2010年5月 のアーカイブ

葬儀での忌み言葉

2010年5月11日 火曜日

悲しいことに、兼務社氏子さんのお宅でご不幸があり、昨晩、本日と神葬祭(しんそうさい)のご奉仕をいたしました。

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葬儀でのお参りの仕方は、神社と同じで「二拝 二拍手 一拝」(にはい にはくしゅ いっぱい)ですが、拍手は“ 忍手 ”(しのびて)で行い、音をたてずに手を合わせます。これは故人を偲ぶ慎みの表れです。

因みに、お辞儀は縦の礼、拍手は横の礼ともたとえられ、相手を称(たた)える為のもので、日本固有の作法です。

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葬儀での作法や遺族へのご挨拶などに戸惑う方もいますが、「死を惜しむ気持ち、故人を偲ぶ気持ち、感謝の誠を表す気持ち」などの心情を表すことを心掛ければ、ゆったりとした落ち着いた気持ちで接することができると思います。

葬儀では、「また」「再び」「追う」「続く」「返る」などの忌(い)み言葉や、「重ね重ね」「度々」「またまた」「返す返す」「つぎつぎ」などの重ね言葉も、不幸が重なるとしてタブーとなっています。

「管絃と舞楽の夕べ」満席御礼

2010年5月10日 月曜日

昨日のブログで紹介した野花菖蒲(ノハナショウブ)と黄菖蒲(キショウブ)が見事に咲きました。

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今週末(15日・16日)に迫った「第23回まが玉祭」に向けて少しずつ準備を進めています。予報では、両日ともお天気は何とか良さそうです。

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お蔭様で、「管絃と舞楽の夕べ」(15日18:45-20:15)の特別席は、例年以上の応募があり満席御礼です。但し、特別席以外でも鑑賞は可能ですのでお出かけください。

尚、夕刻なので冷えることもありますので、暖かい格好が宜しいと思います。konjyu

いずれアヤメかカキツバタ

2010年5月9日 日曜日
神社の左側を流れる小川には、明治神宮(渋谷区神園町鎮座)から分けていただいた野花菖蒲(のはなしょうぶ)があります。
明治神宮からいただいた花菖蒲

開花間近の花菖蒲

明治神宮は、明治天皇と照憲皇太后(しょうけんこうたいごう)がお祀(まつ)りされている神社です。今では知らない人も多いですが、明治神宮の境内(東京ドーム15個分の広さ)は、国内はもとより、樺太(サハリン)、台湾などから10万本に及ぶ献木(けんぼく)を植林した人工林で、11万人もの青年団の勤労奉仕によるものです。

明治天皇は和歌を好まれ、生涯9万3千首余りもの御製(ぎょせい)をおつくりになられました。

うつせみの 代々木の里は しづかにて 都のほかの ここちこそすれ

境内の御苑(ぎょえん)にある菖蒲田(しょうぶだ)は、明治天皇が昭憲皇太后のためにおつくりになられたものだそうです。6月には花菖蒲(はなしょうぶ)が見事な花を咲かせます。

当社の小川では、黄菖蒲(きしょうぶ)も間もなく咲きそうです。

「いずれアヤメかカキツバタ」といいますが、アヤメ科の花はよく似ていて見分けが難しいです。

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記念植樹

2010年5月8日 土曜日

社務所玄関前の梅の実が大きくなってきました。

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今日、神奈川県神社庁から苗木が到来しました。

県下には1,126社(神社本庁包括下の神社)ありますが、当社の所管神社・23社分の苗木とプレートです。

来る5月23日、天皇皇后両陛下には御来県遊ばされ、第61回全国植樹祭に御臨席なされます。南足柄市で植樹、秦野市で式典が行われる予定ですが、県内の神社でも「鎮守の杜」(ちんじゅのもり)の保全育成の立場から、植樹を奨励しています。

県下神社でドングリから育てたポット苗

県下神社でドングリから育てたポット苗

天皇陛下には、御即位後の歌会始(うたかいはじめ)で、

  人も守りし 日の本の 森の栄を 共に願はむ

と御製されました。鎮守の杜は私たち日本人の心です。当日、天皇陛下が御手撒きされる予定の「スダジイ」を県下神社でも一斉に植える計画です。

記念樹プレート

記念樹プレート

校外授業

2010年5月7日 金曜日

黄色、赤、ピンクに続いて最後に白い牡丹(ぼたん)が咲きました。

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比々多公民館からの要請で、比々多小学校6年生が校外事業の為、2班に分かれて郷土博物館にやってきました。説明は伊勢原市文化財課の方々でしたが、放課後になって更に学ぼうとやってきた熱心な子どももいました。

