‘なぜ?なに?’ カテゴリーのアーカイブ

神事を先にし他事を後にす

2015年8月2日 日曜日

昨日は朔日(ついたち)迎え、月次祭(つきなみさい)を執り行いました。

和歌に秀でた第84代順徳天皇(1197-1242)の『禁秘抄』(きんぴしょう)は、宮中の行事、故実(こじつ)、慣例、事物などが漢文で著(あらわ)されていますが、

およそ宮中の作法は、神事を先にし他事を後にす。朝夕に敬神の叡慮(えいりょ)懈怠(けたい)なし。

と、天皇陛下にとって最も大切な御公務が宮中祭祀であることが書かれています。

また、北条泰時(1183-1242)が編纂(へんさん)した武家の根本法『御成敗式目』(ごせいばいしきもく:貞永式目)には、

神は人の敬いによって威を増し、人は神の徳によって運を添う

とあり、神社を修理し、祭祀を専(もは)らにすべきことがその第一条に書かれています。

天皇陛下は、〝 国平らけく、民安かれ 〟と日々無私の祈りを捧げられていますが、ありがたい大御心(おおみこころ)を体(たい)して、意を新たにした月の始まりでした。

社頭掲示 葉月

社頭掲示 葉月

十種神寶

2015年7月29日 水曜日

連日の暑さに健康な身であっても耐えかねるところです。

このところ病気平癒や身体健全祈願が続いています。

当社では、病気平癒の祈願祭に、『旧事紀』(*くじき)に伝わる「十種神寶」(*とくさのかんだから)の呪文(じゅもん)を唱え、心身安鎮を祈ります。

目を患った人の祈り(絵馬)

目を患った人の祈り(絵馬)

*旧事紀~神代から推古朝までの事跡を記した史書。先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)・旧事本紀(くじほんぎ)

*十種神寶~饒速日命(にぎはやひのみこと)が天から下った時に天神(あまつかみ)が授けた10種の宝。沖津鏡(おきつかがみ)、辺津鏡(へつかがみ)、八握剣(やつかのつるぎ)、生玉(いくたま)、足玉(たるたま)、死返玉(まかるがえしのたま)、道反玉(ちがえしのたま)、蛇比礼(おろちのひれ)、蜂比礼(はちのひれ)、品物比礼(くさぐさのもののひれ)

みたままつり

2015年7月25日 土曜日

蝉時雨(せみしぐれ)の鳴り響く酷暑の中、社務所を斎場(さいじょう)として設(しつら)え、祖霊(それい)のみたままつり(一年祭)を執り行いました。

来年以降は帰幽(きゆう)当月当日を祥月命日(しょうつきめいにち)といいますが、神道では正辰祭(せいしんさい)といいます。

御霊の平安を祈り上げ

御霊の平安を祈り上げ

当地では8月13日に苧殻(おがら)を焚いて祖霊をお迎えし、15日(または16日)に同様に送り火をします。

お正月と同様、ご先祖さまをお迎えして穏やかに過ごす時期です。

手水作法

2015年7月7日 火曜日

今日は二十四節気の「小暑」(しょうしょ)で、七十二候の初候は「温風至る」(あつかぜいたる)ですが、暑中見舞いも躊躇(ちゅうちょ)するような陽気です。

授与所では期間限定で頒布していた「茅輪守」(ちのわまもり)が、残り僅(わず)かとなりました。

参道の茅の輪は暫(しばら)くそのままですので、参拝の折には左右左と八の字に輪くぐりをしてください。

さて、昨日のブログに続いて、今日は「手水作法」( How  t o purify  your  hands  and  mouth  )について説明します。

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1. 柄杓(ひしゃく)を右手でとって水をいっぱいに汲(く)み、少しだけ流して左手を漱(すす)ぎます。

Take  the  dipper  with  your  right  hand  and  fill  it  with  water .

Pour  some  water  over  your  left  hand  to  rinse  it .

temizu2. 柄杓を左手に持ち替えて右手を漱ぎます。

Shift  the  dipper  to  your  left  hand  and  rinse  your  right  hand .

temizu23. 再び右手で柄杓を持ち、丸めた左手に水を注いで口を漱ぎます。柄杓には直接口をつけないように。祭後に、もう一度左手を漱ぎます。

Take  the  dipper  with  your  right  hand  again  ,  and  pour  water  into  your  left  cupped  hand  and  rinse  your  mouth .

Please  do  not  touch  the  dipper  directly  to  your  mouth .

Finally  ,  rinse  your  left  hand  once  more .

参拝作法 Praying Etiquette to Kami

2015年7月6日 月曜日

日本を訪れる外国人旅行者が増える中、日本の文化や風習に触れるため、神社を訪れる外国人も多くなってきました。

当社でも年に一度は日本人と外国人の国際結婚式があり、国際交流などで外国人が訪れる機会もあります。

この度、神社本庁では外国人とのコミュニケーションの一助として手引きを作成しました。

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今日のブログでは「二拝二拍手一拝」という参拝作法( Praying  Etiquette  to  Kami )について説明します。

The  following  is  the  etiquette  widely  known  for  praying  to  kami  .

1 Bow  twice  deeply.

1.  Bow twice deeply.

1. 深く2回お辞儀をします。

2 Clap your hands twice.

2 . Clap your hands twice.

