2016年2月 のアーカイブ

敬神崇祖

2016年2月9日 火曜日

正月や節分が過ぎ、6日は国府祭の宮司会、昨日は神奈川県神社庁相模中連合支部の宮司会と、神社関係の会合が遅ればせながら始まりました。

時期の巡り合わせでしょうか。

この一週間は、神葬祭、三十日祭、一年祭、十年祭と神道の葬儀、祖霊祭が立て込んで入っています。

お供え

神道の葬儀においてもお寺の住職と同様に、法話ならぬ講話をする機会があります。

神道は日本固有の民族精神にもとづき、先祖から子孫に脈々とつながる命を大切にするものであり、「敬神崇祖」(けいしんすうそ)という言葉で表されます。

親といへば父母のみに限らじな代々の祖(おや)あり元つ祖あり

野田菅麿 ・ 謹詠教育百首

古典で「おや」と言うときは、祖先のことを含めて言ったものであり、神道は「親・祖先・祖神」とのつながりを信じ、その心を心とする道です。

奉還祭

2016年2月8日 月曜日

昨日のブログにも記しましたが、旧正月を迎えました。

境内の梅の蕾(つぼみ)は固いままですが、目白(めじろ)の姿を見かけたり、小啄木鳥(こげら)が嘴(くちばし)で木をたたく音を耳にするようになりました。

昨日から五穀豊穣・諸業発展の祈りをこめて、兼務社の祈年祭が始まりましたが、今日は稲荷神社(伊勢原市下平間)の例祭を執り行いました。

稲荷社の奉還祭

稲荷社の奉還祭

また、邸内(ていない)におまつりされた稲荷社の奉還祭(ほうかんさい)のご奉仕がありました。

大きな屋敷ながら後継者がなく、宅地分譲にあたり、止むなく取り壊されることになったためです。

石の祠(ほこら)には大正8年建立と刻まれていましたが、それ以前から代々の当主が屋敷神として守り、崇(あが)めてきたものでしょう。

工事に携わる人たちも様々な思いを重ねながら、安全の祈りを捧げていました。

暦の話 六曜の配当

2016年2月7日 日曜日

地球が太陽の周囲を一回りする時間を一年と定めたものが太陽暦(たいようれき:「陽暦」「新暦」ともいう)です。

日本では、現在世界共通暦であるグレゴリオ暦(4で割り切れる西暦年数を100で割り切れて4で割り切れない場合を除いて閏年とする)を明治改暦(明治5年12月2日の翌日を明治6年1月1日とする)から採用しています。

市販の暦には、その年の略暦、方位吉凶図が記され、各月には日付、曜日(七曜)、干支(えと)、九星(きゅうせい)、旧暦、行事・節気(せっき)、六輝(ろっき=六曜)、十二直(じゅうにちょく)、二十八宿(にじゅうはっしゅく)、日出・日入、満潮・干潮などが掲載されています。

月の満ち欠けの周期を基準として定めた旧暦では、今日は大晦日(おおみそか)にあたり、明日が朔(さく・ついたち)、言わば旧正月となります。

比々多神社寶運暦 如月

比々多神社寶運暦 如月

神社では季節の折目(元旦、節分、大祓など)にあたり神事を執り行いますが、祝事(いわいごと=慶事)が多いことから、六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)という日の吉凶による慣習も大切にしています。

六曜は前述の順に配当されていますが、正月と7月は先勝、2月と8月は友引、3月と9月は先負、4月と10月は仏滅、5月と11月は大安、6月と12月は赤口から始まるよう機械的に決まっているため、今日は仏滅なので明日は大安と思いきや、正月なので先勝となるわけです。

信心と絆

2016年2月6日 土曜日

毎年のことながら、初午(はつうま)のこの時期は冷たい北風が身に沁(し)みます。

今年は土曜日と重なることから、例年行っている企業の邸内社の稲荷祭は昨日、または二の午(18日)に分散となりました。

初午に狐の剃りし頭哉 ( はつうまにきつねのそりしあたまかな )  芭蕉

金山稲荷神社

金山稲荷神社の初午祭

池端の金山稲荷神社では、吉例に従って今日祭礼を執り行いました。

初午行事は稲荷信仰の普及とともに庶民の間で広まり、稲荷神社は全国に約3500社鎮座しています。

農事始めの時期にあたり五穀豊穣を祈りますが、漁民は豊漁祈願、養蚕地帯では養蚕祈願、また商工業の商売繁昌・事業繁栄の祈願などが行われます。

金山地区では現在は6軒で頭屋(とうや)を持ち回りしていますが、年に一度の祭事で篤い信心を表すことにより、地域の温かな絆を深めています。

梅の膨らみ

2016年2月5日 金曜日

昨日は二十四節気の一つで春立つ「立春」。

立春とは名ばかり、余寒が続く日々ですが、梅の蕾(つぼみ)の膨(ふく)らみに春の訪れを思わせます。

正月節立春の初候は「東風(とうふう)凍(こおり)を解く」です。

袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ 『 古今和歌集 』 紀貫之

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昨日・今日と節分祭の御礼挨拶回りに奔走(ほんそう)し、諸々の片付けも一段落といったところです。

