2013年9月 のアーカイブ

八雲立つ出雲の国

2013年9月30日 月曜日

昨日(29日)は安産祈願の吉日「戌の日」で、境内は無事出産を願う妊婦さんとその家族で賑わいました。

境内や参集殿で27日から行われていた映画の撮影も、今晩で予定通り無事終了となりました。

広報が出来る段階であらためてお知らせいたします。

映画関係者の記念撮影 (神楽殿)

映画関係者の記念撮影 (神楽殿)

さて、昨日は禰宜が八雲(やくも)立つ出雲(いづも)の国へ出掛けましたので、その様子をお知らせいたします。

出雲大社

出雲大社 神域の入口となる勢溜(せいだまり)

ご存じの通り、『古事記』や『日本書紀』に記された「八岐大蛇」(やまたのおろち)、「因幡の白兎」(いなばのしろうさぎ)、「国譲り神話」、また、『出雲国風土記』独自の「国引き神話」など、出雲地方は〝神の国〟〝神話の国〟にふさわしく、今もその心がありありと伝えられています。

出雲大社 銅鳥居より拝殿を拝む

出雲大社 銅鳥居より拝殿を拝む

出雲神話の中心である出雲大社(いづもおおやしろ:旧官幣大社)は、大黒様(だいこくさま)で知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)をおまつりする最古の神社で、明治初期まで杵築(きづき)大社と呼ばれていました。

今も勅使(ちょくし)の参向(さんこう)が見られ、古来の祭祀が粛々(しゅくしゅく)と引き継がれています。

今年は60年に一度の大遷宮「平成の大遷宮」が斎行され、神さまの更なるご神威(しんい)をいただくべく、多くの参拝者で賑わっていました。

本殿の宇豆柱(うづばしら)跡

本殿の宇豆柱(うづばしら)跡

国宝に指定された本殿は、日本最古の神社建築様式「大社造り」で、8丈(24メートル)もの高さを誇ります。

直径1メートル余りの巨大な杉3本を鉄で束ねて造られた「心御柱」(しんのみはしら)、「宇豆柱」(うづばしら)が拝殿北側から出土(平成12年4月)したことにより、出雲大社・千家(せんげ)宮司家(国造家)に伝わる『金輪御造営差図』(かなわごぞうえいさしず)に描かれた鎌倉時代の16丈(48メートル)もの壮大な本殿が現実のものとなり、地元の人たちや関係者を震え上がらせました。

因みに、国旗掲揚塔(発掘以前建立)はその16丈の本殿より1メートル低く作られていて、国旗の大きさは畳75枚分(重さ49㎏)でこちらも日本一です。

案内役の神職に導かれて八足門(はっそくもん)をくぐり、あらためて身を正し、二拝四拍手一拝という作法で正式参拝に臨みました。

そして、神さまの恵みを足下からいただく「お庭踏み」をして、本殿を拝しながら御垣の内をぐるりと巡らせていただきました。

長濱神社

長濱神社

その後、島根県立古代出雲歴史博物館で多くの発掘物を見学、出雲の歴史や文化などについても学びました。

長浜神社(ながはまじんじゃ:旧県社)は、国引き神話に登場する八束水臣津野命(やつかみづおみつぬのみこと)をおまつりする神社で、ご祭神は出雲国の命名者といわれています。(『出雲国風土記』)

稲佐の浜

稲佐の浜

続いて、「国譲り神話」「国引き神話」の舞台である稲佐(いなさ)の浜へ降りました。

ここは「神在月」(かみありづき:旧暦10月)に、全国から神さまを迎える斎場(さいじょう)でもあります。

日御碕神社

日御碕神社

そして島根半島の西端、日の沈む夜を守る日御碕神社(ひのみさきじんじゃ:旧国幣小社)にお参りしました。

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神話の神さまに誘(いざな)われたような、そんな有意義な一日でした。

