相模国三ノ宮・比々多神社

国府祭③ 神揃山のどよめき

定められた時間通りに金目を出て、国府の地・大磯へと向かいました。

神揃山(かみそろいやま・かみそりやま)には、一之宮・寒川神社、二之宮・川勾神社、三之宮・比々多神社、四之宮・前鳥神社、一国一社・平塚八幡宮の五社が集って神事を執り行いますが、その参道も古来より決まっています。

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当社の参道は山道で最も険しく、まして神輿を担いで上がるのは容易ではありません。それでも青年会は元気に目的地へと進みました。

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既に一之宮、二之宮は着御(ちゃくぎょ)し、当社もご馳走となる神饌(しんせん)をお供えして着御祭(ちゃくぎょさい)を執り行いました。

神饌(しんせん)

神饌(しんせん)

八幡宮の閉式の太鼓が打ち鳴らされると、総代の合図で粽行事(ちまきぎょうじ)が始まりました。

粽行事

粽行事

当社の粽行事は例祭(4月22日)でも見られますが、昔から神輿が無事ご到着になったことをお祝いし、福分けの行事として行われています。

力石にのせられた粽俵(ちまきだわら)

力石(ちからいし)の粽俵(ちまきだわら)

各社からは参拝者に粽が頒布(はんぷ)されますが、神棚や床の間にお供えするとともに、ご飯と一緒に炊いて家族で召し上がり、一年間の無病息災、幸福を願う良き習わしです。

五社列拝(ごしゃれっぱい)

五社列拝

その後、宮司以下神職が各社を順番にお参りする「五社列拝」(ごしゃれっぱい)、そして古式「座問答」(ざもんどう)が始まります。

座問答

座問答

相武(さがむ)と磯長(しなが)の国が相模となった時、それぞれの一之宮であった寒川神社と川勾神社が一之宮争いをします。これを神事化したのが「座問答」です。

二社が神さまの坐(ざ=座)を表す敷物をお互いに譲らず上位に進めること三度、仲裁として当社宮司が「いずれ明年まで」と声を発して翌年に持ち越されるというものです。

三度というのは繰り返し論議したことを表し、1300年以上にわたって繰り返されることに、神さまの大らかさが表れています。

座問答

座問答

毎年のことながら、「いずれ明年まで」という言葉に、聴衆の大きなどよめきが起こります。

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