‘なぜ?なに?’ カテゴリーのアーカイブ

奥都城

2021年7月22日 木曜日

本日は二十四節気の一で大暑(たいしょ)、暑気の最も厳しい季節となりました。

当地では夏野菜や果物が瑞々しく育つ時期でもあります。

明日の東京五輪開会式に伴い、海の日(7月19日)が本日に、スポーツの日(10月11日)が明日に移動となり、今日から4連休となりました。

墓所(奥都城)

墓所(奥都城)

さて、本日は一連の葬儀(通夜祭、葬場祭、火葬祭、帰家祭、十日祭)を営んだお宅において、御饌神酒(みけみき)を始め、故人の好まれた品々をお供えし、時の花を飾り、家族親族参列のもと五十日祭を執り行いました。

その後、関係者で墓所に移動し、埋葬祭(まいそうさい)をお仕えしました。

神道では墓所を「奥つ城」(おくつき;奥都城・奥津城=奥まった場所にある区域の意。神や霊のおさまり鎮まっている所。)といい、墓石の正面に「〇〇家奥都(津)城」と文字を記します。

また、墓石の側面や墓標には、仏式でいう戒名(かいみょう)は用いずに、生前の姓名に男性であれば大人(うし)、女性なら刀自(とじ)といった尊称を付けた諡名(おくりな)を刻みます。

墓前に鳥居を設ける墓地もありますが、祭儀の折に竹を立てて注連縄(しめなわ)を張り、紙垂(しで)を垂らすこともあります。

この日を境に忌明(きあ)けとなり、神棚を覆った白紙を取り除き、神祭りの再開、祭礼行事やお祝い事への参加も可能となります。

来し方と今を思う

2021年7月6日 火曜日

一昨日は神前結婚式をお仕えしましたが、初宮詣、七五三詣、成人式などに続く、神社で行われる節目の人生儀礼です。

本日は「長寿のお祝い」についてのご相談がありました。

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年祝いは、古くは「算賀」(さんが)「年賀」「賀(が)の祝」と称し、40歳、50歳、60歳と10歳長ずるごとに行っていましたが、後には「還暦」(かんれき:61歳)「古稀」(こき:70歳)「喜寿」(きじゅ:77歳)「傘寿」(さんじゅ:80歳)「米寿」(べいじゅ:88歳)「卒寿」(そつじゅ:90歳)「白寿」(はくじゅ:99歳)「上寿」(じょうじゅ:100歳)などが加わり、お祝いが行われています。

生命は祖神の賜物(たまもの)なので神社へ参り、来し方(こしかた)と今を思い、感謝の祈りを捧げます。

金目川の氾濫と祈り

2021年7月3日 土曜日

本日早朝、伊勢原市内に「警戒レベル4避難指示」が発令されました。

幸いにして、当社では災害が発生することなく、施設を含めて境内全域は安泰でした。

観音橋から金目川上流を望む

観音橋から金目川上流を望む 午後2時半

午前中は北金目神社(平塚市北金目)、午後は南金目神社(平塚市南金目)において大祓が予定されていましたが、平塚市内には「警戒レベル5緊急安全確保」が発令され、金目川(かなめがわ)が増水したことから、氾濫による浸水被害が発生する可能性も出ました。

早急に両社の責任役員と連絡を取り、北金目神社については祭典を11日(日)に延期することになりました。

当社から南金目神社へ行くには金目川を渡りますが、平素であれば、川の遠景に富士山を眺め、禊(みそぎ)をする清らかな気持ちで観音橋を通行しますが、今日ばかりは溢(あふ)れるほどの濁流が流れていました。

南金目神社

南金目神社

南金目神社は金目川を見下ろす高台にあり、古く雷電(らいでん)神社と称し、雷神(いかづちのかみ)をお祀(まつ)りするお宮です。

金目川の氾濫の歴史においても、その御神徳(ごしんとく)の発揚(はつよう)を祈る、重要な位置に鎮座していることが理解出来ます。

協議員会常任委員会と班幣式

2021年6月28日 月曜日

本日は神奈川県神社庁の定例協議員会でしたが、感染症拡大防止のため、今次(こんじ;今回)も県内10支部10名による常任委員会の形で実施されました。

相模中連合支部(二宮町、大磯町、平塚市、伊勢原市、秦野市)を代表して宮司が会合に出席し、業務計画、歳入歳出予算等に関する審議を行いました。

また、伊勢神宮崇敬会神奈川県本部評議員会が行われ、県内の会員状況等について報告がありました。

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結びに、班幣式(はんべいしき)が行われ、神社庁長から神社本庁幣が各支部に頒(わか)たれました。

年に一度の「例祭」(れいさい)には、一般的に知られるお米やお酒、鏡餅(かがみもち)や海の幸(さち)・山の幸等の神饌(しんせん)の他、氏子からの氏子幣(うじこへい)とともに、神社本庁からの幣帛料(へいはくりょう)を神さまに供進(きょうしん)します。

幣帛は幣(みてぐら、ぬさ)、和幣(にきて;にきたへの約。にぎて。)ともいわれ、古くは絹織物や麻(あさ)など布帛(ふはく)を称し、古来祭祀規定に定められてきました。

現在では金員(きんいん;金銭)となっていますが、朝廷や国家から公(おおやけ)の祭祀を行う奉幣(ほうへい、ほうべい)の伝統が、現在も祭儀の重要な儀式として大切にされています。

