例祭(4月22日)、相模國府祭(5月5日)、まが玉祭(5月16日・17日)、崇敬者祭(6月21日)に続き、夏越大祓(6月30日)も新型コロナウイルス感染症の影響により変更を余儀なくされました。
関係者との話し合いの結果、本年の夏越大祓は、7月25日(土)午後2時に執り行うことになりました。
大祓の神事では、人形(ひとがた)に息を三度吹きかけ、身体を撫(な)でて自身の罪・穢(けが)れを移しますが、本年に限り「息の吹きかけはせず」に行う予定です。
夏越大祓は六月大祓(みなづきのおおはらえ=水無月大祓)ともいいますが、過去には7月20日に執り行っていて、これは旧暦では水無月にあたります。
今年編纂(へんさん)から1300年目となる『日本書紀』には、大祓は〝大解除〟(おおはらえ)と記されていて、まさに緊急事態宣言からの大きな解除にあたります。
また、『令義解』(*りょうのぎげ)にある大祓の註釈(ちゅうしゃく)には、「祓えとは不祥(ふしょう)を解除(かいじょ)するをいう」とあり、不祥(①縁起の悪いこと、不吉なこと②災難、不運)をすっきり除くための大切な行事ともいえます。
*平安初期「養老令」(ようろうりょう)の官撰注釈書
我が国の長い歴史の中で、自然災害の発生はもとより、様々な疫病が流行する度に、大きな祓えを行うことで心を鎮め身を清め、蘇(よみがえ)り[甦(よみがえ)る・黄泉(よみ)からかえる意]を図ってきました。
大祓は全国津々浦々の神社でも行われます。
各地域でしっかりと行うことで、あらためて悪疫退散、厄災消除の祈りをこめたいと思います。