2014年6月4日 のアーカイブ

霖雨

2014年6月4日 水曜日

中国・近畿・東海地方では一斉に梅雨入りとなり、明日は当地も激しい雨が予想され、霖雨(りんう=長雨)の季節に入りそうです。

さて、当社に伝わる御神宝「鶉甕」(うずらみか:県重要文化財)は、霊妙(れいみょう)なる神実(かむざね=神体)として、代々敬虔(けいけん)な祈りが込められてきました。

神宝 「 鶉甕 」

御神宝 「 鶉甕 」

現存最古の『比々多神社傳記』(ひびたじんじゃでんき:天保5年)には「神代鶉甕 當宮神器ノ一ツ也石凝姥命作リ賜フト言傳フ霊妙神器ニテ旱魃ノ年神司社人身潔祓シテ手洗川ト鈴川宮ノ左右ノ川ヲ云フノ本ヲ社人汲来リテ是神器ニ盛神殿ニ備へ雨ヲ請祈リ亦雨ノ年ハ本宮ノ四隅ノ土ヲ此器ニ簋開晴れヲ禱レハ必其験アリ」と記されています。

その意は「神代(かみよ)から伝わる鶉甕は当社の神器(しんき)の一つで、石凝姥命(いしこりどめのみこと)作という霊験あらたかな神器で、日照りの年には神職が禊(みそぎ)をして祓ったのち、お宮の脇を流れる鈴川の上流で水を汲み、この神器に汲んで雨乞(あまご)いをし、長雨の年は社地四隅の土を盛って祈れば必ず成就する」とあります。

社伝記 天保5年()

社傳記 天保5年(1834)

本社傳記の7年後に発行された『新編相模風土記稿』(しんぺんさがみふどきこう:江戸時代の官撰地誌)にも同内容のことが記されています。

新編相模風土記稿より

新編相模風土記稿より