2020年5月18日 のアーカイブ

神慮を和める

2020年5月18日 月曜日

木々に降りかかる雨が、青葉を艶(つや)やかにしています。

週明けの大安吉日、小雨も止んで予定通りに地鎮祭(じちんさい)の奉仕がありました。

鎮物

鎮物

地鎮祭は建物の建築、あるいは土木の着工にあたり、土地の守護神(しゅごしん)を祀(まつ)って神慮(しんりょ)を和(なご)め、工事の安全無事、土地の平安堅固(へいあんけんこ)を祈願する祭りです。

祭儀では地鎮(とこしずめ)の儀として、米・塩・切麻(きりぬさ)を土地の四方に散供(さんく)し、忌鎌(いみかま)、忌鍬(いみくわ)、忌鋤(いみすき)により刈初(かりぞめ)、穿初(うがちぞめ)を行い、鎮物(しずめもの)を埋納(まいのう)して土地の神霊を和め鎮めます。

持統天皇紀冬5年10月27日には、「使者(つかい)を遣(つか)わして新益京(しんやくのみやこ)を鎮祭(しずめまつ)らしむ」とあるのが地鎮祭の初見(しょけん)とされます。

新益京(あらましのみやこ)は奈良県橿原市(かしはらし)高殿(たかどの)を中心とした大和三山(やまとさんざん)に囲まれた地域で、現在では藤原京と呼ばれています。

平城京に遷都するまでの3代(持統天皇 文武天皇 元明天皇)16年間の都ですが、日本最初の条坊制による都であり、大宝律令による律令国家の時代で、最古の貨幣といわれる和同開珎(わどうかいちん)が発行されました。