大型で強い台風12号は、午前小笠原諸島付近を西北西に進み、ゆっくりと北上する様子です。台風の接近に伴い湿った空気が流れて、かなり湿度が高くなっています。今晩遅くに雷とともに激しい雨になるのでしょうか。
境内では、朝からミンミンゼミやアブラゼミ、ツクツクボウシが衰えを知らずに鳴いていました。夕方にはヒグラシの鳴き声も聞かれましたが、夜はコオロギを始め秋の虫たちも鳴き始めています。
明日は「二百十日」(にひゃくとおか)。立春から数えて210日目にあたり、中稲(なかて)の開花期で、台風の襲来時期にあたるため、農家では八朔(陰暦8月1日)、二百二十日とともに、荒日(あれび)、3大厄日として恐れられています。
龍田大社(たつたたいしゃ・奈良県生駒郡)は、古くから朝廷からの使を遣わされて奉幣(ほうべい)に預かった神社で、『延喜式』の「四時祭式 上」には、風神祭(かぜのかみのまつり)が風雨の順調を願い穀物の豊穣を祈る祭として、4月と7月(旧暦)に行われたことが記されています。
「公民(おおみたから)の作りと作る物を悪しき風荒き水にあわせ賜わず」
二百十日前後には、この「風祭」(かざまつり・かぜまつり)を執り行い、風を鎮めて豊作を祈願する地域が今でも多く残ります。
幕府天文方に任命された渋川春海が作った貞享暦(じょうきょうれき・1684年)は、我が国の風土に基づいた意義の高い暦法ですが、ここに八十八夜や入梅とともに記載されています。
来年は閏年なので、1日ずれて8月31日が二百十日となります。