‘なぜ?なに?’ カテゴリーのアーカイブ

餅の霊的な力

2012年3月16日 金曜日

明日の人形感謝祭に向けて、参列者にお頒ちする撤下品(てっかひん)の準備をいたしました。

日々の食事は私たちの生活の上で最も大切なものですが、神事では神饌(しんせん)といってご神前にお供えをいたします。

三方(さんぼう)にのせた餅

祭器具である三方(さんぼう)にのせた餅

中でも、餅はご神前にお供えしたり、年中行事に関わりのある食べ物で、「ハレ」の日のものです。

紅白餅

紅白餅

正月に餅を食して歯固めとしたり、ひな祭りの菱餅(ひしもち)や端午の節句の柏餅(かしわもち)、明日からお彼岸となりますが、「入りぼた餅に明け団子、中の中日(ちゅうにち)小豆飯(あずきめし)」といわれるように、餅は特別な意味合いのある食べ物です。

最近はあまり見られませんが、建築儀礼の棟上げには、四方に餅を撒(ま)いて厄を祓う儀式や、大きな神社仏閣がある門前町には必ず厄除け餅などが売られています。

餅にこもる霊的な力をいただいて、生命の更新をはかり、心身ともに健やかになることは先人の知恵といえましょう。

生成発展の信仰

2012年3月11日 日曜日

一昨日、社務所玄関前の梅がようやく一輪花を開きました。桜にはない、この梅の蕾が開く瞬間が、何ともいえない感動を与えてくれます。

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昨日は神道の葬儀、神葬祭(しんそうさい)がありました。

昨晩、浄書した葬場祭詞

浄書した葬場祭詞

仏教では「輪廻転生」(りんねてんしょう)という言葉を用いますが、神道では「生成発展」の信仰があります。

つまり、祖先のみたまは生まれ替わり、生き替わって自己に生きているという考えです。

祝詞(のりと)や祭詞(さいし)の文末に、「子孫の八十続五十橿八桑枝の如く・・・」(うみのこのやそつづきいかしやぐわえのごとく)という表現で、次々に、子孫の繁栄を祈る信仰です。

病気平癒

2012年3月7日 水曜日

本日早朝、篤志の方が5品の果物をご神前に奉納されました。

以前、当社で結婚式を挙げられた方ですが、お父さんの手術にあたり、病気平癒を願ってのものでした。

手術の無事成功と術後の順調な回復をお祈り申し上げます。

神前奉納

神前奉納

比々多神社の拝殿には、数多くの絵馬が掛かっていますが、その中に眼病予防の願いを込めたものがあります。

眼病予防の絵馬

眼病予防の絵馬

鎌倉時代には、源頼朝公が妻・政子の安産を願って当社に神馬(しんめ)を奉納されたことが鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』(あずまかがみ)の中に記されています。

その鎌倉幕府の法制書(基本法典)である「御成敗式目」(ごせいばいしきもく=貞永式目じょうえいしきもく)の第1条には、「神は人の敬によりて威(い)を増し、人は神の徳によりて運を添ふ」と記されています。

「ご神威(しんい)を高めるのは人の敬による」という鎌倉武人の精神性の高さに学びたいと思います。

いわゆる「女性宮家」創設問題

2012年2月24日 金曜日

昨日・本日と自由民主党本部において、「第10回神道政治連盟時局対策連絡会議」が開催され、禰宜が神奈川県の中から参加する機会を得ました。

神道政治連盟は昭和44年に、世界に誇る日本の文化と伝統を後世に正しく伝えることを目的に結成されました。日本らしさ、日本人らしさが忘れられつつある今、この国の誇りと自信を取り戻すために、様々な時局問題に取り組んでいます。

さて、会議では様々な問題について、専門の見識をもった先生方の講演を拝聴しました。

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特に、昨年の11月25日、読売新聞が「女性宮家」創設検討についての報道をしましたが、宮内庁長官が首相に対して火急の案件として要請した問題です。

世論では、「天皇陛下の御公務の軽減」「皇位継承の安定化」「男女平等の世の中だから」など、一見当たり前といえる回答で、いわゆる「女性宮家」創設への賛成意見が多いようです。

しかしながら、ここには大きな落とし穴があります。

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日本国憲法の第1章(第1条から第8条)は天皇に関してですが、その国の基本法の冒頭は、その国を語る国家観・歴史観など、最も重要な形を表しているものです。

『古事記』『日本書紀』(記紀神話)に記された建国の由来、国の始まりから一貫して皇統(こうとう)が変わらない「万世一系」(ばんせいいっけい)という悠久(ゆうきゅう)の歴史は、世界広しといえど日本の他にありません。

しかも、男系男子のみにより血統が守られてきており、どの天皇も父親でさかのぼると第1代神武天皇にたどりつくのです。これがこの国の背骨、根幹を貫くまぎれもない形なのです。

男系というと女性差別のように聞こえますが、皇室典範(こうしつてんぱん)第9条に養子の禁止がうたわれているように、女性は宮家に入れても男性は入ることが出来ないという女性の優位性があります。