2. 2回手をたたきます。

3 And bow once more deeply.

3.  And bow once more deeply.

3. もう1回深くお辞儀をします。

参考:SOUL of JAPAN (神社本庁)

神道の墓所

2015年6月20日 土曜日

5月から日曜日ごとに人寄せの行事が続いていますが、明日は「崇敬者祭」を迎えます。

その準備もほぼ整い、残りは天気の心配です。

さて、5月に神葬祭奉仕をしたお宅で五十日祭(ごじゅうにちさい)、そして墓所における埋葬祭(まいそうさい)がありました。

昇降用のモノレール

昇降用のモノレール

神社では墓地をもつところがほとんどないため、個人や共同の墓地、宗派を問わない霊園、または埋葬が可能な寺院などとなります。

霊園は山を切り拓いた斜面などに造成されていることも多く、眺めや雰囲気は最高ですが、平面の墓地と比べお墓選びの比較条件ともなるようです。

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神道では墓所のことを奥津城(おくつき)といいます。

虫送りと初物

2015年6月14日 日曜日

近隣の田んぼでは田植えがほとんど終わり、田を抜ける風の清々しさを感じます。

今日は兼務する真田神社(平塚市真田)で毎月の月次祭(つきなみさい)に併せて、「虫送祭」(むしおくりさい)の祝詞を奏上しました。

真田では大祭である「天王祭」(てんのうさい)を来月(11・12日)に控えていますが、御祭神の素戔嗚尊(すさのおのみこと)は疫病(えきびょう)除けなどとともに農耕神としての信仰が篤(あつ)い神さまです。

虫除守

虫除守

今日は神前結婚式の申し込みや問い合わせがありましたが、当社で3年前に結婚式を挙げられたご夫婦が、初もぎの玉蜀黍(とうもろこし)を奉納されました。

〝初物七十五日〟といって、初物を食えば75日生きのびるといわれますが、神さまもお喜びでご神威(しんい)を発揮されることと思います。

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斎庭の稲穂

2015年6月8日 月曜日

神社下の御神田において、今日は小学校5年生の田植え体験が実施されました。

児童たちの安全を願い、行事前にお清めのお祓いを行いました。

殆どの児童が初めてということで、とても良い体験学習になったと思います。

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神道には教義・経典がありませんが、依拠(いきょ=よりどころ)するものに、「三大神勅」(さんだいしんちょく)があります。

つまり、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が高天原(たかまのはら)から地上に天降る折に、天照大神(あまてらすおおみかみ)から賜ったもので、「天壌無窮の神勅」(てんじょうむきゅうのしんちょく)、「宝鏡奉斎の神勅」(ほうきょうほうさいのしんちょく)、「斎庭の稲穂の神勅」(ゆにわのいなほのしんちょく)です。

天皇陛下には皇居内水田において、粳米(うるちまい)「ニホンマサリ」と糯米(もちごめ)「マンゲツモチ」を5月20日に御自ら田植え遊ばされました。秋には皇祖神に新米が捧げられ、新嘗祭(にいなめさい)をお仕えになります。

高天原の神聖な稲穂(斎庭の稲穂)の種を地上に播(ま)いて育て、私たち日本人が食すという神話の教えが永遠とつながっていることの意義は重要なことです。

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今日は粳米「イセヒカリ」とともに、古代米2種が小学生や保護者の手で植えられました。

古代米の藁(わら)は、神社の注連縄(しめなわ)づくりや俵(たわら)づくりに用いられます。

平和とは

2015年6月5日 金曜日

日本列島も西から順番に初夏から梅雨に入り、そろそろ関東も梅雨入りでしょうか。

今晩から明朝までは雨のようです。

さて、9月には所管神社の日帰り旅行で、戦後70年にあたり靖國神社参拝研修を計画予定です。

所轄庁(文科省)への提出書類を持参された兼務社の総代さんにその旨をお話すると、「問題の神社なのでお参りしたことがない」という驚きの言葉が返って来ました。

各種パンフレット

平和とは何か

家族のため、地域のため、お国のために尊き命を捧げられた英霊(えいれい)に感謝の誠を捧げるのは、今の世を生きる私たちの使命ではないでしょうか。

東洋の小国が世界第3位の経済大国にまで成長したのは、先人の努力、その基盤があってこそのことであり、そのことを忘れてはいけません。

私たちは日々、安心して暮らしていると「平和とは何か」ということを考える暇もなく、ある意味〝平和ぼけ〟をしていると思われます。

平和とは安らぎと希望であり、全国津々浦々の神社、ましてや靖國神社では一年中そのことを祈っています。

神社には上記のことを理解するためのパンフレットを用意してありますので、どうぞご覧下さい。

夏越大祓のご案内

2015年5月25日 月曜日

早くも来週は水無月を迎えますが、社務所では6月晦日(みそか)に執り行う「夏越大祓」(なごしのおおはらえ)の準備を進めています。

茅の輪(昨年)

茅の輪(昨年)

毎年6月と12月、半年ごとに行っていますが、水無月の祓では罪禍を祓う「茅の輪くぐり」神事があります。

麻苧と木綿

祓物

古くは罪の代わりとなる「贖物」(あがもの)として、「白和幣」(しろにぎて)「青和幣」(あおにぎて)を衣服の料として神さまに差し出しました。

当社では「祓物」(はらえつもの)として、木綿(ゆう)にあたる晒(さらし)と麻布にあたる麻苧(あさお)を用い、神事で八つに取りさく作法を行います。

茅輪守

茅輪守

暑い夏を無事に乗り越え、お盆に穏やかにご先祖さまを迎えるためにも、半年間の罪穢を祓うのは古くからの生活の祈りです。

期間限定の「茅輪守」(ちのわまもり)を頒布(はんぷ)するため、現在その奉製(ほうせい)作業も進めています。

大祓神符と疫神齋

大祓神符と疫神齋

氏子・崇敬者にお届けする「人形」(ひとがた)の準備も進めていますが、お申し込みは社務所までお願いいたします。

人形 (昨年)

人形(昨年)