本日は、宮中はもとより、全国津々浦々の神社で「祈年祭」(きねんさい)が斎行されました。
五穀豊穣を祈るとともに、諸産業の繁栄を願うおまつりです。遠い昔から農業を基盤として生活をしてきた私たちにとって、五穀豊穣と国家安泰は同じ線上にあります。
年の始めにあたり、地域の安全と繁栄を願う “ 公(おおやけ)の祈り ” が、全国各地で捧げられることこそ、何より意義深いものです。
稲作は日本人の原点であり、和を尊ぶ、相互扶助、真面目、勤勉、正直など日本人の気質を表すものであり、道徳心や規範意識にも関わる日本の文化そのものです。
農林水産省の統計(平成22年)によると、日本の農業就業人口は約260万人で、5年前の調査時より75万人減少し、更に過去最大の減少率を示しているようです。また、半数を70歳以上の高齢者が占め、高齢化が進んでいるというとても厳しい現状です。
戦前は、例祭(れいさい)・新嘗祭(にいなめさい)と併せて、祈年祭が「三大祭」(さんだいさい)とされた意義を再考し、稲作信仰のもつ日本人の精神性に思いをいたすことが大切だと思います。
年度末も近づき、自治会や総代の任期最後の祭礼となりました。そういう意味でも、思い入れの深い行事、機会となりました。
式典後の会議では、今後の行事予定や4月の大祭準備についても話が及びました。任期の間、役務に精励された皆さま、ありがとうございました。
新燃岳の噴火被害はおさまらず、心配されるところです。祈年祭を通して、今後とも天変地異が起こらず、穏やかに四季が移ろうことを願うところです。