2010年12月 のアーカイブ

うさぎの話

2010年12月22日 水曜日

今日は太陽が最も南にかたより、北半球(南半球)では一年中で昼(夜)が最も短い日、「冬至」(とうじ)です。陰が極まり陽に転じる「一陽来復」(いちようらいふく)で、冬が去り春がやって来ます。

冬至南瓜(とうじかぼちゃ)や冬至粥(とうじがゆ)を食し、柚湯(ゆずゆ)につかる古い習わしがあります。インフルエンザやノロウイルスなどの疫(えき=えやみ・流行病)を祓い、健康に年末年始を過ごしたいところです。

さて、一足早く兎(卯)がやって来ました。㈱杉山土建・杉山茂様ご奉納の十二干(じゅうにし)の石像一対です。平成14年(壬午)から始まり、既に10年目です。

向かって右

向かって右

兎は生後約4ヶ月で成熟し、年に3~4回出産することから繁殖力旺盛です。子宝に恵まれない方やご懐妊の方は、是非とも石像を撫でて、その生命力にあやかってください。

杉山氏と宮司

杉山氏と宮司

また、藤沢市・石井行様の作品も到来いたしました。

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「因幡(いなば)の白兎」や「かちかち山」、「うさぎとかめ」など、神話や童話でも出番の多い動物で、俊敏で頭の回転が早く、いたずら好きなながら、可愛いらしく憎めない存在です。

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十二支の4番目にあたる卯(う)には、“ さかん ” の意があります。草木が盛んに成長し、枝葉も伸びて盛んになる様子を表しています。方角は東、季節は春、時刻は明け六つ(午前6時)、五行(ごぎょう)は木気性です。陽気が立つ、ものごとの始まりを示します。

うさぎの長い耳のように素早く情報を察知し、頭の回転を巡らし、俊敏に行動を起こし、跳ね上がるように、飛躍がもたらされるような年にしたいものです。もちろん、生命力溢れる元気が一番大切です。

月と生命

2010年12月21日 火曜日

今日は満月。そして、月全体が地球の本影(ほんえい)に入り、月面に太陽の光が少しも当たらない現象(満月が地球の影にすっぽり隠れる)が起こる「皆既月食」(かいきげっしょく)でしたが、当地では夕方から雨が降り、残念ながら観察することができませんでした。

満月の日は引力が最も強くなりますが、地殻のひずみがたまった状態に、太陽や月の引力が引き金となって、大地震が発生するメカニズムがあるともいわれています。

また、古くから潮の満ち引きを生命誕生にたとえて、安産祈願の祝詞(のりと)では、「海原(うなばら)に時を得て、磯(いそ)ひたる満ち潮のごとく月日は満ち足らひ」とか、神葬祭(しんそうさい)の誄詞(しのびのことば・しのびごと・るいし=故人を称えることば)では、「満ち潮の満ち満ちて生(あ)れ出で給ひ」などと表現します。

女性の月経の周期は、生命の誕生に大きく関わっています。また、魚は大潮(おおしお:潮差が最大となる潮汐=満月と新月の頃生じる)の時に産卵をし、活発化するため釣具店には必ず潮見表が置いてあるようです。

記紀神話(『古事記』『日本書紀』)では、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の弟である、月夜見尊(つきよみのみこと)が夜の国を治めると記されています。

悲しいことながら神葬祭が続きました。月の満ち欠けと潮の干満は、神秘的ながら生命に関わっているような気もいたします。

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御霊(みたま)安かれとお祈り申し上げます。

年越大祓

2010年12月20日 月曜日

本日は、比々多神社の年越大祓(としこしおおはらえ)。夏越大祓とともに、「二季の祓」と称する祭典で、全国の神社で行われる恒例行事です。半年の間に知らず知らずに積もった罪穢(つみけがれ)を、祓所(はらえど)の神さまの神威(しんい)により解除(げじょ)するものです。

大祓奉告祭(社殿)

大祓奉告祭(社殿)