境内では鬼遂(おにやら)いで豆打ちした豆を、鳥が啄(ついば)む姿が見られます。

節分祭 御礼感謝

2016年2月4日 木曜日

遅ればせながら、昨日の節分追儺祭の様子をご報告致します。

鳴弦の儀

鳴弦之儀

今年も10時は兼務する22社の神社総代、12時は地域の関係者、そして3時には団体役員や市内外企業経営者などが年男・年女として参列されました。

鬼遂いの儀

鬼遂之儀

12時と3時の式典では、天地と四方の邪気を祓う「鳴弦之儀」(めいげんのぎ)、邪気の象徴ともいえる鬼を豆で打つ「鬼遂之儀」(おにやらいのぎ)を執り行いました。

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回を追うごとに参拝者の人数も増えるため、警備体制を整えながら、とにかく参加者が安全に楽しく行えるよう放送にも工夫を凝らしました。

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12時と3時には、大相撲髙田川部屋 髙田川親方(元関脇 安芸乃島)を始め、輝大士関、大磯出身の力士 湘南乃海桃太郎さん、歌手 平浩二さん、落語家 三遊亭遊吉師匠なども「豆まき・宝まき」に参加となり、ひときわ盛大で華やかな雰囲気になりました。

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また、今年は伊勢原市公式イメージキャラクターのクルリンが登場し、園児や未就園児も楽しませてくれました。

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豆まき後には、お相撲さんとの撮影の一コマもあり、多くの人たちの笑顔を見ることができました。

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お蔭様で、多くの協賛者(個人・企業)や年男・年女奉仕者のお力添えのもと、沢山の方々に福をお分けすることが出来たと思います。

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また、警察や交通指導員、防犯指導員、ボランティア、氏子総代、青年会など、ご協力の皆様に御礼感謝申し上げます。

撮影:増山正芳氏

いよいよ式典に

2016年2月3日 水曜日

引き締まる寒さながら、予報通りの晴天に恵まれました。

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本日も早朝から氏子総代の惜しみないご協力により、宝まき神事の福(景品)の準備が行われました。

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日の出とともに工場から直接届いた食品もあり、人海戦術で景品引換所に整然と並べられました。

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祭典準備を進めつつ、毎年同日執り行う真田神社(平塚市真田)の節分祭奉仕に出掛けました。

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神さまにお供えする神饌(しんせん)や殿内の設営、献備品(奉納)の陳列、年男・年女奉仕(参列者)の受付、直会(なおらい)の用意、警備の打ち合わせ、音響確認、駐車場手配、参列者に所役の依頼などを整えて、いよいよ式典に臨みます。

ご協力のお願い

2016年2月2日 火曜日

連日の寒さが嘘のように、今日は暖かな日差しのもと、一般住宅や事業所の地鎮祭をおつとめすることができました。

お蔭様で明日も晴れ予報が出ています。

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今日も境内の注連縄(しめなわ)張りや景品くじの混ぜ合わせなど、総代さんたちに諸準備を整えて頂きました。

年男・年女奉仕者は例年より多く、「豆まき・宝まき」もその分多くなります。

昨日は警察の査察がありましたが、安全に事故なく、楽しく賑やかな豆まき行事にしたいと考えておりますので、皆様にもご協力をお願いする次第です。

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ご神前にお供えする神饌(しんせん)や殿内の設営が整った夕刻、習礼(しゅらい)といって祭儀の次第や流れを確認し、所役や作法、動き、舗設などについて、宮司以下職員で入念な確認を行いました。

御朱印の準備

御朱印の準備 (半紙)

明日は午前10時・正午・午後3時の3回「節分追儺祭」を斎行し、式典後にそれぞれ「豆まき・宝まき」を執り行います。

従いまして、神職も飛び回るように時間に追われるため、「御朱印」につきましてはご持参の〝 御朱印帳ではなく半紙 で対応させて頂きますのでご了承願います。

比国御訪問

2016年2月1日 月曜日

今日は如月(きさらぎ)の一日(ついたち)。

「ついたち」は朔日、朔とも記し、陰暦(いんれき)なら理解しやすいところですが、語源は「月立」(つきたち)の転で、隠れていた月が出はじめる意ということです。

さて、例月通り朝から月参りの企業祈祷や神前奉納などがありました。

また、職員揃って「月次祭」を執り行い、皇室の御安泰、国家や地域社会の安寧秩序の祈りを捧げました。

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戦後70年の昨年は、天皇・皇后両陛下には慰霊のためパラオ共和国へ行幸啓(ぎょうこうけい)になられましたが、今年は比国(フィリピン共和国)との国交正常化60周年にあたり、ベニグノ・アキノ三世大統領からの御招待により、フィリピンを御訪問(1月26日~30日)遊ばされました。

御滞在中には、歓迎式典や晩餐会(ばんさんかい)に御臨席され、太平洋戦争におけるフィリピン人並びに日本人の慰霊施設を御訪問になられ、深い思召(おぼしめ)しを以て戦没者に大御心を寄せられました。

全国の神社では、御出発前に「御渡航(ごとこう)行幸啓安泰祈願祭」、御訪問中は「日供祭」(にっくさい)における辞別(ことわき)祝詞(のりと)、御帰国後には「御渡航還幸啓(かんこうけい)奉告祭」を執り行って御安泰を神々に祈り上げました。

皇室 平成28年 冬 69号

皇室 平成28年 冬 69号