2013年5月8日 のアーカイブ

妊婦と出産を守護する神さま

2013年5月8日 水曜日

犬が安産する習性に因み、今日「戌の日」は「帯祝」(おびいわい)の日です。

妊娠5ヶ月に至り、安産を祈って着帯をしますが、岩のように強く育つようにとの願いから「岩田帯」(いわたおび)といいます。斎肌(ゆはた)の儀からとも、結肌帯(ゆふはたおび)を略して呼ぶとも解されています。

安産守と岩田帯

安産御守と岩田帯

本日は午前中から安産祈願が続きましたが、出生は人生の門出であり、最も意義深く且つ厳粛なものなので、神職としても神聖な気持ちでご奉仕をいたしました。

当社には、富士山の神さまとして信仰の深い「木花開耶姫」(このはなさくやひめ)という妊婦と出産を守護する神さまがおまつりされています。

神話では瓊々杵尊(ににぎのみこと)と出会い、その日のうちに子を妊(はら)みます。「一夜のうちに妊むなど、私の子でない」と言い放たれますが、戸のない室屋にこもり、「もし天孫(てんそんであるあなたの子)ならば元気に生まれてくるでしょう」といって、火を放った中で立派な3人の神さまを生みました。

祈願絵馬

祈願絵馬

鎌倉幕府の歴史書『吾妻鑑』(あづまかがみ)には、源頼朝(みなもとのよりとも)公が妻・政子(まさこ)の安産祈願にあたり、「三宮冠大明神」に神馬(しんめ)を奉納したことが記されています。(建久3年8月9日条)

神馬の奉納は現在の絵馬の起源であり、無事に実朝(さねとも)公を授かった親の喜びは、今も昔も変わらないものでしょう。

見頃となった小川の野花菖蒲 ( のはなしょうぶ )

見頃となった小川の野花菖蒲 ( のはなしょうぶ )