‘なぜ?なに?’ カテゴリーのアーカイブ

変わらない祈りのために

2020年9月15日 火曜日

昨日は神奈川県神社庁において、第15回神職大会に向けての企画会議が開催されました。

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来る11月27日に行われる予定で、「コロナ禍、非常時の神社を考へる。」(仮題)として、これまでの様々な対策や祭祀の実態、組織や地域との関わりについて情報を共有するとともに、今後の在り方や様々な災害を見据えるような内容となりそうです。

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古くから神社では、様々な災害や疫病が起こる度に真摯(しんし)な祈りが捧げられてきました。

祭りの意義や地域との深い絆をあらためて考えるとともに、〝 変わらない祈りのために 〟新しい参拝のカタチを模索する必要もあります。

日と月の話

2020年9月9日 水曜日

今月に入ってから、兼務社(25社)の総代さんが来社する機会が多くなっています。

祭礼の準備やコロナ禍の対応、年末の祭典日程や御神札(おふだ)の頒布予定、共済(きょうさい)の見直し等、多岐にわたる相談内容です。

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さて、今日は「日と月」について少し記してみます。

日本人は暦(こよみ)好きともいわれ、年末になると多くの暦やカレンダーが売られます。

自然や四季の移ろいに対する感情を表す日本人にとって、暦は生活の指針ともいえます。

太陽・月・星の運行により、季節や月日は定められますが、暦は「日読み」(かよみ)からきたとされ、日を数えることを意味していたそうです。

日本神話では天照大御神(あまてらすおおみかみ)と月読命(つくよみのみこと;月読尊、月夜見尊など)は日と月の対象として登場しますが、日の神は女神、月の神は男神[万葉集では「月読壮士」(つきよみおとこ)の表現]として比較されます。

神話の神名(しんめい)には彦や姫が多く現れますが、日の神の子で、男は「日子」(彦)、女は「日女」(姫)といいます。

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太陽(日)に対して太陰(月)、旧暦(太陰暦)では月の満ち欠けで一ヶ月を数えますが、月の見えない新月、つまり朔(さく・ついたち)から次の月の見えない日までの期間が約30日となります。

日は太陽であり、その見える時間であるから「日」が毎日を数える単位に、「月」が月の見える期間を指すから一ヶ月を単位とする助数詞となったという考えもあるようです。

陰暦十五夜(じゅうごや)の月を満月(まんげつ)といい、「みてりつき(満月)」「もてりつき(最照月)」が「望月」(もちづき)の語源ともされます。

満月の欠けたところのないことから、偉大・盛大な意をもつ枕詞(まくらことば)として、「望月の」は「湛(たたは)し」「足れる」「めずらし」にかかります。

(参照『現代こよみ読み解き事典』『日本語をみがく小辞典』『日本大百科全書』)

牛の力

2020年9月3日 木曜日

9月に入っても暑い日が続いていますが、蝉時雨(せみしぐれ)は幾らか弱まり、晩には虫の鳴き声が寂寥(せきりょう)たる雰囲気を感じさせます。

さて、新型コロナウイルス感染症の終熄(しゅうそく)を願い、社頭では「疫神齋」(えきじんさい)という疫病(えきびょう)除(よ)けの御神札(おふだ)を頒布(はんぷ)しています。

今年は予言獣(よげんじゅう)といわれる妖怪(ようかい)「アマビエ」にあやかり、疫病退散を願う護符(ごふ)や御朱印を頒布する社寺が多く見られますが、当社でも〝アマビエおみくじ〟の人気が高いようです。

飯田九一氏(日本画家・俳人)年賀状(昭和36年)

飯田九一氏(日本画家・俳人)年賀状(昭和36年)

来年の干支(えと)は辛丑(かのとうし)ですが、干支に因(ちな)んだ授与品を含め、初詣準備を徐々に進めています。

当社の末社には、菅原道真公(すがわらのみとざねこう)をお祀(まつ)りする天神(てんじん)さまが鎮座していますが、牛は菅公(かんこう)と縁(ゆかり)が深く、その神使(しんし)として知られています。

