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いわゆる「女性宮家」創設問題

2012年2月24日 金曜日

昨日・本日と自由民主党本部において、「第10回神道政治連盟時局対策連絡会議」が開催され、禰宜が神奈川県の中から参加する機会を得ました。

神道政治連盟は昭和44年に、世界に誇る日本の文化と伝統を後世に正しく伝えることを目的に結成されました。日本らしさ、日本人らしさが忘れられつつある今、この国の誇りと自信を取り戻すために、様々な時局問題に取り組んでいます。

さて、会議では様々な問題について、専門の見識をもった先生方の講演を拝聴しました。

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特に、昨年の11月25日、読売新聞が「女性宮家」創設検討についての報道をしましたが、宮内庁長官が首相に対して火急の案件として要請した問題です。

世論では、「天皇陛下の御公務の軽減」「皇位継承の安定化」「男女平等の世の中だから」など、一見当たり前といえる回答で、いわゆる「女性宮家」創設への賛成意見が多いようです。

しかしながら、ここには大きな落とし穴があります。

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日本国憲法の第1章(第1条から第8条)は天皇に関してですが、その国の基本法の冒頭は、その国を語る国家観・歴史観など、最も重要な形を表しているものです。

『古事記』『日本書紀』(記紀神話)に記された建国の由来、国の始まりから一貫して皇統(こうとう)が変わらない「万世一系」(ばんせいいっけい)という悠久(ゆうきゅう)の歴史は、世界広しといえど日本の他にありません。

しかも、男系男子のみにより血統が守られてきており、どの天皇も父親でさかのぼると第1代神武天皇にたどりつくのです。これがこの国の背骨、根幹を貫くまぎれもない形なのです。

男系というと女性差別のように聞こえますが、皇室典範(こうしつてんぱん)第9条に養子の禁止がうたわれているように、女性は宮家に入れても男性は入ることが出来ないという女性の優位性があります。

現在の憲法は、戦後GHQにより僅かな期間でつくられたもので、様々な場面で私たちの暮らしにそぐわないことが指摘されていますが、手続きとしては明治憲法(大日本帝国憲法)の改正法です。

ですから、憲法を改正する上でも、日本人が日本人のために長期にわたり議論してつくり上げた明治憲法を参考にしなければなりません。

また、皇室に関しては皇室典範が存在します。現在は憲法の下位法に位置していますが、これも占領軍によるもので、同等の法典と考えるべきです。

今月末から、いわゆる有識者会議なるものが「女性宮家」創設についてヒアリングを始めるそうですが、御入院中の天皇陛下に何ら敬意や配慮もなく、継承者である皇族方の意見が入らないことにも違和感を感じさせます。

この「女性宮家」議論は、昭和22年にGHQの圧力により皇籍離脱(こうせきりだつ)を余儀なくされた11宮家を含めなければ議論に及ばないとの考え方もあります。

長い歴史と伝統の上に存在される天皇の議論であって、拙速(せっそく)な話し合いだけで、一時の感情に流されてはいけない問題です。

天皇陛下の御公務のうち、国事行為が1割、宮中祭祀が2割、他の7割は象徴としての公的行事ともいわれますが、陛下の御公務の分担など、臨時代行は皇太子殿下や秋篠宮殿下に限られるもので、女性皇族には出来ないものでもあります。

今日の皇居・二重橋

今日の皇居・二重橋

本日の皇居はぽかぽかと暖かく、坂下門の記帳所には人の流れが止まりませんでした。

早期の御退院・御快癒を祈る国民の心の表れですが、反対に記帳に訪れた人が癒されて帰っていくように思えました。