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神宮大麻全国頒布140周年

2012年9月4日 火曜日

本日は神奈川県神社庁において、神宮大麻(じんぐうたいま)の頒布(はんぷ)推進に関する会議が開かれました。

「神宮大麻」については、過去のブログ(一昨年9月 昨年9月 昨年10月)でも何度か記しましたが、神棚におまつりする伊勢の神宮で奉製(ほうせい)される御神札です。

神宮大麻

神宮大麻

江戸時代には、神宮の師職である御師(おんし)により、祈祷の験(きとうのしるし)として「御祓大麻」(おはらいたいま)が頒布されました。

江戸中期、宇治山田の御師は800余軒にのぼり、檀家数は421万8584戸(『安永6年外宮師職檀方家数改帳』)であり、実に総戸数の89%に大麻が頒布されていたことが分かります。

ところが、明治新政府のもと神宮制度が改革され、明治4年(1871)には御師による祈祷や配札が廃止となりました。

国民の崇敬の道が閉ざされることを危惧した神宮当局は、神祇省に大麻頒布を具申した結果、神宮による大麻頒布が告諭されました。

これを受けて神宮司庁に大麻暦製造局が設置され、全国に頒布されるようになりました。その年から数え、本年は140周年となります。

助成金を受ける当支部庁

頒布推進の助成金を受ける当支部長

戦後、一宗教法人となった神社本庁が頒布の委託を受け、各都道府県神社庁を経て各家庭に頒布されるようになりました。

大麻頒布の制度は、国の政策転換により変更を余儀なくされていますが、お伊勢さまと家庭をつなぐ役目を神職や総代が担い、日本の精神文化を引き継いでいかなければなりません。

「心を育てるお家のかみさま」

「心を育てるお家のかみさま」

人々の心が荒廃し、人のつながりが希薄化している現代社会だからこそ、神棚にそっと手を合わせ、神さまに対する感謝や畏敬(いけい)の念を大切にしたいものです。