式などの予定もありますので、電話(0463-95-3237)で確認いただければ間違いありません。

 

七五三は「七・五・三」という陽数を男女児の年齢に当てはめたもので、三歳男女児の「髪置」(かみおき=それまで剃っていた髪を伸ばしはじめる)、五歳男児の「袴着」(はかまぎ=袴を着け始める)、七歳児の「帯解」(おびとき=付け紐の着物から帯でしめる着物にかえる)という儀式に由来します。

七五三参りは、これまでの成長に感謝し、さらなる無事成長を祈るもので、11月15日にお祝いをします。11月15日に祝うことになったのは、この日が二十八宿(にじゅうはっしゅく)の鬼宿日(きしゅくにち)にあたり、何事の祝い事にも最良の日であることによります。

無花果

2011年8月29日 月曜日

8月も残すところあと2日。長い夏休みを過ごした子供たちも宿題はもちろんのこと、新学期の準備を進めていることでしょう。

三之宮郷土博物館の無料開放(対象:小中学生)も31日までです。郷土の学習に役立てて欲しいと思います。

昨日はお隣の秦野市で、任期満了に伴う市議会議員選挙の投開票が行われました。定員に対して候補者は1人増ということで、無風に近い形の選挙だったようですが、心新たに市民のため市政に従事して欲しいところです。(当社では、秦野市内に3社の兼務社をお預かりしています。)

8.29

本日、篤志の方が丹精込めて育てた「無花果」(イチジク)を奉納されました。

無花果は桑科の落葉小高木で、不老長寿の果物ともいわれます。エジプト・トルコ・イランが生産量が多いようですが、 “ 南蛮柿 ” “ 唐柿 ” といった名称からも異国の果物であることが分かります。

江戸初期に長崎から伝来した折には、薬樹だったようですが、現在はパンや洋菓子などにも利用されています。

地鎮祭 おめでとうございます

地鎮祭 おめでとうございます

各種ご祈願

2011年8月28日 日曜日

本日は、市内の各自治会などで防災訓練が行われ、訓練後に防犯協会の方々が30名近くでパトロールに来ました。

陸上自衛隊の富士総合火力演習も行われたようですが、本年は長期災害派遣により練度が落ち、短期間の訓練で隊員も苦労が多かったようです。上空には自衛隊のヘリが多く飛んでいました。

左が古代米・右がキヌヒカリ

左が古代米・右がキヌヒカリ

神社下の御神田(神奈川県神道青年会)の稲もようやく出穂しました。稲刈りは10月15日(土)に行われます。

さて、本日は8月最後の大安で日曜日ということもあり、初宮参りや交通安全、厄除、商売繁盛などの各種ご祈願や御朱印の参拝などが相次ぎました。

初宮参り おめでとうございます

初宮参り おめでとうございます

また、地鎮祭などの外祭もありました。

車輌清祓  安全を祈ります

車輌清祓  安全を祈ります

本日は大山阿夫利神社の秋季例祭で、宮司が参列いたしました。

地鎮祭 工事の無事をお祈りいたします

地鎮祭 工事の無事をお祈りいたします

お神輿おくだり

2011年8月27日 土曜日

本日は、伊勢原市景観まちづくり市民ワークショップ活動で、禰宜がメンバーとして大山地区まち歩きに参加いたしました。

毎年8月27日から29日は、大山阿夫利神社の秋季例祭で、御神輿が下社から御旅所である社務局(旧八大坊下屋敷)まで下がって来ます。そのお下りの行列の様子を見学いたしました。

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残念ながら、小雨交じりとなり行列の衣裳も略式となったようですが、白衣袴姿の先導師さんの長い行列姿は素晴らしいものでした。お天気は雨降(あふり)さんの御神威でしょうか。

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途中、元滝や良弁滝・あたご滝を眺めながら、男坂・こま参道・とうふ坂・良弁坂・観音寺坂・旧道を下がり、三の鳥居まで下り、再び両脇の先導師旅館を抜けながら旧参道から社務局に着御しました。

明日の例祭式には当社宮司も参列いたします。明後日がおのぼりとなります。

 

