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神宮大麻

2011年10月21日 金曜日

数日前、お伊勢さま(伊勢の神宮)で奉製された、新しい年の神棚におまつりする「神宮大麻」(じんぐうたいま)が届きました。

毎年9月17日に、伊勢の神宮では大麻暦頒布始祭(たいまれきはんぷはじめさい)を執り行いますが、それが全国津々浦々の神社に届く頃合いとなりました。

神宮司庁頒布部で奉製

神宮司庁頒布部で奉製

神宮大麻の「大麻」は、もとは「おおぬさ」と読み、神さまへ捧げる木綿(ゆう)、麻(あさ)などを意味していました。現在でも神社で用いられるお祓いの具をこう呼びます。

身を清めた神職が、厳重なお祓いを行って授けられる御神札を「大麻」(たいま)と呼ぶようになりました。

平安末期には御師(おんし)・大夫(たゆう)といわれた神職たちが登場し、伊勢へのお参りの案内や神楽祈祷(かぐらきとう)を行い、全国に「御祓大麻」(おはらいたいま)を頒布いたしました。これが神宮大麻の起源です。

江戸時代末期の安永年間には、全国で約9割(約480万戸)の家庭で大麻を受けていたという記録もあるそうです。

神祇(じんぎ)制度の改まった明治5年、朝夕に皇大御神(すめおおみかみ)の大前を慎み拝むための大御璽(おおみしるし)として、神宮大麻を国民全戸に漏れおつることなく奉斎(ほうさい)せしめよ、との明治天皇の大御心により、神宮司庁から直接頒布されることになりました。

神宮司庁などの官制が廃止された戦後は、一宗教法人となった神社本庁が、神宮司庁から全面委託を受けて全国の神社を通して各家庭に頒布しています。

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歴代の天皇が御自ら祭主となられ、お伊勢さまの広大無辺な御神徳を称えられ、その御神恩に感謝されるとともに、国家の隆昌と安泰そして国民ひとりびとりの幸せを連綿と祈り続けてこられました。

新しい年を迎えることは、新しい生命をいただくことに他なりません。お伊勢さまや氏神さまのお蔭、恵みをいただいて平穏無事な生活を送りたいものです。