自分の病(や)んだところを撫(な)でる「撫牛」(なでうし)の信仰は江戸期に流行(はや)り、今も各地の社寺で見られます。

年が明けると、牛の力に頼ることもありそうです。

朔日参り

2020年9月1日 火曜日

長月(ながつき)の朔日(ついたち)を迎え「月次祭」(つきなみさい)を執り行いました。

皇室の御安泰と国民の安寧(あんねい)、氏子崇敬者の無事安全を祈るとともに、疫病退散(えきびょうたいさん)を願いました。

関東大震災(大正12年9月1日)の発生から97年、地震のみならず台風や河川の氾濫(はんらん)、土砂災害等への意識を高める「防災の日」ですが、新型感染症の影響で防災訓練も実施されない年となりました。

社頭掲示 長月

社頭掲示 長月

さて、社頭は例月(れいげつ)と変わらず、月参りの企業、献備品をお供えになる崇敬者等、朔日参りの参拝者が多く見られました。

とりわけ兼務社への奉納金申し入れをされた若いご夫妻のお参りもありました。

先月の感謝と振り返り、今月の安全等、祈る心は様々ですが、朔日参りは折目(おりめ)正しい日本人の赤き清き真心の表れであると思います。

本然の姿に立ち直る儀式

2020年7月24日 金曜日

昨日は国民の祝日で「海の日」、今日は「スポーツの日」でした。

東京オリンピック開催のための特例措置でしたが、世界を震撼(しんかん)させる感染症の広がりにより、4年に一度のスポーツの祭典も幻(まぼろし)となってしまいました。

本来ならば梅雨も明けて、一年中で一番暑い季節が到来する頃ですが、今年は各地で海水浴場が閉ざされ、風物詩の花火大会もなく、蝉(せみ)や朝顔までもが遠慮しているような季節の進み具合です。

人形

人形

さて、明日は午後2時から「夏越大祓」(なごしのおおはらえ)を執り行いますが、雨の予報が出ていることからその設営にも頭を悩ますところです。

例年通り、比々多地区内の各地域、また崇敬者の方々から「人形」(ひとがた)が寄せられました。

当社では人形と呼称していますが、形代(かたしろ)、撫物(なでもの)、雛形(ひながた)ともいわれ、人の身に代わるものです。

大祓は祓所(はらえど)の神の神威(しんい)により、人々の罪穢(つみけがれ)を解除(げじょ)し、本然(ほんぜん)の姿に立ち直る儀式です。

皆効験有り

2020年7月19日 日曜日

明け方まで雨が降ったものの、久しぶりに青空が広がりました。

午前中は御嶽神社(伊勢原市伊勢原)の例祭(大祭)でしたが、感染症拡大防止の観点から役員3名のみで執り行いました。

縮小とは言え、準備は前日からとなり、小人数でご苦労を伴った事と思います。

淡島社

淡島社 かさ神さま

また、境内にお祀(まつ)りする〝かさ神さま〟で知られる淡島社(あわしましゃ)の祭事も従来通りに執り行いました。

御祭神(ごさいじん)は〝 医薬の神 〟で、少彦名命(すくなひこなのみこと)です。

『日本書紀』において、「少彦名命は父の大已貴命(おおなむちのみこと)と力を合わせ心を一つにしてこの世をつくり、病気を治す方(のり・わざ)を定め、今に至るまで百姓(おおみたから=国民)が恩頼(みたまのふゆ=恩恵)を蒙(こうむ)っている」事が記されています。

『古語拾遺』(こごしゅうい)にも同様の内容が記され、〝 皆効験有り 〟(みなしるしあり)とあります。

御蔭

2020年7月11日 土曜日

昼間の境内では、ニイニイゼミの鳴き声が聞かれるようになり、夕方にはヒグラシの初鳴きも耳にしました。

さて、本日は邸内社(ていないしゃ)をお祀(まつ)りするお宅へ伺いました。

大正15年の建立記録が残る「金神宮」(こんじんぐう・こんじんのみや)と刻まれた石の祠(ほこら)でしたが、現在はお稲荷さんがお祀(まつ)りされていました。

金神(こんじん)は、陰陽道(おんみょうどう)でまつる方位の神で、その神の方角に対して土木を起し、移転や嫁取り、旅行などをするのを厳しく忌(い)むものです。

諸事情により取り壊す事となったことから、御饌御酒種々味物(みけみきくさぐさのためつもの)をお供えして、これまでの御蔭(おかげ)に感謝するとともに、今後の無事をお祈りしました。

