2016年10月 のアーカイブ

恐れのなかに恐るべかりける

2016年10月21日 金曜日

昨日の汗ばむ陽気とは異なり、今日は過ごしやすい天候の中、一般住宅や老人ホームの新築工事にあたり、地鎮祭(じちんさい)のご奉仕がありました。

地鎮祭では土地の守護神を祀(まつ)って神慮(しんりょ)を和(なご)め、土地の平安堅固(へいあんけんこ)、工事の安全無事を祈るとともに、「風吹き荒び氷雨降りしきるとも地震雷の災いなく・・・、」と自然災害が及ばぬことを祈ります。

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祝詞(のりと)では「地震」を「なゐ」と読みます。「な」は土地の意で、「ゐ」は居のことで、原義は大地のようです。

『徒然草(つれづれぐさ)』『枕草子(まくらのそうし)』と合わせ三大随筆に数えられる鴨長明(かものちょうめい)の『方丈記(ほうじょうき)』には、天変地異に関する記述がいくつかありますが、元暦大地震(1185年)について「恐れのなかに恐るべかりけるはただ地震(なゐ)なりけり」(恐ろしいことの中で恐るべきものはただ地震である)とあります。

本日の午後2時7分頃、鳥取県中部を震源とする震度6弱、規模(マグニチュード)は6.6と推定される地震が発生しました。

熊本地震(4月14日)の恐ろしい記憶が薄れぬ中、今後の安全無事を祈るばかりです。

行楽日和

2016年10月20日 木曜日

伊勢原市のストーリーを含む19件が、平成28年度の日本遺産に認定(4月25日)されました。

その構成文化財の一つとして、『広報いせはら』(10月15日号)に当社の記事が掲載されています。

広報いせはら

広報いせはら

さて、今日は都内から私立高校の保護者会や歴史の会・古文書の会などのバス参拝が続きました。

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汗ばむぐらいの陽気でしたが、絶好の行楽日和となりました。

日陰を利用して、神社の由緒や祭礼行事はもちろんのこと、注連縄(しめなわ)や俵(たわら)づくりなどについて縷々(るる)お話をさせて頂きました。

郷土博物館

郷土博物館

三之宮郷土博物館では、装飾大刀(そうしょくたち)や馬具、銅椀(どうわん)、銅鏡(どうきょう)などの展示品を、時間を掛けて熱心に見学されました。

511名の健康長寿

2016年10月19日 水曜日

昨晩は、当社総代をつとめられた方々で組織する榊会(さかきかい)の役員会が開かれ、「第73回榊会正式参拝」(10月25日)についての話し合いが行われました。

年2回の開催ですが、皆さん楽しみにご参加のようです。

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さて、今日は比々多地区老人クラブ連合会(三宮老盛会、栗原老盛会、善波老人クラブ、坪ノ内老友会、白根長生会、笠窪ゆめクラブ、大住台楽生会、串橋長命会)の健康祈願祭を執り行いました。

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会員数は511名と非常に多いため、各老人会から5名ずつ40名が参列しました。

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8名の会長が代表で玉串を奉(たてまつ)り、会員一同の健康長寿を祈りました。

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直会(なおらい)は終始和やかに、お開きの時間まで賑やかで、楽しい交流の一時をお過ごしになったようです。

鎮魂という誠意

2016年10月18日 火曜日

昨日に続いて、一昨日の慰霊祭後の「鎮魂太鼓奉納」(比々多神社・比々多地区自治会連合会共催)の様子をお伝え致します。

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雨天で2回取り止めとなった年を除き、比々多地区の連合太鼓奉納は今年で21回目を数えます。

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各太鼓連ごとに神社を参拝した後、開式行事では全体のお清めをして、一同で招魂社(しょうこんしゃ)に向かって拝礼をしました。

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宮司、自治会連合会長、市長のご挨拶に続き、今年の当番にあたる三ノ宮・三和会長から先人たちへの思いのこもった言葉が発せられました。

