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神葬祭詞の表現

2013年3月4日 月曜日

三寒四温とはよくいったもので、数日暖かいと思うと、また寒い日が続いています。週の半ばにはぐっと気温が上がるようで、体調管理には十分お気をつけください。

さて、昨晩・本日と神葬祭(しんそうさい)のご奉仕がありました。

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神職が奏上する「祝詞」(のりと)を、神葬祭では「祭詞」(さいし)といいます。

つまり、通夜祭詞(つやさいし)、遷霊祭詞(せんれいさいし)、葬場祭詞(そうじょうさいし)、火葬祭詞(かそうさいし)、帰家祭詞(きかさいし)、十日祭詞(とおかさいし)などです。

故人の生前の功績を称え、遺徳を偲ぶために「神葬祭詞」(しんそうさいし)を奏上しますが、古くは「誄」(るい)とか「誄詞」(るいし)といい、故人の生い立ちや職歴、人柄などを盛り込んで作文します。

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祝詞にはあまり用いませんが、神葬祭詞には和歌などに用いられる「枕詞」(まくらことば)や「序詞」(じょことば)など、比較的自由な発想と表現が許されています。

また、「花ならば散りてまた咲きくるものを」「言の葉に言ひ表すべくもあらねば」「こみ上ぐる涙を鎮めつつ」「常磐(ときは)に堅磐(かきは)に」など、語句を巧みに用いて表現する「比喩」(ひゆ)などの修辞法(しゅうじほう)も特有の技法です。

あしひきの八つ峰(を)の雉(きぎし)鳴きとよむ朝明(あさけ)の霞(かすみ)見れば悲しも

『万葉集』大伴家持