お宮へ戻ると雨も上がっていました。

本日は、農協の組合の方々が50名ほど立ち寄り、社務所で国府祭(5月5日)のDVD(日本の祭り)を鑑賞されました。

古事記の話

2011年8月26日 金曜日

本日は、東京や埼玉から(財)新教育者連盟の女性の方々が参拝されました。

同連盟は「生命の教育」を推進し、古事記や歴史を学びながら、子供たちに和歌や礼法、書道などを通して日本の文化や素晴らしさを伝えるための実践活動を行っています。

事前に「古事記に学ぶ学習会」の依頼をいただいていましたので、御祭神を中心に古事記に関わる話や神話についてお話をいたしました。

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残念ながら、学校では神話について学ぶ機会がありません。古事記には、多くの神話や伝承、優れた歌謡が含まれています。

また、国の成り立ちはもちろんのこと、日本が天皇陛下を中心に安定して統治されてきた誇り高き国であることが分かります。

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相撲や芸事などに用いられる「稽古」は、古事記序文に、「古(いにしへ)を稽(かんがへ)る」と記され、先人の遺した形を修練を積んで学ぶことです。

更に、同文の「今に照らす」と合わせて、「稽古照今」とし、古きを学んで未来に広げ発展させる言葉として、あらゆる分野で使用されています。

珍入者

2011年8月25日 木曜日

昨晩の豪雨は弱まったものの、昼前まで雨模様でした。それでも境内には未だ蝉の鳴き声が響きわたっています。

社務所には大山蜻蛉(オオヤマトンボ=オニヤンマ)が舞い込んで来ました。

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また、車内にはナナフシが入り込んで来ました。

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夕方は蟷螂(カマキリ)やスズメバチも社務所にやって来て、珍入者ばかりでしたが、夜の虫の鳴き声を聞いていると、秋の気配を徐々に感じます。

繁忙期の年末年始に向けて作業を少しずつ進めていますが、今日は七五三の特製御守を奉製すことになり、業者に発注いたしました。

心づくしの産品

2011年8月24日 水曜日

昨日は、神奈川県神社庁相模中連合支部の総会が開催されました。支部管内(二宮町・大磯町・平塚市・勢原市・秦野市)には、72名の神職が在籍し、188社の神社が鎮座しています。

議案(事業報告・決算報告・監査報告・事業計画・予算)が無事審議された後、県神社庁設立65周年並びに県総代会連合会設立55周年記念大会(11月30日 於:横浜ロイヤルパークホテル)、各種負担金、献幣使参向(けんぺいしさんこう)規定などの説明、大震災義捐金などの報告がなされました。

さて、伊勢原はフルーツの里ですが、今は葡萄(ぶどう)や梨農家が繁忙期で、ご神前にも篤志の方から産物が上がります。

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また、ティフブルーというラビット系ブルーベリーの奉納がありました。ブルーベリージャムにすると、とても美味しいようです。

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9月18日(日)午後3時に、第62回産土講祭が執り行われますが、例年多くの生産者の心づくしの産品がご神前に横山の如く並べられます。

箒神

2011年8月23日 火曜日

今日は二十四節気の一つ処暑(しょしょ)。暑さが止んで涼しさが出る頃合いです。朝は雨が降りましたが、晴れ間が出て蝉も未だ勢いよく鳴いています。

子供らの夏休みも残すところ9日、徐々に生活リズムを整えたいところです。また、夏の疲れが出る時期でもあり、大人も充分に気をつけましょう。

さて、本日は戌の日。赤口という日柄か、お昼前後に安産祈願が相次ぎました。

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「産神」(うぶがみ)は出産をつかさどる神さまで、産婦(妊婦)や産児(赤ちゃん)を守り、お七夜が過ぎると帰ってゆくと考えられています。

出産の時に立ち合うとされる箒神(ほうきがみ・ははきがみ)は、産神の一つとされますが、妊婦のお腹を新しい箒(ほうき)でなでたり、箒を立てると安産になるともいわれています。

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一方で、箒をまたいだり踏むと難産ともいわれ、単なる掃除道具ではなく、神聖なものとして扱われてきました。

古事記には、「帚持」(ははきもち)という葬儀の列に帚を持つ役割が記されていて、人の命と密接な関係があったことを示しています。