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神道(しんとう)は〝惟神(かんながら)の道〟といわれますが、天地(あめつち)の神の恵みがあればこそ、毎日の生活も事なく送ることが出来るわけで、衣食住は天地人(てんちじん)すべてのお蔭ともいえます。

天地の神のめぐみしなかりせば一と日一と夜もありえてましや 本居宣長(もとおりのりなが)

雨続き

2020年7月6日 月曜日

雨続きで梅雨明けが待たれる毎日ですが、今日は九州北部に大雨特別警報が発表されました。

近年、気象庁の用語で「線状降水帯」(せんじょうこうすいたい)という言葉を見聞きします。

次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が線状(長さ50-300㎞程度、幅20-50㎞程度)に形成され、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される強い降水を伴う雨域をいうそうで、集中豪雨を引き起こし、河川の氾濫や浸水、土砂崩れや倒木、道路の陥没等、様々な災害の危険性をもたらす恐ろしい気象現象です。

夏詣 七夕の短冊

夏詣 七夕の短冊

当地も朝から強い雨が降り、大変な思いで地鎮祭奉仕にあたりました。

また、十二柱神社(伊勢原市伊勢原)の大祓奉告祭・大祓式や事前連絡を頂いた安産祈願等をお仕えしましたが、雨の心配もあって参拝者の少ない一日でした。

「夏詣」(なつもうで:7月1日~8月31日)で御神前に設けた七夕の短冊には、様々な祈りや願いが込められていて、気持ちがほっこりする内容のものばかりです。

明日は七夕ですが、梅雨の中休みは期待出来そうにありません。

機織りの神さまに願いを

2020年6月30日 火曜日

明日から「文月」(ふみづき・ふづき)を迎えます。

陰暦7月の異称に「文披月」(ふみひらきづき)がありますが、7月7日の七夕(たなばた)行事に詩歌(しいか)を献(けん)じたり、書道の上達を祈り、文(ふみ=書物)を披(ひら)く意であると『こよみ読み解き事典』に記されています。

また、稲穂の膨(ふく)らみを見るから「穗含月」(ほふみづき)「含月」(ふくみづき)からの転とも考えられるそうです。

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さて、七夕(たなばた)は「星祭」(ほしまつり)ともいわれ、天の川(あまのがわ)における牽牛星(けんぎゅうせい:彦星 ひこぼし)と織女星(しょくじょせい:棚機女 たなばたつめ)の年に一度の逢瀬(おうせ)です。

当社の御祭神(ごさいじん)である稚日女尊(わかひるめのみこと)は、『日本書紀』に記されるように、神さまの御服(みそ)を織る〝機織(はたお)りの神さま〟です。

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明日から「夏詣」(なつもうで:7月1日~8月31日)が始まりますが、御神前には願いや祈りを記す七夕の短冊を準備しています。

御神前に祈りをこめ、短冊に詩歌や書道・裁縫(さいほう)の上達(じょうたつ)はもとより、縁結びや病気平癒、心願成就等、それぞれの思いや願いを記して笹竹に結んで下さい。

期の終わりと始まり

2020年6月28日 日曜日

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、休校が長期化したことで学校年度を多くの諸外国に合わせた9月入学に変更することについて、利点や課題、社会的影響力等、賛否両論が持ち上がりましたが、準備期間や財源の問題、現場の混乱等の理由から現状維持となったことは記憶に新しいところです。

国の会計年度と同様、日本の企業は3月期決算が多いことから、この6月末は集中して定時株主総会が開催されています。

tourouさて、神社では半期に一度の大祓の時期を迎え、今日は兼務社の八剣神社(平塚市上吉沢)において「大祓奉告祭並びに大祓神事」を執り行いました。

心身の健康や地域社会の安全を祈る場ですが、新役員体制のもと初めての祭儀にあたることから、新たな半期を無事に迎えるためにも重要な意味合いをもつことを確認した次第です。

今年は最古の正史(せいし)『日本書紀』が成立して1300年ですが、「景行天皇紀」(けいこうてんのうき)には、御祭神(ごさいじん)の日本武尊(やまとたけるのみこと)が倭姫命(やまとひめのみこと)から草薙劔(くさなぎのつるぎ)を授かり、「慎しみてな怠(おこた)りそ」という言葉を賜って、東国征討に向かった御事績(ごじせき)が記されています。