10月の予定

2013年9月29日 日曜日

10月の予定をお知らせいたします。

1日(火)月次祭(つきなみさい)並職員奉職奉告祭、2日(水)第62回神宮式年遷宮につき遙拝及び大祓、6日(日)八剱神社(平塚市上吉沢)例祭、五霊神社(伊勢原市上粕屋)例祭・戦没者慰霊祭、12日(土)日月神社(伊勢原市沼目)境内社疫神社例祭・戦没者慰霊祭、13日(日)真田神社(平塚市真田)月次祭、南金目神社(平塚市南金目)例祭、御嶽神社(平塚市南金目)例祭、神明社(平塚市南金目)例祭、15日(火)月次祭、16日(水)山王中学校職場体験学習、17日(木)比々多地区老人クラブ連合会健康祈願祭、20日(日)正祭、比々多地区戦没者慰霊祭並鎮魂太鼓奉納、22日(火)相模中連合支部研修会、28日(月)第67回榊会正式参拝、29日(火)神奈川県神社庁臨時協議員会、30日(水)神道政治連盟神奈川県本部役員会・研修会

10月 社頭掲示ポスター

10月 社頭掲示ポスター

また、5日(土)・6日(日)には市内最大の行事、第46回伊勢原観光道灌まつりが開催され、お神輿のお祓いがあります。

既に、篤志農家の方々から新米をご神前に奉献していただいていますが、神社下の御神田(神奈川県神道青年会)でも14日(月)に稲作体験事業「稲刈り」が行われます。

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10月の土曜・日曜・祝日は七五三のお参りも多くなりそうです。

10月13日(日)・19日(土)は神前結婚式がありますので、ご祈祷の方にはご注意願います。

マンゲツモチ

2013年9月28日 土曜日

昨日、聖上(せいじょう)陛下には、皇居内水田において、粳米(うるちまい)のニホンマサリ、糯米(もちごめ)のマンゲツモチ、計70株をお刈り取りになられました。

11月23日には、新穀を天神地祇(あまつかみくにつかみ)にお供えされ、御自ら新嘗祭(にいなめさい)をお仕えのうえ、親しくお召し上がりあそばされます。

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神話には「吾が高天原(たかまのはら)にきこしめす斎庭(ゆにわ)の穂(いなほ)を以て、また吾(わ)がみこにまかせまつるべし」(『日本書紀』)とあり、これが三大神勅(しんちょく)の一つ「斎庭の稲穂」といわれる件(くだり)です。

旧約聖書では労働は罪悪ですが、日本神話では最高貴神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)も稲作をなされ、それが悠久の時を経た今もしっかりと守られています。

瑞穂国(みづほのくに)である日本人の、農業の原点であることはいうまでもありません。

献穀米

献穀米

昨日は氏子の篤志農家の方が、新米のキヌヒカリ(粳米)とマンゲツモチ(糯米)をご奉納くださいました。

今日も地鎮祭奉仕の行き帰りの車中から、稲刈りに汗を流す農家の人たちの姿が目に飛び込んできました。

神社下の御神田(神奈川県神道青年会)では、10月14日に稲作体験「稲刈り」が開催され、翌15日はその一部で、比々多小学校5年生の稲刈りが行われる予定です。

映画の撮影

2013年9月27日 金曜日

今朝は早くから境内で映画の撮影がありました。

劇場公開の映画ではなく、インターネットの動画共有サービスで視聴できる形態のもので、事前に熱心に打ち合わせに来社され、今日に至りました。

撮影のワンシーン

撮影のワンシーン

撮影中につき詳細は触れませんが、ミュージシャンの芸人さんが出演しています。

本日はテレビドラマでよく目にする俳優さんが、狩衣(かりぎぬ)を着けて神職役をこなす場面もありました。

参集殿の中でも撮影が行われ、明日は神楽殿でのライブシーンの設営、明後日・明明後日は本格的な撮影となるようです。

尚、撮影はしていますが、お参りは自由ですのでどうぞご神前にお進みください。

また、音声などでご迷惑をお掛けすることもありますが、ご容赦願います。

境内の生き物

2013年9月26日 木曜日

昨日に引き続き、防火対策として社殿への薬剤塗布(とふ)・防腐作業が行われました。

本日は時折強い風が吹いたものの、過ごしやすい陽気となり、団体の参拝などが見られました。

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小学校から秋の探検(1年生の体験学習)の申込みがあり、念のため境内のドングリや銀杏(ぎんなん)、生き物の様子を確認しました。