明治8年、式部寮(しきぶりょう)で定めた「神社祭式」によると、午後2時とあり、定刻に神社で大祓奉告祭(おおはらえほうこくさい)が斎行(さいこう)されました。大祓の詞(ことば)には、「夕日の降(くだち)」と記されています。

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続いて、境内に設けた祓所(はらえど)において、大祓神事を執り行いました。

氏子崇敬者の罪穢(つみけがれ)を移す意味合いの「祓物」(はらえつもの)、つまり「人形」(ひとがた)・「木綿」(ゆう)・「麻苧」(あさお)を前方の案上(あんじょう)に置いて、厳粛に始まりました。

人形に罪穢を移し、小祓で祓う参列者

人形に罪穢を移し、小祓で祓う参列者

神職が、上記の祓物を八つに取りさく間、参列者は約30分に亘り、大祓の詞を奏上しました。

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清浄を尊ぶ日本人ならではの伝統行事が無事修められました。清々(すがすが)しく穏やかな気持ちでお正月をお迎えできると思います。

新しい注連縄

2010年12月19日 日曜日

今年はお正月に向けて、三ノ宮・西部「西谷戸組」(にしやとぐみ:16戸で構成)の皆さんが、丹精込めて注連縄(しめなわ)づくりをしました。(11月14日ブログ掲載)

明日の大祓を前にして、鳥居と杉の御神木に掛けられました。

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組の皆さんの絆の深さを物語る立派な注連縄です。

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残念ながら、ご祈願や外のお祭りの為、ご奉仕をしている様子を捉えることが出来ませんでしたが、稲に宿る神さまの御神霊(みたま)がこもった注連縄で、参拝の皆さまも心が洗われることと思います。

水の恵み

2010年12月18日 土曜日

社務所の厠(かわや)改修工事がようやく終わり、20日の大祓に間に合いました。

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トイレの神さま(厠神)のお話を11月27日のブログに記しましたが、波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ)・彌都波能賣神(みつはのめのかみ)のご加護のもと、大切に使用していきたいと思います。

井戸埋

井戸埋清祓

同様に、道路拡張により古井戸を埋め立てるお宅で、井戸に坐(ま)します神々をお迎えして井戸埋清祓を執り行いました。

祝詞(のりと)には、「甘(あま)き水美(うま)き水を弥沢(いやさわ)に弥広(いやひろ)に授け給ひし御恵(みめぐみ)・・・・・」と称言(たたえごと)を称(とな)えました。

水道の蛇口をひねれば簡単に出て来る水ですが、その恵みに感謝することの大切さを考える一時でした。

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まが玉の霊力

2010年12月17日 金曜日

『OZ olus 』(オズプラス・2011年2月増刊)の「開運初詣」特集に比々多神社が掲載されました。

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御祭神の「天明玉命」(アメノアカルタマノミコト)は、玉づくりの祖先神です。神社周辺の遺跡からは数多くの勾玉(まがたま)が発掘されていて、比々多には工房跡とされる「才玉」という地名も残っています。また、三之宮郷土博物館には、県内唯一の「勾玉の首飾り」が展示されています。 

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勾玉は、胎児の形にもたとえられ、物事が形をなす始まりともいわれます。ご祭神のご神縁(しんえん)を授かり、万物の生成発展をお祈り申し上げます。

「勾玉守」は縁結び・子宝・安産のお守りとして授与しています。

初詣

2010年12月16日 木曜日

お正月を迎えると、心があらたまり清々しい気持ちになれるのはいつの時代も変わらないものです。

家庭では、「注連縄」(しめなわ=標縄・七五三縄・〆縄)を張り、1年の福をもたらす「年神さま」(としがみさま=歳神さま)の依代(よりしろ)である「門松」(かどまつ)を立てて神さまを迎えます。年神さまは私たちの祖先とも考えられています。

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「鏡餅」(かがみもち)は年神さまの依代であり、お供えものです。三方(さんぼう)に半紙を敷き、ゆずりは(新しい葉が生長してから古い葉が譲って落ちる)・昆布(喜ぶ)・うらじろ(腹が白い)を置いて、大小の丸いお餅(鏡=正直)を重ねます。そして一番上にだいだい(代々=繁栄)を飾ります。