郷土博物館を見学する小学生

郷土博物館を見学する小学生

 当館には、神社及び神社周辺の遺跡から発掘された遺物(いぶつ)を始め、神社の宝物(ほうもつ)、伝世品など地域の財産が多数所蔵されていて、地域の歴史を知る上で貴重な資料となっています。子どもたちが、自分たちのまちの歴史を学ぶことはとても大切で、郷土愛を育み、ふるさとを大事にする第一歩だと思います。

タウンニュース 5/7号

タウンニュース 5/7号

タウンニュースにお祭りの記事が掲載されました。

樫落葉

2010年5月7日 金曜日

このところ、雉(きじ)の鳴き声が際立ちますが、もっと響き渡るのが“ガビチョウ”なる鳥の鳴き声です。どうやら中国からの外来種らしく、増繁殖して生態系に及ぼす影響も大きいようです。(画像や音声を提供できず残念です)

樫落葉(かしおちば)

樫落葉(かしおちば) 写真を見る限り、まるで秋の様子

風薫る季節ですが、境内では季題(きだい)にいう「常磐木落葉」(ときわぎおちば)が目立つようになりました。新葉が整うにつれて古葉を落とす常緑樹(じょうりょくじゅ)の現象です。一見寂しい気もしますが、生まれ変わりの生命力と命の連続性を感じます。

神社近くにある御神田

神社近くにある御神田

今日は、神奈川県神道青年会のお田植え事業で種蒔(たねま)きが行われました。一昨年から蒔いている「*イセヒカリ」という品種です。川崎の神社からも所望があり、種籾(たねもみ)を送りました。田植えの時期が近づき、近隣では蛙(かえる)の鳴き声も増してきました。

イセヒカリの籾種

イセヒカリの種籾

 *イセヒカリ 平成元年秋、伊勢の神宮(三重県伊勢市)の御神田で、2度の台風被害があり、べったりと倒れてしまったコシヒカリの中に、2株だけ直立した太く短い稲がありました。それが「イセヒカリ」の発見です。それ以来、平成の御代(みよ)代わりにお伊勢さまの御神田で生まれた新品種は、美味しいとの評判もあり全国に広がっています。

田植えは6月13日(日)です

今年の田植えは6月13日(日)です

國府祭 其の2

2010年5月6日 木曜日

國府祭其の2です。この時間には気温もうなぎ昇りでした。

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神揃山への御着きは、一之宮から順に定められています。6社の合同祭典なので、時計ともにらめっこです。着いた神社から着御祭(ちゃくぎょさい)を斎行(さいこう)し、八幡宮の式典が終わると同時に、当社の粽行事が行われます。

残念ながら、画像にはありませんが、五社をお互いにお参りをした後、正午に古式「座問答」(*ざもんどう)が行われます。その頃、各社の迎神使(げいしんし)が、裃(かみしも)を身につけ、総社に神さまを迎えに出掛けます。

*座問答・・・昔、相武(さがむ)と磯長(しなが)という2つの国があり、両国が合併する際に、両国の一之宮が互いに譲らずに一之宮争いをしたとされます。即ち、虎の皮を神座(しんざ=神さまの座位)に見立て、一之宮と二之宮が繰り返し神座を上の位置に進めます。互いに譲らぬこと3度、遂に三之宮の宮司が神前に進み、「いずれ明年まで」という決まり文句を告げて、神事が収められます。調和を尊ぶ日本人の有り様が表れています。

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その後、各社同時に御立ちの式(発輿祭)を執り行い、総社の待つ「大矢場」(おおやば=逢親場・大家場)祭場(馬場公園)に向かいます。

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大矢場では、七十五膳(しちじゅうごぜん)の儀といわれる「五社献饌」(ごしゃけんせん)、各社の御分霊(ごぶんれい)である守公神(しゅこうしん)を総社へ納める「神納対面」(しんのうたいめん)、古代装束を身につけた国司(こくし)【大磯町長が代役】が各社を参拝する「国司代奉幣」(こくしだいほうべい)など次々に神事が行われます。

現在は、公園の内外が露店で賑わいますが、昔は見世物小屋や農機具市で近隣から群衆が押し寄せたそうです。

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帰りの伊勢原道中、観光協会・商工会・商店会連合会・大神宮通り商店会の皆さまが参列されて伊勢原行在所(あんざいしょ)御着きの式が行われました。

大磯は当社が一番遠く、その昔は八十八ヶ村の村渡しで行われていたそうです。蔵書の古文書には道中の訴状などもあります。徳川時代には天下祭りといわれ、人手や費用や時間など、物心掛けて1300年以上に亘り守り伝えられてきた伝統あるお祭りです。