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今年も氏子さんが、不老長寿の果物で唐柿(とうがき)ともいわれる無花果(いちじく)をご神前に上げてくださいました。

唐柿といわれる無花果

唐柿といわれる無花果

兼務社の総代さんが昨日、2匹の大きな鯉を奉納(8月に3匹)してくださいました。

神池は少し濁っていますが、仲良く元気に泳いでいますので、お時間がありましたら是非ともご覧ください。

今日はとても穏やかな一日でしたが、明日から30日まで、参集殿・境内・神楽殿において映画の撮影が行われます。

多少騒がしくなると思われますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

ファイヤーレターデントで防火対策

2013年9月25日 水曜日

台風20号は本土上陸とならず一安心、今日の境内は、小雨が降ったり止んだりの一日でした。

さて、神社の境内は市の火災予防条例により、禁煙・火気厳禁・危険物品持込み厳禁となっています。

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伊勢原市には国・県・市の指定文化財が61件あり、その数は県内では鎌倉市に次いで2番目です。

参考 (いせはら文化財サイト

比々多神社並びに三之宮郷土博物館には、うずらみか(県指定重要文化財)、木彫り狛犬一対登尾山古墳出土品金銅単竜環把頭尾根山古墳出土品埒面古墳出土品、下谷戸縄文遺跡環状列石及住居跡(以上は市指定重要文化財)などの指定文化財があり、国府祭は県の無形民俗文化財に指定されています。

先人が長い歴史の中で守り伝えてきた財産を、次代に引き継いでいくのは私たちの使命でもあります。

防燃水施工

防燃水施工作業

当社では文化財防火デー(1月26日)に、消防・防火訓練を隔年で実施していますが、何時何時(いつなんどき)起こるか分からないのが火災の恐怖です。

本日は、その火災から建物を守るため、社殿や授与所、手水舎などにファイヤーレターデント防燃水(ぼうねんすい)の塗布(とふ)作業を実施しました。

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ホウ酸化合物を主成分とするノンハロゲン系の液体で、人体・環境に無害といわれ、神社・仏閣などで施工例が広がっています。

優れた防燃性能で引火を防ぎ、シロアリ忌避(きひ)にも効果を発揮するようです。

作業は明日一日掛かりますので、参拝の皆さまにはご不便をお掛けいたしますが、何卒ご容赦願います。

土の神さまに感謝

2013年9月24日 火曜日

昨日・今日と兼務社(所管神社)の総代さんが次々に来社され、各種負担金を納めていただいています。

秋の祭儀日程や総代会研修旅行(11月18日・19日:熱田神宮)、所管社参拝旅行(来年2月:伊勢神宮)、また各社の境内保全状況などが話題となっています。

さて、昨日は兼務社の地神社(秦野市鶴巻)の例祭でした。お彼岸の中日ながら、多くの役員さんが参列されました。

地神社は地元の人たちから〝大エノキ〟として親しまれる樹高30メートル、胸高周囲10メートル、樹齢600年以上といわれる大ケヤキ(県指定天然記念物)をご神木とする、土の神さまをおまつりする神社です。

例祭日は社日(しゃにち;今年は9月19日)ですが、この日に近い日曜・祝日に行っています。

社日~年2回あり、春分と秋分に最も近い戊(つちのえ)の日。春を春社、秋を秋社といい、社は産まれた土地の神さま(産土神)のこと。春は五穀豊穣を祈り、秋は収穫のお礼参りをする。

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『古事記』では、地神社のご祭神である「波邇夜須毘売」(はにやすびめ)は、伊邪那美命(いざなみのみこと)が火の神である迦具土神(かぐつちのかみ)を産み、火傷(やけど)をして苦しみ、した糞(ふん)から化成した神さまです。また、尿からは水の神である彌都波能売神(みつはのめのかみ)が産まれました。