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「お年玉」は、本来はお金ではなくお餅でした。ご先祖さまは魂(たましい)を丸いものと考え、秋に実った新米でついたお餅を神さまにお供えしました。稲に宿る魂「生命の力」をいただくことにより、元気を授かったのです。年頭に子どもたちに丸いお餅を贈るのは、“ 健やかな成長への願い ” であり、みたま分けの行事だった訳です。

タウンニュース 12月17日号

タウンニュース 12月17日号

比々多神社では元旦の午前零時に歳旦祭(さいたんさい)・元旦大祈祷を厳粛に斎行し、国の安寧(あんねい)と繁栄、氏子崇敬者の1年の平穏無事を祈ります。

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元日の早旦、神社仏閣に詣でるのが「初詣」(はつもうで)です。近年は日中の比較的温かい時間に、ゆっくりと詣でる方が増えました。初詣は「生命の甦り」、心新たな気持ちで新年をお迎えください。

ショッパー 12月16日号

ショッパー 12月16日号

元旦から15日までの間、ご参拝の方に御神酒と開運守を授与(無料)しています。

伊勢原タイム 12月17日号

伊勢原タイム 12月17日号

初詣は氏神さまから

神棚

2010年12月15日 水曜日

年末に向かい、神棚 【参考:家庭のまつり】 についてのお問い合わせが増えています。神棚は神具店やホームセンターで取り扱っていますが、取り付ける場所や向き、御神札(おふだ)のまつり方やお供えの仕方など、神職に尋ねていただくのが一番です。

神棚のパンフレット

神棚のパンフレット

神社には、アパートやマンションなどの賃貸住宅、現在の住宅状況を考慮した簡易神棚もご用意しています。

簡易神棚 柱掛・御扉付

簡易神棚 柱掛・御扉付

簡易神棚 柱掛・前面透明板付

簡易神棚 柱掛・前面透明板付

簡易神棚 掛置両用

簡易神棚 掛置両用

また、ご祈願などの御神札(木札)を立てておまつりすることのできる御神札立て(大・小)もあります。

御神札立て(大) 尺4札・尺3札用

御神札立て(大) 尺4札・尺3札用

神棚に静かに手を合わせることにより、心が落ち着き、穏やかな気持ちを保つことができます。また、みんなでお参りをすることにより、家族や社員の絆が結ばれることでしょう。

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静謐な境内

2010年12月14日 火曜日

昨日、福祉農園から納品された葉牡丹(はぼたん)が、冬空の下で雨粒に濡れて華やぎを見せています。

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葉牡丹は甘藍(かんらん=キャベツ)の一品種で観賞用です。紅紫色と白色に色付いた葉がとても綺麗です。

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落葉樹の葉もほとんど落ちましたが、遅く色付いた紅葉が何ともいえない輝きを放っています。

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年末の冷たい雨に洗われた境内は静謐さを保っています。

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小雨の中行われた地鎮祭も厳粛さがありました。“ 雨降って地固まる ” ではありませんが基礎固めとなるようお祈り申し上げます。

地鎮祭 おめでとうございます

地鎮祭 おめでとうございます

特別限定酒

2010年12月14日 火曜日

昨日の煤払いの様子が、神奈川新聞に掲載されました。

神奈川新聞・12月14日朝刊

神奈川新聞・12月14日朝刊

いよいよお正月の準備も本格化してきました。御神前に掛かる5本の鈴緒(お賽銭箱前)も紅白の布を綯(な)って撚(よ)り合わせ、本麻(麻苧 あさお)を付しました。新しい鈴を取り付け、年末に掛け替える予定です。

鈴緒

鈴緒

冬季特別限定の御神酒(伊勢原市神戸・吉川醸造謹製)も準備が整いました。元日から15日頃まで、参拝者にお召し上がりいただいています。

御神酒

御神酒