2020年6月 のアーカイブ

〝輪くぐり〟で疫病退散

2020年6月17日 水曜日

日差しが強かったものの湿度は高くなく、木陰では風が心地良い一日でした。

さて、昨日に続き、茅の輪(ちのわ)づくりの2日目です。

今日は選別した青々とした茅(かや)を配分して、棕櫚縄(しゅろなわ)で直径3メートルの輪に巻いていく作業です。

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遠い神代の昔、スサノヲノミコトが旅の途中で、蘇民将来(そみんしょうらい)・巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟に一宿を求めたところ、裕福な弟の巨旦はこれを拒んだのに対し、兄の蘇民は貧しいながらも厚くミコトをもてなしました。

ミコトは御礼として悪疫退散の「茅の輪」の作り方を蘇民に教え、小さな茅の輪を腰につけさせると、蘇民一家はその年流行した悪疫から逃れることができました。『備後国風土記』

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古くから伝わるこの故事(こじ)に因(ちな)み、全国の神社では旺盛(おうせい)な生命力をもつ茅で茅の輪をつくり、輪くぐりを行ってきました。

「茅の輪くぐり」は、知らず知らずに積もった罪・穢(けが)れを祓い清めて健やかな心身に立ち返るためものですが、特に本年は流行病(はやりやまい)の退散(たいさん)を願うものです。

心を鎮め、左・右・左と8の字にくぐってお参り下さい。

茅の輪づくり

2020年6月16日 火曜日

今日は午前中の出張祭典を終えて、午後から茅の輪づくりの準備です。

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神社の茅場(かやば)に上がると、数日の暑さと雨のお蔭もあってか、先ず先ずの生長状況でした。

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刈り取った茅を綺麗に整え、軽トラックいっぱいに積込み神社に持ち帰りました。

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明日は藁(わら)を巻いて下ごしらえした輪に、青々とした茅を巻いて完成予定です。

虫による害のないよう

2020年6月14日 日曜日

兼務社の祭事に向かう途中、地域の耕地では多くの生産者が集まって相談している姿が見られました。

帰りに同じ道を通ると、多くの田んぼで除草剤の散布が行われていました。

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さて、今朝は真田神社(平塚市真田)で月次祭(つきなみさい)に併せて虫送祭(むしおくりさい)の祝詞を奏上しました。

農作物を守護する神さまに虫による害がもたらされないよう祈り、古くより伝わる特製の「虫除守」(むしよけまもり)を生産者に頒布(はんぷ)しました。

稲を食べる害虫として知られる「蝗」(いなご=稲子)は、『古語拾遺』(こごしゅうい)には「おおねむし」の名で見られます。

その他、浮塵子(うんか)や椿象(かめむし:亀虫)が稲の害虫として知られ、総称して稲虫(いなむし:蝗)といわれるようです。

最近のニュースで「蝗害」(こうがい)という言葉を耳にしますが、生活条件の変化によって相変異(そうへんい)を起こす一部のバッタ(飛蝗・蝗虫)の大量発生による災害をいうようで、アラビア半島やアフリカ、西アジアなどでサバクトビバッタの大発生による農作物被害が深刻な問題となっています。

神さまの恵み

2020年6月13日 土曜日

コロナ禍による影響はあっても、清浄を旨とする神社にあっては、日々の清掃整備は重要な職務です。

神社は鎮守の杜(もり)によって荘厳な雰囲気を保っていますが、尊い立木(たちき)に敬愛、親しみの念を抱くものです。

天地(あめつち)の中に満ちたる草木まで神のすがたと見つつ恐れよ 卜部兼邦

さて、昨日は植木職人により、枝の剪定(せんてい)作業が行われました。

豊後梅(ぶんごうめ)の実が熟し始めたこともあり、神さまの恵みをありがたく収穫しました。

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時鳥の聞き做し

2020年6月12日 金曜日

今日の境内では、夏鳥のホトトギス(時鳥・杜鵑・霍公鳥・郭公・子規・不如帰・蜀魂・杜宇・田鵑・沓手鳥など)の雄(おす)が「キョッキョッキョキョキョキョ」[他に「テッペンカケタカ」「ホゾンカケタカ」「特許許可局」などと聞き做(な)す]と鳴いていました。