『日本書紀』一書には、軻遇突智(かぐつち)と埴山姫(はにやまひめ)の子、稚産霊(わかむすび)の頭の上には、蚕(かいこ)と桑が生(な)り、臍(ほぞ=へそ)の中に五穀が生ったとあります。

この土は赤土の粘土であり、焼畑(やきばた)ともいわれ、水と土により五穀が育つ、まさに農業の始まりともいえます。

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当地では稲刈りが行われている最中ですが、穀物の収穫に感謝する秋の一日でした。

命名

2013年9月23日 月曜日

当社で結婚式を挙げられたご夫妻が、めでたく赤ちゃんを授かり、昨日・今日と続けてお宮参りに来られました。

偶然にもお母さんの服の色が一緒、赤ちゃんの名前の文字が一緒で、当方だけですがびっくりしました。

初宮参り おめでとうございます

初宮参り おめでとうございます

また、本日は命名の相談がありました。

民法では生後14日以内に出生届を出すことになっていますが、子供の命名は「名付け祝い」といって、昔から生後7日目のお七夜に行う慣わしがあります。生後の早い時期に命名することにより、新しい命の誕生を祝ったのです。

初宮参り おめでとうございます

初宮参り おめでとうございます

名前が決まると、命名書や奉書(ほうしょ)に名を記し、神棚や床の間に貼ってお祝いをします。

名付けによって霊魂が身体に宿り、人格が備わると考えられています。

初宮参り おめでとうございます

初宮参り おめでとうございます

命名は五格(天格・人格・地格・総格・外格)による吉凶や字の意、読み、音の響き、姓名のバランス、そしてどんな子に育って欲しいかといった子供の幸せを願ってつけられるものです。

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命名の相談は随時承っていますので、気軽にお尋ねください。

第64回産土講祭

2013年9月22日 日曜日

本日は三ノ宮・木津根橋の生産者はもとより、自治会役員・農協理事・農業委員・神社役員など34名参列のもと、第64回産土講祭(うぶすなこうさい)を執り行いました。

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ご神前には薩摩芋(さつまいも)・里芋・生姜(しょうが)・牛蒡(ごぼう)・茄子(なす)・葡萄(ぶどう)・梨など、生産者の真心のこもった品々が上がりました。

献備品

献備品

後継者不足や耕作放棄地、鳥獣害など様々な問題を抱える農業の現実ですが、先人の気持ちを引き継いで64回も行われてきた意義は大きいと思います。

産土の大神さまの限りないご加護のもと、それぞれ生業に精励され、豊かな実りがもたらされますようお祈り申し上げます。

直会 ( なおらい )

直会 ( なおらい )

神のふところのうち

2013年9月21日 土曜日

昨日彼岸入りとなりましたが、お墓参りは行かれましたか?

明後日は彼岸の中日で「秋分の日」ですが、宮中の皇霊殿(こうれいでん)では「秋季皇霊祭」(しゅうきこうれいさい)が斎行されます。言わば先祖祭(せんぞまつり)ですが、天皇陛下には、歴代の天皇・皇后・皇親(こうしん)の御霊に御告げ文(おつげぶみ)を奏上されます。

さて、本日は先月始めに神葬祭を行ったお宅で五十日祭のご奉仕がありました。

五十日祭

五十日祭

ご霊前には御食御酒(みけみき)を始めて種々の物、また故人が生前好んだ嗜好品などが供えられました。

そして、親族家族が車を連ねてお供をして、奥都城(おくつき=墓所)へと向かいました。

埋葬祭を終えて

埋葬祭

埋葬祭(まいそうさい=納骨のおまつり)を以て、一連の葬儀に関わるおまつりの節目となり、遺族にとって忌明けを迎えることになります。

生まれこぬさきも生れて住める世も死にても神のふところのうち

橘三喜(たちばなみつよし)『神道四品縁起』

神道には「中今」(なかいま=遠い過去から遠い未来に至る間の今)という言葉があります。

ご先祖さんがあっての私たち、感謝の真心を以て子々孫々につながっていく命です。生まれる前・生まれた今・亡くなった後も神さまのふところに抱かれているのです。