暦の上で夏を迎えた「立夏」の昨日、夏を思わせる好天のもと國府祭(こうのまち)の朝を迎えました。
行列御立ち
午前6時前には総代さんが漫(そぞ)ろ集まり、国府の地(大磯)へ向かう支度が始まりました。
金目行在所着御祭
神社を出立(しゅったつ)した行列は化粧塚(けしょうづか)を経由し、神戸(ごうど)から金目(かなめ)へ向かいました。
行在所(光明寺)
板東三十三箇所第7番札所の古刹(こさつ)・金目観音(光明寺)にて「着御祭」(ちゃくぎょさい)を斎行(さいこう)、住職や敬神講、御嶽(みたけ)太鼓連の歓迎を受けました。
端午祭(たんごさい)に相応しく、鯉のぼりが泳ぐ金目川に神輿が進み、多くの人たちの歓声が上がりました。
金目川
担ぎ手の青年衆は禊(みそぎ)で心身を清め、まさしく清々しい笑顔に溢れていました。
時間の余裕を以て、神揃山(かみそろいやま・かみそりやま)入口に着御。既に在庁(ざいちょう)のお迎えが待機していました。
神揃山 三之宮参道入口
神揃山は神集山とも言い、総社を除く五社の行在所となる祭場で、それぞれ参道入口が異なります。
化粧塚
当社の参道が最も険しく、神輿を担ぐ青年も息が上がるところですが、今年で72回目の國府祭参加となる在庁の長老も、紋付き羽織袴(はおりはかま)に草履(ぞうり)の姿で、今年もしっかりと行列の役目をおつとめになり、山道を歩かれました。
神揃山
多くの人たちが待ちわびる神揃山に上がると、元気も増して盛り上がり、神輿振りも勢いが出てきました。
既に一之宮・寒川神社、二之宮・川勾神社が着御し、当社としても予定通りの運びとなりました。
準備班が待ち構え、設(しつら)えも万端整い、暫(しばら)くは長旅のお休み処となります。
ご神前に横山のごとく神饌(しんせん:神さまのお供えもの)を奉(たてまつ)り、当社も厳粛に祭典を執り行いました。
祭儀を畢(お)える頃には、四之宮・前鳥神社、一国一社・平塚八幡宮もそれぞれお着きになりました。
祝詞奏上
八幡宮の閉式と同時に、「粽行事」(ちまきぎょうじ)が行われ、振る舞いの餅が四方八方に飛び交いました。
力石に置かれた粽俵
五社の神職一同による「五社列拝」(ごしゃれっぱい)、そして、一之宮争いを儀式化した古式「座問答」(ざもんどう)では、当社宮司の仲裁の一声「いづれ明年まで」に、今年も変わらぬ大喝采(だいかっさい)が沸き起こりました。