例祭(れいさい)の片付けも無事終り、静かないつもの境内に戻りました。
昨日の続きで大祭の様子をお伝えします。
今年は栗原(くりばら)、三ノ宮、神戸(ごうど)の順で人形山車(にんぎょうだし)が進みます。
山車に人形を据えたのは江戸期といわれますが、その昔は神さまの依代(よりしろ)である御幣(ごへい)を立てて、その高さを競ったとも伝わっています。
東名高速道路が建設されてからは、その北側でしか運行が出来なくなり、神輿と行列が神戸の行在所(あんざいしょ)から戻る帰路に合流することになっています。
従って、往路は山車の様子を脇に眺めながら、神戸へと向かいます。
東名高速道路をくぐると、〝神戸渡し〟といって、三ノ宮・栗原の青年から神戸に担ぎ手が替わります。
その直前には、「振奉幣(ふりほうべい)の儀」といい、御幣(ごへい)を神輿に向かって左右左と振ること三度、ここでも神威(しんい)の発揚(はつよう)を願います。
嘗(かつ)て宵宮(よいみや)には、神戸の御旅所(おたびしょ)で一泊し、翌日に神幸祭(しんこうさい)の2日目が行われていました。
現在では、着御祭(ちゃくぎょさい)と発輿祭(はつよさい)を執り行い、その間に暫(しば)しの休息を取ることになっています。
再び東名高速をくぐると、新芽で盛り上がってきた山を背景に山車の姿が現れ、なんともいえぬ長閑(のどか)な祭礼風景に心が落ち着きます。
化粧塚(けしょうづか)を越えて、神輿と3基の山車が神社に近づくと、待ちかねるように多くの見物客が迎えてくれます。
担ぎ手の気持ちも昂(たか)ぶり、掛け声も殊更(ことさら)大きくなるのを感じます。
また、太鼓の音も一層大きく響き亘り、祭礼の雰囲気が最高潮に達する時でもあります。
惜しまれる気持ちもありますが、定めの時間に宮入りを迎えます。
神輿が拝殿に安置され、神さまには粛々と本殿にお遷(うつ)り願います。
鎮座(ちんざ)を寿(ことほ)ぎ、「ちまき行事」が始まります。
各地区総代から青年に粽俵(ちまきたわら)が手渡され、ヨイショの掛け声とともに、俵が高く放り上げられます。
そして、四方八方にちまきが撒(ま)かれます。伝えによれば、〝散り撒く〟その動態から「ちまき」と名付けられたといいます。
境内は出店を楽しむ小・中学生や多くの人たちで賑わい、今年も例祭(れいさい)の一日が過ぎて行きました。