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今年も参加の太鼓連は三和会(三ノ宮)、栗原祭保存会、神戸青年会、笠窪太鼓連、坪ノ内友の会太鼓連、善波太鼓連、串橋太鼓連、白根太鼓連の8太鼓連及びなでしこ囃子会で、定まった順に囃子(はやし)車を並べ、気合いの入った太鼓奉納、太鼓の競演が始まりました。

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特に、なでしこ囃子会の小・中学生に向けられた眼差しは、とても温かな様子であり、拍手も一際大きかったようです。

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他地区ながら田中長寿会の皆さんも特等席を構えて各地区の競演を聞き入り、「自分たちもまだ現役」と気概の高さを示していました。

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比々多地区内に太鼓の音が広く響きわたり、青空高く先人たちにもしっかりと伝わったのではないでしょうか。

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鎮魂という誠意が地域の人たちの和となり、今年も大いなる実りをもたらしてくれました。

末の発展

2016年10月17日 月曜日

昨日の「正祭」(しょうさい)に続き、慰霊祭の様子をご報告致します。

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毎年正祭に続いて、午前10時から招魂社(しょうこんしゃ:神社南西側)で行われるのが「比々多地区戦歿者慰霊祭」です。

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西南の役、日清戦争、日露戦争、そして大東亜戦争など、かつての戦役に出征(しゅっせい)し、散華(さんげ)された英霊(えいれい)182柱の名が、招魂社内の碑(いしぶみ)に刻まれています。

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清められた忠魂碑(ちゅうこんひ)前を飾り装い、青葉常磐木(あおばときわぎ)の真榊(まさかき)に御幣(ごへい)を垂らし、「オーオーオー」という警蹕(けいひつ)が響く中、英霊を招魂(しょうこん)しました。

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斎主(さいしゅ)に続き、主催者の比々多地区自治会連合会長、伊勢原市遺族会長、遺族会比々多支部代表、伊勢原市長、神奈川県議会議員、伊勢原市議会議員、神社責任役員、比々多地区内太鼓連代表が玉串を奉り拝礼しました。

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先の大戦から71年が経過し、既に軍恩会は解散となり、傷痍軍人会の人たちも鬼籍(きせき)に入り、遺族の世代も変わりゆく中ですが、市内で唯一、自治会主催の行事として開催される意義は深いものです。

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残りし人たちの太鼓奉納に込めた鎮魂の思いとともに、長く執り行われることが末の発展にも繋がることだと思われます。

引き締まった祭典

2016年10月16日 日曜日

予報通りの快晴の青空の下、正祭・慰霊祭に続き、午後から慰霊祭奉納太鼓を予定通りに開催することが出来ました。

四季桜

四季桜

先ずは、秋の祭礼「正祭」(しょうさい)の様子をご報告致します。

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祈年祭(2月17日)、例祭(4月22日)、新穀勤労感謝祭(11月23日)など、午前10時に執り行う祭事が多い中、正祭は午前9時斎行(さいこう)ということで、総代さんたちも朝7時過ぎには参集しました。

三方に載せた神饌

三方に載せた神饌

神さまにお供えする「神饌」(しんせん)を載せる台を「三方」(さんぼう)といい、神事にはこの三方が概(おおむ)ね用いられます。これは折敷(おしき)と胴(どう)から成り、胴の三面に眼象(げんじょう)という繰形(くりかた=えぐってあけた穴)があることから名付けられたものです。

平素は5台の神饌を並べていますが、正祭では白木(しらき)の三方に載せた9台の神饌をお供えします。

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祭式作法通りに粛々(しゅくしゅく)と進めるのが神事の神事たる由縁(ゆえん)ですが、清浄を期し、秩序を重んじ、何より敬神報恩(けいしんほうおん)の至誠(しせい)を尽くすことにより、神徳(しんとく)が添えられるものです。