宮入りとなる午後7時には里の周辺も暗くなり、皆さん疲れもピークに達していました。しかしながら、ご奉仕された方々の表情は安堵の面持ちでした。

ご協力に感謝申し上げます。

各社の粽 左から一之宮、二之宮、三之宮、四之宮

各社の粽 左から一之宮、二之宮、三之宮、四之宮

國府祭

2010年5月6日 木曜日

昨日は朝6時頃から総代、自治会、奉仕者、青年会がぞくぞくと集まり、國府祭(こうのまち:神奈川県無形民俗文化財指定)の行われる大磯・神揃山(かみそろいやま=神集山かみつどいやま)に向かって渡御(とぎょ)が行われました。

今年の年番【三ノ宮→栗原→神戸の繰り返し】は神戸(ごうど)です。

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修祓式(しゅばつしき)でお祓(はら)いの後、御神酒で清めました。【外清浄(げしょうじょう)と内清浄(ないしょうじょう)】

行列所役(ぎょうれつしょやく)を召(め)し立て、総代さんの撞(つ)く鐘(かね)の音とともに境内を後にして供奉行列(ぐぶぎょうれつ)の御立ちとなりました。

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白木(しらき)の神輿は、*皇紀2600年(昭和15年)のお祝いに、一之宮から八幡宮まで5社お揃いでつくられたものです。

*皇紀(こうき)・・・初代・神武天皇(じんむてんのう)が大和(やまと)・橿原宮(かしはらのみや・現在の奈良県)に御即位(ごそくい)されたのが始まり。今年は皇紀2670年。

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化粧塚(*けしょうづか)を通り、神戸公民館で送りの太鼓を受けながら、一路大磯へ向かいました。

*化粧塚・・・昔は旅の装束に着替えたとされます。4月の例祭でも必ずここで休み、身なりや装いを調えます。大磯の祭場(さいじょう)となる神揃山にも2ヶ所あります。

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途中、金目観音(かなめかんのん)「光明寺」(こうみょうじ)に立ち寄ります。ここは坂東33ヶ所霊場の第7番となる天台宗(てんだいしゅう)の古刹(こさつ)で、観音堂は国の重文に指定されています。

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金目敬神講(かなめけいしんこう)の皆さまに手篤いおもてなしをいただいた後、金目川で禊(みそぎ)となる水中渡御を行うのも吉例となっています。

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神揃山の祭場では、神社ごとに昇り口が定められていて、三之宮の参道が最も険しい山道となっています。

国府祭動座祭

2010年5月4日 火曜日

明日の国府祭(こうのまち)を控え、今日はお神輿(みこし)に御神霊(おみたま)をお遷(うつ)しする動座祭(どうざさい)です。

お供えの餅としとき

お供え  餅・しとき

朝から総代さんが集まり、注連縄(しめなわ)張り替え、警固用杖づくり、行在所(あんざいしょ)への道具運び、行列具準備、神輿清掃飾り付け、餅つきなど準備万端ご奉仕いただきました。

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定刻、午後7時に動座祭が斎行(さいこう)されました。浄闇(じょうあん)の中、神職の「オー オー オー」という警蹕(けいひつ)のみが響きわたり、神さまがお神輿に遷られました。

*警蹕~神さまの御動座に際し、辺りを戒める先祓いの声

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明日は、朝6時過ぎには皆さん集まり、荷を積んで大磯へと出立(しゅったつ)いたします。お天気は良さそうです。

晴れの機会

2010年5月4日 火曜日

今朝の新聞に、新潟県東蒲原郡阿賀町の「つがわ 狐(きつね)の嫁入り行列」の記事が出ていました。沿道で見ていた人は「幻想的でした」とコメントをしていました。当社でも結婚式がありましたが、晴れ着に身を包んだ花嫁さんは、ふと現実を忘れさせてくれる温かな気持ちに誘ってくれるものです。

結婚式を挙げられたお2人

結婚式を挙げられたお2人

 1年の内に年中行事があるように、人の一生にも人生儀礼(通過儀礼)といわれる晴れの機会がいくつかあります。

お幸せに

お幸せに

「ハレとケ」という言葉がありますが、“ケ”は気が枯れる(ケガレ)、それを立ち返らせるのが“ハレ”であり、祓(はら)えであるという学説があります。

「みどりの日」の今日、境内の木々の若葉が本当に美しい時期ですが、幹が太く大きくなっても青葉は毎年生まれ変わるのと同様、晴れの機会はよみがえりをもたらしてくれます。

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お宮参りも晴れの機会です。

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