2013年7月17日 のアーカイブ

自然との共生

2013年7月17日 水曜日

3連休を海や山の行楽地で過ごされた方も多いと思いますが、今年も来宮神社(静岡県熱海市)の例祭(14-16日)で、禰宜(ねぎ)が助勤(じょきん)奉仕をいたしました。

富士山の世界遺産登録に沸く静岡県では、道路の渋滞状況も例年以上だったように感じました。

さて、富士山は信仰の歴史や文化的価値も含めて世界遺産に登録されましたが、構成資産には北口本宮冨士浅間神社(山梨県富士吉田市)、富士山本宮浅間大社(以下、静岡県富士宮市)、山宮浅間神社、村山浅間神社、須山浅間神社(静岡県裾野市)、冨士浅間神社(須走浅間神社:静岡県小山町)、河口浅間神社(以下、山梨県富士河口湖町)、冨士御室浅間神社、と神社が八社も含まれています。

北口本宮富士浅間神社

北口本宮冨士浅間神社

ご存じかどうか、富士山の八合目以上は富士山本宮浅間大社の境内地であり、頂上には奥宮が鎮座しています。

面白いことに、前述の八社と八合目、〝八〟はお鉢めぐりのはち、また末広がりを表し、八の字自体が裾野を広げるお山の形、向拝(こうはい)の社殿の形(上の写真)にも思えます。

〝富士山は登るものでなく拝むもの〟という人もいますが、神さまのふところにむかって登拝するので、慎みの気持ちが大切です。当然のことながら、清浄を旨とする神域において、ゴミは出さないどころか、拾うくらいの行動も必要です。

今日は神社で、「富士山の登拝着をお祓い(お焚き上げ)して欲しい」という依頼がありました。この方は上記のような心持ちだったのでしょうか。

冨士浅間神社

冨士浅間神社

消防庁によれば、6月の熱中症による救急搬送車数が4265人に上り、昨年同月比の2.3倍であることを発表(16日)しましたが、新生児(0%)や乳幼児(1.4%)はほとんどなく、少年(14.5%)、成人(34.7%)、高齢者(49.4%)となるほど多いのがわかります。

世の中で怖いものを順に挙げると「地震、雷、火事、親父」という故事が思い出されます。戦後は家族の中でもっとも権威の落ちた親父は別として、自然災害の恐怖は最たるもので、暴風、豪雨、豪雪、洪水、津波、噴火と聞いただけでも恐ろしい限りで、前述の高温などの気象異常も同様です。

便利な生活に慣れ親しんだ都会生活ほど、天災への対応の遅れや人災を大きくするものです。

古(いにしえ)より、神さまに込められた畏(おそ)れと感謝という祈り、自然との共生について考える機会になればと思います。