緊張の中、参列者一同がその境地にあるような、引き締まった祭典でした。

ハレの日

2016年10月15日 土曜日

今朝は冷え込みが強まりましたが、日中は穏やかな日差しに包まれ、からっとした秋晴れとなりました。

月次祭(つきなみさい)を執り行い、皇室の御安泰と国家の安寧(あんねい)、氏子・崇敬者の安全と発展を祈り上げました。

職員一同気持ちをあらたに、折返しの半月を過ごしたいと思っています。

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今日は明日の正祭(しょうさい)・慰霊祭に向け、総代さんによる注連縄(しめなわ)張り、草刈りなどの奉仕作業、比々多地区自治会連合会による太鼓奉納のライン引きなどの設営準備が行われるとともに、シルバーの人たちによる招魂社(しょうこんしゃ)の清掃奉仕が行われました。

絶好の行楽日和の中、栗原地区のオーナーまつりや農協の芋掘りが実施され、ウオーキング団体や御朱印巡り、神奈川県神道青年会による御神田(ごしんでん)の稲刈り準備など、人の出入りの激しい一日となりました。

そして、大安吉日〝ハレの日〟とあって、安産祈願や初宮参り、七五三参り、交通安全祈願、企業祈祷などで社頭は賑わい、結婚式や地鎮祭、解体祓、清祓など、様々な出張祭典奉仕があり、走り回る程のありがたい一日でした。

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今夜は皓皓(こうこう)とした月夜の中、明日の太鼓奉納に向けて、比々多地区内各所で太鼓の音が響きわたっています。

姿勢を正すこと

2016年10月14日 金曜日

昨日は相模中連合支部(中郡二宮町・大磯町、平塚市、伊勢原市、秦野市)主催の「衣紋(えもん)研修会」が前鳥神社で開催され、管内の神職15名が参加しました。

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神明奉仕にあたる神職には「神社祭祀関係規定」があり、神社祭祀規定、神社祭式、神社祭式行事作法、斎戒(さいかい)に関する規程、神職の祭祀服装に関する規程等、様々な規定や心得が定められています。

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当支部では年2回の研修会を開催していますが、神職としての姿勢を正すことが祭祀(さいし)の興隆発展に大きく関わってくるものと考えています。

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今回は神奈川県神社庁祭式講師をお迎えして、祭祀服装に関する規程についてあらためて学ぶとともに、服制(ふくせい)で定められた神職の正装(せいそう)である「衣冠(いかん)」、礼装(れいそう)である「斎服(さいふく)」の着装(ちゃくそう)の仕方について手順に従って学びました。

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具に見回り

2016年10月13日 木曜日

先週に続き、今日も境内高木の枯れ枝処理を行っています。

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作業を見守りつつ、神社役員さんとともに境内の様子を具(つぶさ)に見て回る良い機会となりました。

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森を歩いていると、はらはらと落ちる木の葉とともに、ころころと転(まろ)ぶ木の実(このみ)の雨が降り、秋の深まりを実感します。

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今日は曇り空で銀杏(ぎんなん)の日干し作業はお休みですが、今年も祭典のお下(さ)がり品としてお配りする予定です。

今宵は十五夜(じゅうごや)とともに二夜(ふたよ)の月といわれる「十三夜」(じゅうさんや)、後の月(のちのつき)を拝めるでしょうか。

小学生の稲刈り体験

2016年10月12日 水曜日

朝晩はすっかり冷え込むようになったものの、今週は澄んだ空気が心地よい日々となりそうです。

さて、昨日は神社下の御神田(ごしんでん)において小学生の稲刈り体験が行われました。

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耕作者の説明に従い、鋸鎌(のこぎろがま)を手にした児童は、一人8束づつ丁寧に稲を刈り取っていきました。

驚いて姿を見せた蛙(かえる)や蜥蜴(とかげ)、螳螂(かまきり)、飛蝗(ばった)などに反応しながら、楽しく体験が出来た様子でした。

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今年は正祭・慰霊祭と同日に重なってしまいましたが、16日(日)に神奈川県神道青年会による稲刈りが行われる予定です。

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古代米の藁(わら)は、神社の注連縄(しめなわ)として年末に縄綯(なわな)いが行われる他、例祭(4月22日)・国府祭(5月5日)の粽(ちまき)行事用の俵(たわら)として用いられます。