2016年10月21日 のアーカイブ

恐れのなかに恐るべかりける

2016年10月21日 金曜日

昨日の汗ばむ陽気とは異なり、今日は過ごしやすい天候の中、一般住宅や老人ホームの新築工事にあたり、地鎮祭(じちんさい)のご奉仕がありました。

地鎮祭では土地の守護神を祀(まつ)って神慮(しんりょ)を和(なご)め、土地の平安堅固(へいあんけんこ)、工事の安全無事を祈るとともに、「風吹き荒び氷雨降りしきるとも地震雷の災いなく・・・、」と自然災害が及ばぬことを祈ります。

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祝詞(のりと)では「地震」を「なゐ」と読みます。「な」は土地の意で、「ゐ」は居のことで、原義は大地のようです。

『徒然草(つれづれぐさ)』『枕草子(まくらのそうし)』と合わせ三大随筆に数えられる鴨長明(かものちょうめい)の『方丈記(ほうじょうき)』には、天変地異に関する記述がいくつかありますが、元暦大地震(1185年)について「恐れのなかに恐るべかりけるはただ地震(なゐ)なりけり」(恐ろしいことの中で恐るべきものはただ地震である)とあります。

本日の午後2時7分頃、鳥取県中部を震源とする震度6弱、規模(マグニチュード)は6.6と推定される地震が発生しました。

熊本地震(4月14日)の恐ろしい記憶が薄れぬ中、今後の安全無事を祈るばかりです。