8月15日を迎えました。
ご神前では「月次祭」(つきなみさい)を執り行い、皇室の御安泰と国の安寧、氏子崇敬者の安全と発展を祈り申し上げました。
近隣諸国はこの日が近づくと騒ぎ立てますが、私たち日本人は、心静かに、穏やかに、先人に感謝の念を抱きつつ、鎮魂の時を過ごすことを忘れてはなりません。
神々ここに 敗れたまひぬ すさのをも おほくにぬしも 青垣の 内つ御庭の 宮出でて さすらひたまふ
折口信夫(おりぐちしのぶ : 明治20-昭和28/民俗学者・国文学者・詩人・歌人)は、戦後の悲憤(ひふん)を「神 やぶれたまふ」という詩に表現し、日本の敗戦は日本の神々の敗北でもあるとうたいました。
この度出版された 『 神やぶれたまはず-昭和二十年八月十五日正午 』 (長谷川三千子著) には、上述の詩が引用され、「われわれは本当の意味で、われわれの神を得たのである」 として、われわれの祖先が遺してくれた〝 精神の遺産 〟 について示唆を与えてくれます。
戦後、経済合理主義を追求して経済大国になった日本において、歴史の彼方に忘れ去られた精神の遺産を取り戻すのは、この日に思いを巡らすことから始まるのかもしれません。
もちろん、大震災の復興の原点もここにあるのです。