2016年5月12日 のアーカイブ

風の話

2016年5月12日 木曜日

風薫る、薫風(くんぷう)、風の香(かぜのか)、南薫(なんくん)、といった季語は爽やかな印象ですが、昨日は「青嵐」(あおあらし・せいらん)を通り越した大南風(おおみなみ)の強風が吹いて、外の祭儀もてんやわんやの騒ぎとなりました。

昔から、春の東風を「こち」、夏の南風を「みなみ」「はえ」、梅雨期の南風を「くろはえ」(黒南風)、梅雨明け頃の南風を「しらはえ」(白南風)などと表現し、更には地方によって異なる名称が存在するのはとても興味深いものです。

人形

人形

さて、「夏越大祓」(なごしのおおはらえ:6月30日)の人形(ひとがた)の申込みが始まりました。

参列者一同で唱える「大祓詞」(おおはらえことば)には「・・・科戸(しなど)の風の天(あめ)の八重雲(やえぐも)を吹き放つごとく・・・」とあります。

「科戸の風」とは、風の神である級長戸辺命(しなとべのみこと)の名から風のことをいい、「風が大空にかかる折り重なった雲を吹き放つように」との意です。

神さまの風の威(い)により、諸々の災禍(さいか)が吹き祓われることを願います。