今月に入ってから、兼務社(25社)の総代さんが来社する機会が多くなっています。
祭礼の準備やコロナ禍の対応、年末の祭典日程や御神札(おふだ)の頒布予定、共済(きょうさい)の見直し等、多岐にわたる相談内容です。
さて、今日は「日と月」について少し記してみます。
日本人は暦(こよみ)好きともいわれ、年末になると多くの暦やカレンダーが売られます。
自然や四季の移ろいに対する感情を表す日本人にとって、暦は生活の指針ともいえます。
太陽・月・星の運行により、季節や月日は定められますが、暦は「日読み」(かよみ)からきたとされ、日を数えることを意味していたそうです。
日本神話では天照大御神(あまてらすおおみかみ)と月読命(つくよみのみこと;月読尊、月夜見尊など)は日と月の対象として登場しますが、日の神は女神、月の神は男神[万葉集では「月読壮士」(つきよみおとこ)の表現]として比較されます。
神話の神名(しんめい)には彦や姫が多く現れますが、日の神の子で、男は「日子」(彦)、女は「日女」(姫)といいます。
太陽(日)に対して太陰(月)、旧暦(太陰暦)では月の満ち欠けで一ヶ月を数えますが、月の見えない新月、つまり朔(さく・ついたち)から次の月の見えない日までの期間が約30日となります。
日は太陽であり、その見える時間であるから「日」が毎日を数える単位に、「月」が月の見える期間を指すから一ヶ月を単位とする助数詞となったという考えもあるようです。
陰暦十五夜(じゅうごや)の月を満月(まんげつ)といい、「みてりつき(満月)」「もてりつき(最照月)」が「望月」(もちづき)の語源ともされます。
満月の欠けたところのないことから、偉大・盛大な意をもつ枕詞(まくらことば)として、「望月の」は「湛(たたは)し」「足れる」「めずらし」にかかります。
(参照『現代こよみ読み解き事典』『日本語をみがく小辞典』『日本大百科全書』)