2011年7月22日 のアーカイブ

土用について

2011年7月22日 金曜日

昨日は「土用の丑」(どようのうし)の日ということで、鰻(うなぎ)を召し上がった方も多いと思います。

陰陽五行説によると、万物の消長は木火土金水の五気の働きによるとされています。これを四季に配当すると、春は木、夏は火、秋は金、冬は水となり、土が余ってしまいます。

そこで、各季節に入る前の18日間(つまり、立夏・立秋・立冬・立春の前の18日間)を暦法で定め、初めの日を「土用の入り」といいます。

土用は「土旺用事」「土王用事」といって、土の気が旺(さかん)になる意で、土は物を変化させる作用があることから、“ 土を犯し殺生を忌む ” として葬儀や土を動かす造作は凶とされました。

しかしながら、春夏秋冬の合計73日の間、土を動かさないとなると不都合極まりなく、各土用に3日ずつ(春の土用は巳・午・酉、夏の土用は卯・辰・申・・・など)「間日」(まび)という障りのない日を設けました。

「土用波」(南方に台風が生じて寄せる波)、「土用干し」(衣類・書物の虫干し)、「土用休み」(夏休み)などの言葉があるように、一般的に夏の土用をさす指す言葉ともなっています。

夏ばての時期に食欲を助け、栄養をつけるために鰻を食すのは最もですが、鰻の旬は晩秋から初冬のようです。また、精のつくものとして、「土用蜆」(どようしじみ)、「土用餅」、「土用卵」などがあります。

 

痩せたる人を咲(わら)へる歌

石麻呂(いはまろ)に吾物申す夏痩せに良しといふものぞ鰻(むなぎ)取り食(め)せ 

 『万葉集』大伴家持

*むなぎ~鰻の古語で「胸黄」が語源。

 

「う」のつくものは身体に良いといい、うどんや梅干し、瓜などを食す風習もあります。

今年の夏の土用は2度あり、次は8月2日(火)です。

明日は「土用三郎」(土用に入って3日目)。この日快晴ならば、豊年といいますが、どうやらお天気は良さそうです。

 

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