現在の憲法は、戦後GHQにより僅かな期間でつくられたもので、様々な場面で私たちの暮らしにそぐわないことが指摘されていますが、手続きとしては明治憲法(大日本帝国憲法)の改正法です。

ですから、憲法を改正する上でも、日本人が日本人のために長期にわたり議論してつくり上げた明治憲法を参考にしなければなりません。

また、皇室に関しては皇室典範が存在します。現在は憲法の下位法に位置していますが、これも占領軍によるもので、同等の法典と考えるべきです。

今月末から、いわゆる有識者会議なるものが「女性宮家」創設についてヒアリングを始めるそうですが、御入院中の天皇陛下に何ら敬意や配慮もなく、継承者である皇族方の意見が入らないことにも違和感を感じさせます。

この「女性宮家」議論は、昭和22年にGHQの圧力により皇籍離脱(こうせきりだつ)を余儀なくされた11宮家を含めなければ議論に及ばないとの考え方もあります。

長い歴史と伝統の上に存在される天皇の議論であって、拙速(せっそく)な話し合いだけで、一時の感情に流されてはいけない問題です。

天皇陛下の御公務のうち、国事行為が1割、宮中祭祀が2割、他の7割は象徴としての公的行事ともいわれますが、陛下の御公務の分担など、臨時代行は皇太子殿下や秋篠宮殿下に限られるもので、女性皇族には出来ないものでもあります。

今日の皇居・二重橋

今日の皇居・二重橋

本日の皇居はぽかぽかと暖かく、坂下門の記帳所には人の流れが止まりませんでした。

早期の御退院・御快癒を祈る国民の心の表れですが、反対に記帳に訪れた人が癒されて帰っていくように思えました。

厄除・八方除祈願について

2012年1月30日 月曜日

全国的な大雪となり、当地でも厳しい寒の寒さが続いています。

立春正月、一陽来復の春が待ち遠しいところです。

さて、このところ「厄年」についての問い合わせの電話があります。日本では古くから、元旦を迎えると、1つ年をいただくということで、数え年で行うのが基本となります。

厄年表

また、「八方塞がり」ですが、人は生まれ年により一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白金星、九紫火星(○○□気性とも)という9つの気性に分けられます。これは、産声を上げたとき(年・月・日・時)に吸う気に、その人を支配する運命ともいえる九気が定まります。

今年は「六白金星」が中宮(ちゅうぐう)に回座し、八方塞がりとなります。

「年齢早見表」とともに、以下に添付いたしますが、生まれ年の九気の簡単な計算方法を示します。

例えば、昭和42年生まれなら、4+2=6を起算数字12から引くと、12-6=6(六白金星)となります。また、昭和11年生まれは、1+1=2を12から引いて、12-2=10となりますが0を除いた数字で、一白水星となります。

但し、起算数字は、昭和・平成生まれのみ12で、大正なら8となります。

西暦であれば、起算数字11から引けば同様の回答を求めることができます。則ち、1977年生まれなら、1+9+7+7=24で、2+4=6。これを11から引いて、11-6=5(五黄土星)となります。

*九気は立春を起点とするため、1月1日から節分(立春の前日)生まれの方は、前の年の星回りとなります。

生年・九気性・干支・年齢早見表

お仕舞いに、「厄除」「八方除」祈願の時期ですが、基本的には年初(節分まで)に行うのが妥当かと思います。地方により、特定の期間を設けているところもありますが、春の始まり、または年頭の早い時期にお祓いを受けた方が、何より安心かと思います。

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服忌(ぶっき)について

2012年1月23日 月曜日

今日は旧暦の元旦。横浜の中華街では春節をお祝いし、賑やかなイベントが行われました。

低気圧が南下し、太平洋側や関東南部でも夜は雪、明日の通勤・通学への影響が心配です。

日中、社会福祉協議会の皆さまが初詣でに来られました。車椅子の方が多かったですが、お焚き上げで暖をとりながら、愁眉(しゅうび)を開いていました。

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さて、週の始まりということもあり、問い合わせの電話も多く、「年末に不幸があり、火掛かりなので御神札はいつからおまつりしてよいか」「葬儀に参列したがご祈祷に行っても良いか」などの「服忌」(ぶっき)=「忌服」(きぶく)に関するものが数件ありました。

服忌は、親族に不幸が生じた場合に、血縁関係により一定期間喪(も)に服(ふく)することです。明治7年に定められた太政官布告によれば、父母の場合に忌50日、服13ヶ月となっています。家に籠もり身を慎む50日はできても、喪服を着て1年以上も過ごすというのは大変なことです。

不幸が生じた場合、50日間神棚を半紙で覆います

家の中で不幸が生じた場合、神棚を50日間半紙で覆います

戦後はその効力もなくなっていますが、その名残として喪中の葉書を出して年賀の挨拶を遠慮したり、門松などの正月飾りをしないなどのことが残っています。

服忌の期間は、①父母・夫・妻・子は50日②祖父母・孫・兄弟姉妹は30日③曽(そう)祖父母・曽孫(ひまご)・甥姪(おいめい)・伯叔父母(おじおば)は10日④その他親族は3日⑤特に親しい友人知己(ちき)は2日というのが、神社庁の定めとなっています。

