今日は勤労感謝の日です。
祝日法に「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」と記される国民の祝日ですが、戦前は「新嘗祭」(にいなめさい)という祭日でした。
〝 豊葦原瑞穂国 〟(とよあしはらのみずほのくに)という異称をもつ我が国では、五穀の豊穣を祈る「祈年祭」(きねんさい:2月17日)と対置して、収穫に感謝する儀礼として「新嘗祭」を行ってきました。
「天照大神(あまてらすおおかみ)の新嘗(にひなへきこ)しめす時」(日本書紀) とあるように、神代(かみよ)の昔に遡(さかのぼ)る稲米儀礼であることがわかります。
明治4年(1872)までは、11月の下卯(しもう)を祭日としていましたが、明治6年の新暦採用から23日と定められました。
宮中では恒例祭典で最も重要なものとして、神嘉殿(しんかでん)において「夕の儀」(よいのぎ:23日午後6時)・「暁の儀」(あかつきのぎ:23日午後11時)として執り行われます。
天皇陛下には自ら皇祖(こうそ)天照大神をはじめ天神地祇(てんじんちぎ:天地の神々の総称=天つ神・国つ神)に、「夕御食」(ゆうみけ)「朝御食」(あさみけ)をお供えになり、神恩に感謝されます。そして、自らもお召し上がりになられます。
年ごとの新嘗祭に対して、天皇即位後一世一度のそれを「大嘗祭」(だいじょうさい)といいます。
全国津々浦々の神社でもこれにならって、神社祭祀規定の〝 大祭 〟として斎行しています。
この日までは新米は食さないというのが納得いただけると思います。
当社でも定刻午前10時、粛々と伝統の神事を執り行いました。
収穫感謝の思いとして、ご神前には新米や野菜、果物など〝実り〟が横山の如く並べられました。
更なる神威(しんい)が氏子・崇敬者にもたらされることと思います。