新米の収穫を終えた篤農家(とくのうか)の方が、「明日は朔日(ついたち)なので御神前に上げて下さい」と新米を奉納になりました。
また、明日は十五夜にあたることから、薩摩芋(さつまいも)と里芋(さといも)もお持ちになりました。
十五夜は旧暦の毎月15日の夜ですが、旧暦では7・8・9月を秋といい、それぞれ初秋・仲秋・晩秋と呼んだことから、旧暦8月15日を中秋と称して、観月の好時節としてお月見を楽しんできました。
月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月
古くから農耕行事とも結びつき、収穫の感謝祭の意味合いもあり、芋を供えることから「芋名月」と呼ばれたわけです。
里芋の歴史は稲よりも古く、稲作以前の主食とも考えられています。
種芋(たねいも)である親芋のまわりに子芋、孫芋、曾孫芋(ひまごいも)と沢山(たくさん)の芋ができ、種芋自体も成長することから、子孫繁栄の縁起物といわれるのも頷(うなず)けます。