明日の人形感謝祭に向けて、参列者にお頒ちする撤下品(てっかひん)の準備をいたしました。
日々の食事は私たちの生活の上で最も大切なものですが、神事では神饌(しんせん)といってご神前にお供えをいたします。
中でも、餅はご神前にお供えしたり、年中行事に関わりのある食べ物で、「ハレ」の日のものです。
正月に餅を食して歯固めとしたり、ひな祭りの菱餅(ひしもち)や端午の節句の柏餅(かしわもち)、明日からお彼岸となりますが、「入りぼた餅に明け団子、中の中日(ちゅうにち)小豆飯(あずきめし)」といわれるように、餅は特別な意味合いのある食べ物です。
最近はあまり見られませんが、建築儀礼の棟上げには、四方に餅を撒(ま)いて厄を祓う儀式や、大きな神社仏閣がある門前町には必ず厄除け餅などが売られています。
餅にこもる霊的な力をいただいて、生命の更新をはかり、心身ともに健やかになることは先人の知恵といえましょう。