梅雨入り

2021年6月14日 月曜日

気象庁は今日、関東甲信地方が梅雨入りしたとみられる(速報値)と発表しました。

昨年より3日、平年より7日遅く、ここ10年で一番遅いようです。

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5日のブログで、額紫陽花(がくあじさい)の装飾花について記しましたが、紫陽花も4枚の装飾花である「がく」の真ん中に真花(しんか)があり、当社の境内ではまだ開いていないので、開花にはあたらないようです。

鎮物

2021年5月19日 水曜日

月末に新工場建設工事の地鎮祭(じちんさい)があり、建設会社の方々が打ち合わせでお参りになりました。

既存工場の解体の際に、土地の中央から鎮物(しずめもの)が出土したとの事で、粗末にしてはならないとの思いで持参されました。

たまたま以前の会社も同じ建設会社で請け負ったようですが、鎮物に49年前の年号が記され感慨深い様子でした。

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地鎮祭は土地の神々を祀(まつ)り、土地の平安堅固(へいあんけんご)と工事の安全無事を祈る建築儀礼です。

土地の神霊(みたま)を和(なご)め鎮めるために、人形(ひとがた)や刀、盾(たて)、矛(ほこ)、鏡などを埋納(まいのう)するもので、古代祭祀の形を今に残すものともいえます。

鳥居の竣功

2021年5月9日 日曜日

4月26日のブログでお知らせしましたが、兼務する八剣神社(平塚市上吉沢)において鳥居の建替工事が行われ、欅(けやき)づくり銅板葺(どうばんぶき)の鳥居が無事竣功を迎えました。

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地域内には回覧で内容の伝達が行われましたが、コロナ禍の状況も踏まえ、寄進者及び工事に携わった職人、神社役員・総代のみで竣功祭を執り行いました。

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取り壊した鳥居の枘(ほぞ)部分には、年号や寄進者、職人の名前が記され、あらためて歴史を知ることが出来ました。

昭和9年以来87年ぶりの建て替えですが、令和の記念事業として後世に語り継がれると思います。

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今次(こんじ)の工事では、両部鳥居(りょうぶとりい)といわれる四脚(よつあし)鳥居を忠実に再現しつつ、島木(しまぎ)と柱の間に台輪(だいわ)が加えられ、台石(だいいし)には黒御影(くろみかげ)が用いられました。

神社下には天台宗の名刹(めいさつ)で妙覚寺が鎮座していますが、この山門が四脚門(県指定重要文化財)で、その関係性も興味深いところです。

両部鳥居の寄進

2021年4月16日 金曜日

ご案内の通り、神社の入口には鳥居があり、神さまのおられるところと人の住むところの境界、聖と俗を分ける標(しるし)です。

当社の鳥居は、全国で最も広く用いられている明神(みょうじん)鳥居ですが、他にも神明(しんめい)鳥居や山王(さんのう)鳥居、鹿島鳥居など様々な形や特色があります。

両部鳥居

八剱神社 両部鳥居

本日、兼務する八釼神社(平塚市上吉沢)の鳥居が経年による劣化が見られることから、氏子篤志者(とくししゃ)の寄進で新たに建て替えることとなり、安全祈願祭を執り行いました。

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現在と同じ欅(けやき)づくりの両部(りょうぶ)鳥居で、権現(ごんげん)鳥居、四脚(よつあし)鳥居ともいわれるもので、広島の厳島(いつくしま)神社に見られます。

初宮参り

2021年3月6日 土曜日

埼玉、東京、千葉、神奈川の首都圏1都3県を対象とした新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言は、昨晩2週間の再延長が正式に決まりました。

ほとんどが事前予約でしたが、本日は初宮参りや厄除、交通安全、家内安全、心願成就などのご祈願がありました。

社殿への昇殿人数については、引き続き制限を設けさせて頂き、皆様方のご理解とご協力をお願いしています。

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さて、新生児が産まれて初めて神社にお参りし、無事健康に成長することを祈る神事が初宮参り(お宮参り)です。

時期として男児は生後31日目、女児は32日目が一般的ですが、これは母子の産屋明けの期日ともいわれています。

いずれにせよ母子の健康を一番に考えることから、この日数にこだわる必要もありません。

また、安産祈願を受けた場合には、ご加護に感謝することも忘れないようにして欲しいと思います。

医学が発達している現代においても、未だ不安定な状態であることに違いはなく、神さまのご神徳を授かり、丈夫に育って欲しいと願うのは万人の思いです。

大御代の長久

2021年2月23日 火曜日

今日は第126代の天皇として即位された今上陛下の御誕生日です。

全国の主なる神社では、天皇のお健やかなることを祝福し、大御代(おおみよ=天皇の治世)の長久(ちょうきゅう)と皇室の弥栄(いやさか)を祈念する「天長祭」(てんちょうさい)を中祭(ちゅうさい)として執り行っています。

八坂神社

八坂神社

当社では恒例祭としては行っていませんが、朝夕の日供祭(にっくさい)において、皇室の御安泰と弥栄を祈念しています。

さて、今日も兼務する八坂神社(平塚市入野)と神明社(伊勢原市上平間)において祈年祭(きねんさい)を斎行(さいこう)しました。

申すまでもなく、祈年祭の祝詞(のりと)においても、「・・・天皇(すめらみこと)の大御代(おほみよ)を手長(たなが)の御代(みよ)の厳御代(いかしみよ)と堅磐(かきは)に常磐(ときは)に斎(いは)ひ奉(まつ)り幸(さきは)へ奉(まつ)り給(たま)ひ・・・」と言霊(ことだま)に祈りを寄せています。