2014年11月9日 のアーカイブ

言挙げ

2014年11月9日 日曜日

朝の内は一時雨が強く降ったものの、予想より早く上がり、七五三参りの家族連れには良き日曜日でした

第二駐車場(神社向かって左側)では、四季桜がとても見頃になりました。

四季桜

四季桜

さて、今日は朝8時半から真田神社(平塚市真田)の月次祭(つきなみさい)奉仕がありました。

毎月第二日曜日に執り行う月次祭ですが、この機にあたり、季節や時宜(じぎ)の話題などを盛り込みながら、神社に関する身近な話を平易(へいい)にするよう心掛けています。

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神道は日本の国土に生まれた自然発生的な民族宗教であり、四季折々、豊かな自然風土に恵まれた生活の中で、私たちの身にしみ込んでいるものです。

悠久の長い歴史と文化、伝統に培われたもので、「惟神の道」(かんながらのみち:古くは「かむながら」)といわれます。

創始者や経典をもたないことが仏教やキリスト教、イスラム教などの宗教と異なるところです。

先人は人々の生活に欠くことの出来ない水や土、火など、あらゆる自然や万物、人の力の及ばない、すぐれたる徳のある、そして恐れ慎むべきものを〝 神 〟といいました。

『古事記』、『日本書紀』、『古語拾遺』(こごしゅうい)、『万葉集』などの「神典」(しんてん)と呼ばれる古典を規範とし、「祭り」という行為を通して発展してきたのです。

葦原(あしはら)の瑞穂(みずほ)の国は神ながら言挙(ことあ)げせぬ国 『万葉集』

真田神社

真田神社

「言挙げ」とは言葉により明確にすることですが、「神ながらの道」ですから、神代(かみよ)のままに言葉にする必要がなかったのです。

しかしながら、戦後の社会構造の変化、家族構成や地域のつながりの希薄化、またグローバル社会にあって、言語表現をすることが大切とされる世の中です。

微力ながら、こうして拙ブログを続けることも言挙げであり、祭りの場における表現も神職としての今日的課題といえます。