2013年5月6日 のアーカイブ

国府祭④ 祭政一致の伝統

2013年5月6日 月曜日

昨日は立夏、神職の装束も夏用に替わりました。

これが国府祭報告の最後です。

6本の日の丸 大矢場

6本の日の丸 大矢場

さて、神揃山(かみそろいやま)では相模国の有力大社(五社)による発輿祭(はつよさい)が行われ、総社・六所神社の待つ大矢場(おおやば=逢親場)へ一之宮から順に向かいました。

今年は一之宮の神輿の大修理が施され、二之宮・八幡宮・六所神社で大神輿渡御が行われました。

三之宮・四之宮も揃って、大神輿の連合渡御をとの声も挙がっていますが実現するでしょうか。

五社献饌

七十五膳献上 五社献饌

奈良・平安時代、国司(こくし)が祭り主として行った国府祭は、神祇(じんぎ)制度と国の行政であり、祭政一致そのものでした。

武家政権に移りゆく中で、幕府所在国として特段の崇敬と保護を加えられた点においても、伝統が継続された価値が見出されます。

守公神 神納対面

守公神 神納対面

前出の有力五社からは七度半の遣いとして、総社に奉迎使(ほうげいし)が向けられます。

大磯町長が国司に扮して儀式は進められますが、「七十五膳献上」(しちじゅうごぜんけんじょう)といって、五社の神さまにお供え物が供えられ、五社のご分霊(ぶんれい)である守公神(しゅこうしん)を総社に納める儀式「神納対面」(しんのうたいめん)が例年通り行われました。

列拝

列拝

実際に国司が各社を巡拝すると日数も費用も掛かるため、五社の神さまのご分霊を総社におまつりすることにより、国司の負担は減るとともに、国府祭は盛大な行事となっていきました。

国司代奉幣

神裁許の儀

国司による各社参拝「国司代奉幣」(こくしだいほうべい)、総社による各社参拝「神裁許の儀」(しんさいきょのぎ)により、今年も五穀豊穣と国の安寧の祈りが込められました。

伊勢原行在所

伊勢原行在所

道中伊勢原に設えられた行在所において、商工や観光振興、商店会関係者多数が参列し、その安全と発展、祭政一致の願いが捧げられました。

暫しの休憩ののち、無事めでたくお宮に戻り、神さまにお社へお帰りいただきました。

多くの関係各位に感謝御礼申し上げます。

国府祭③ 神揃山のどよめき

2013年5月6日 月曜日

定められた時間通りに金目を出て、国府の地・大磯へと向かいました。

神揃山(かみそろいやま・かみそりやま)には、一之宮・寒川神社、二之宮・川勾神社、三之宮・比々多神社、四之宮・前鳥神社、一国一社・平塚八幡宮の五社が集って神事を執り行いますが、その参道も古来より決まっています。

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当社の参道は山道で最も険しく、まして神輿を担いで上がるのは容易ではありません。それでも青年会は元気に目的地へと進みました。

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既に一之宮、二之宮は着御(ちゃくぎょ)し、当社もご馳走となる神饌(しんせん)をお供えして着御祭(ちゃくぎょさい)を執り行いました。

神饌(しんせん)

神饌(しんせん)

八幡宮の閉式の太鼓が打ち鳴らされると、総代の合図で粽行事(ちまきぎょうじ)が始まりました。

粽行事

粽行事

当社の粽行事は例祭(4月22日)でも見られますが、昔から神輿が無事ご到着になったことをお祝いし、福分けの行事として行われています。

力石にのせられた粽俵(ちまきだわら)

力石(ちからいし)の粽俵(ちまきだわら)

各社からは参拝者に粽が頒布(はんぷ)されますが、神棚や床の間にお供えするとともに、ご飯と一緒に炊いて家族で召し上がり、一年間の無病息災、幸福を願う良き習わしです。

五社列拝(ごしゃれっぱい)

五社列拝

その後、宮司以下神職が各社を順番にお参りする「五社列拝」(ごしゃれっぱい)、そして古式「座問答」(ざもんどう)が始まります。

座問答

座問答

相武(さがむ)と磯長(しなが)の国が相模となった時、それぞれの一之宮であった寒川神社と川勾神社が一之宮争いをします。これを神事化したのが「座問答」です。

二社が神さまの坐(ざ=座)を表す敷物をお互いに譲らず上位に進めること三度、仲裁として当社宮司が「いずれ明年まで」と声を発して翌年に持ち越されるというものです。

三度というのは繰り返し論議したことを表し、1300年以上にわたって繰り返されることに、神さまの大らかさが表れています。

座問答

座問答

毎年のことながら、「いずれ明年まで」という言葉に、聴衆の大きなどよめきが起こります。

国府祭② 金目観音で休息

2013年5月6日 月曜日

長い年月にわたる国府祭の中では、田畑を通って耕作人との支障を来たしたものが文書として残っていたり、血を見ないと急坂を登れないことから “ 血見せ坂 ” と名付いたり、歴史あるお祭りならではの逸話や小話が沢山あります。

金目行在所お着きの式を終えて

金目行在所 着御齋

現在では車を利用していますが、昔は八十八ヶ村による村渡しで国府(大磯)まで赴きました。

神戸の地をバスで出発した一行は、金目の古刹(こさつ)・天台宗の光明寺(こうみょうじ)で着御祭(ちゃくぎょさい)を執り行いました。

光明寺

板東七番札所 金目観音(光明寺)

ご住職を始め檀家の役員さんが敬神講を組織し、今年も祭場準備を調えて気持ちよくお迎えしてくれました。

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暫しのほど寺務所で休息を取らせていただいたのち、金目川の清き流れで神輿は禊(みそぎ)となりました。

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今年は「なでしこ囃子会」や地元「御嶽太鼓連」の太鼓も加わり、とても賑やかな中で雰囲気も最高となりました。

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上:なでしこ囃子会  下:御嶽太鼓連

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こどもの日の鯉のぼりも風になびき、楽しく心地よい金目観音の一時でした。

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国府祭① いざ出立

2013年5月6日 月曜日

端午の節句の昨日、好天に恵まれたお祭り日和となりました。

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国府祭の年番神戸(ごうど)自治会、青年会、総代はもとより、お手伝いの榊会(総代OB会)、見送りの人たちが早旦よりお宮に集まりました。

修祓式

修祓式

発輿(はつよ)に先立ち、修祓式(しゅばつしき)を執り行い、宮司・責任役員・自治会長と代表による玉串拝礼ののち、立ちお神酒を済ませて供奉行列の出立となりました。

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賑やかな太鼓が早朝の神域に響きわたり、この音を聞いて近隣の人たちも見送りで顔を出してくれたようです。

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例祭(4月22日)と同様、化粧塚(けしょうづか)を通り、身支度を調えて神戸へ。

化粧塚

化粧塚