また、配偶者については、各項目を1つずつ繰り下げた日数として換算します。

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上記の忌明け後は、神棚を覆った半紙を外し、日々のお参りを再開いたします。また、お正月がまたがった場合には、新しい御神札を神社で受けて、お力をいただくようにしてください。

特に、お宮の総代や世話人などの立場、あるいは式に参列する場合には、鳥居外の祓所(はらえど)において、神職による清祓を受けていただくことも可能です。

喪は故人に対する慎みの心であるとともに、清浄を尊ぶ日本人のまことの心、倫理観の表れです。

「ハレとケ」という言い方をいたしますが、「気が枯れてケガレ」となり、「甦(よみがえ)りがハレ=晴れ」となります。

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火祭行事

2012年1月14日 土曜日

正月十四日の今日は、正月のとじめとなる火祭行事。各戸に飾った注連縄(しめなわ)や松飾り類を村境や辻にまつる道祖神に持ち寄って焚(た)き上げます。

三ノ宮(中谷戸・西谷戸)のどんど焼き

三ノ宮(中谷戸・西谷戸)のどんど焼き

地方によって様々な形があり、呼び名も左義長(さぎちょう)、どんど焼、どんどん焼、とんど、さいと、ほっけんぎょう、、、などといわれます。

お宮では、古札焼納祭に併せてどんど焼を行っています。

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午後3時の開式前には、土曜日とあって100人余りの人たちが境内に集まりました。

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この火で焼いた団子を食すと風邪をひかない、流行病や万病を除くといわれ、子供たちも楽しみながら参加しました。

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また、この火にあたると若返り、書き初めをかざして高く舞うと書が上達するともいわれます。

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火の信仰と伝統、守っていきたい行事の一つです。

火の暖かさ以上に、温かい気持ちで過ごした時間でした。

七草粥

2012年1月7日 土曜日

旧暦正月七日は、江戸時代に定められた五節句の一つで「人日」(じんじつ)。平安時代に中国から伝わったもので、元日は鶏の日、二日は狗(いぬ)の日、三日が羊、四日が豕、五日を牛、六日を馬、そして七日が人。また、八日は穀。

元日は鶏を殺さず、人日は刑罰を行わないとされていたようです。

七日人日といふ。また霊辰(れいしん)ともいへり。人は万物の霊なれば、かくいふとかや。和俗にいへる五節句の初なり。今日七草の菜粥を製し食ふ。『日本歳時記』

七草粥

七草粥

この日の朝、七草粥を食して祝います。無病息災、万病予防を願うとともに、疲れた胃袋を休める役割をしています。

『延喜式』に見られるように、七種の粥は「米・粟(あわ)・黍(きび)・麦・薭(ひえ)・胡麻(ごま)・小豆(あずき)」と穀類でした。

後に、若菜である「芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・繁縷(はこべら)・仏座(ほとけのざ)・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)」となりましたが、地方により異なる様子です。

忠勇貽範

2012年1月3日 火曜日

昨日の午前10時、招魂社において遺族会主催の地区戦没者年頭慰霊祭が執り行われました。

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碑には、沖原光孚陸軍中将(おきはらこうふ;山口県・岩国藩士に生まれ、日露戦争で軍功著しく、男爵を授かり貴族院議員をつとめる・正五位・勲二等)の手跡で、「忠勇貽範」(ちゅうゆういはん)と記されています。

「貽」は後に残す、「範」は模範のことだと思われます。

今年は、昭和27年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効されてから60年、昭和47年5月15日に沖縄が本土復帰してから40年になります。

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あの未曾有の大震災もそうですが、風化させずに語り継ぐこと、後の世に残すことこそ、現世を生きる私たちの使命だと思います。

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報賽

2011年12月25日 日曜日

本日は、お世話になった地区自治会を始め、奉献者などに御礼の挨拶回りをいたしました。

どこのお宅でも年末年始の支度などで繁忙につき、長居はできませんが、様々な話が広がるのも年の瀬ならではです。

ご加護に感謝 (24日稲荷祭)

ご加護に感謝 (24日 稲荷祭)

さて、お宮では今年最後の日曜日とあって、ご祈願の人たちが目立ちました。

中でも、「祈願が成就したので」「1年のご恩に感謝して」などという「報賽」(ほうさい)の御祈祷や、御神札・御守等を納めに、お参りされる方の姿も増え始めています。

「報賽」は、簡単には「お礼参り」といいますが、「願ほどき」「返り申し」などとも表現をします。

先祖に感謝 (23日一年祭)

先祖に感謝 (23日 一年祭)

恩をうけ 恩を恩とも おもふなら 恩を報ずる 心あるべし  橘弘政 『 心の百首 』

報恩感謝という四字もありますが、本当に恩に感謝し、それに報いるだけのことをしているか問われると、恥ずかしい限りです。

古い言葉で「天地の恩・君の恩・父母の恩・衆生(*しゅじょう)の恩」ともいいますが、大災害の起こった年末に当たり、恩についてしみじみと考えるのも大切なことだと思われます。

*衆生・・・生きとし生けるもの。

伊勢の神宮

伊勢の神宮