2015年2月17日 のアーカイブ

幣帛と神饌

2015年2月17日 火曜日

本日は五穀豊穣と諸産業の繁栄、皇室の御栄え、国家安泰を祈る「祈年祭」(きねんさい)です。

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「としごいのまつり」ともいいますが、「トシ」は穀物、特に稲の稔りを意味します。

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古く律令国家の恒例祭祀として重んじられ、『延喜式』の「神名帳」(じんみょうちょう)に載せる全国3132座の神々に幣帛(へいはく)を奉(たてまつ)る祭儀です。

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当社では古き嘉例(かれい:めでたい先例)に倣(なら)い、白丁(はくちょう)役の担ぐ唐櫃(からひつ)に幣帛料(へいはくりょう)を収め、祭典で自治会長の代表がご神前に奉幣(ほうべい)し、氏子代表の責任役員が祭文(さいもん)を奏上しています。

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神道の祭祀は農業との結びつきの中で発展してきましたが、神への饗応(きょうおう)として献(けん)じるのが神饌(しんせん)です。

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祝詞(のりと)には、古名の「御食」(みけ)という語を用います。

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神饌の品目や台数はそれぞれの神社や祭儀により異なりますが、大祭にあたる祈年祭では11台の幣物をお供えしています。

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祭典が終わったあとに行う饗膳(きょうぜん)を直会(なおらい)といいますが、これは神人共食(しんじんきょうしょく)の古儀に由来し、神の恩頼(みたまのふゆ)を食物を通して戴く意味があります。

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祈年祭は春の始まりの祭儀ですが、間もなく年度替わりとなり、任期満了となる役員さんにとっては締めの祭典となりました。

一年間ありがとうございました。

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氏子の皆さまには、万(よろず)の生業(なりわい)の繁栄を祈願した御神札を、神さまの授け物としてお頒(わか)ちいたします。