『万葉集』に「霍公鳥(ほととぎす)来(き)喧(な)く五月(さつき)に」とありますが、正(まさ)しく〝喧(かまびす)しい〟(やかましい・さわがしい)という印象です。

春に鶯(うぐいす)の鳴き声をよく耳にしましたので、その巣に托卵[たくらん;他種の鳥の巣に産卵し、その鳥に抱卵(ほうらん)・育雛(いくすう)させること]したのかもしれません。

花札「藤に杜鵑」

花札「藤に杜鵑」

この鳥は卯月鳥(うづきどり)、早苗鳥(さなえどり)、文目鳥(あやめどり)、橘鳥(たちばなどり)、妹背鳥(いもせどり)、黄昏鳥(たそがれどり)、偶鳥(たまさかどり)、時つ鳥、田長鳥(たおさどり)、勧農鳥(かんのうちょう)、夕影鳥(ゆうかげどり)、夜直鳥(よただどり)、魂迎鳥(たまむかえどり)、死出田長(しでのたおさ)と数多(あまた)の異名をもつことでも有名です。

多くの和歌に詠(よ)まれ、古典文学や漢詩(かんし)に登場する印象深い鳥でということが分かります。

図鑑などを見ると毛虫(けむし)を好んで食すようで、ありがたい反面、樹木の消毒も気に掛けなければならない時期です。

邪気を祓う

2020年6月11日 木曜日

7月は兼務社の例祭が3社ありますが、春と同様で祭典のみになっています。

また、今日は兼務社の役員さんが祭礼(9月)の相談でお参りになりました。

季節を二期に分けて行う大祓は、参列者数の相違が考えられますが、本務社を含めた8社で執り行う予定です。

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さて、当地も梅雨入りを迎えましたが、予定していた地鎮祭等の出張祭典は、ご加護により予定通りに奉仕することができました。

一方で神社の境内は雨の影響もあり、初宮参り等の予約祈祷や御朱印めぐり以外は参拝者も少なく、静かな一日でした。

狛犬(こまいぬ)は邪気(じゃき)を祓う存在ですが、雨に濡れてもどっしりと構え、変わらずにその役割を担い続けています。

入梅

2020年6月10日 水曜日

広く中国地方や近畿、東海で梅雨入りしたとみられるようですが、暦に記される雑節(ざっせつ)で「入梅」(にゅうばい)にあたります。

明日は当地も雨の予報が出ていて、関東甲信地方もいよいよ梅雨入りでしょうか。

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梅雨は「梅の雨」「黄梅(こうばい)の雨」「黴雨」(ばいう)「梅霖」(ばいりん)とも表現され、詩的には「梅のつぶやき」とも詠(よ)まれるようですが、庭の梅もそろそろ熟してきました。

この時期は身長以上に伸びて、紅・白・紫などの花を咲かせる立葵(たちあおい)を目にしますが、別称を「梅雨葵」(つゆあおい)ともいうようです。

「五月雨」(さみだれ)は田植えに欠かせぬ貴重な「水取雨」(みずとりあめ)ですが、新型感染症の影響で続く巣籠(すごも)り生活に加え、霖雨(りんう=長雨)による「梅雨籠」(つゆごもり)となりそうです。

明日は出張祭典が重なるため、万全の支度を調(ととの)えて出向きますが、「梅雨時」(つゆどき)ゆえ覚悟して奉仕にあたりたいと思います。

*参照『雨のことば辞典』『現代こよみ読み解き事典』

「茅の輪守」の授与

2020年6月9日 火曜日

今月に入ってから、夏越大祓(なごしのおおはらえ)についての問い合わせが増えています。

5月20日のブログ「不祥を解除」に掲載しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して、本年に限り神事を7月25日(土)午後2時に執り行います。

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従いまして、積もり積もった罪や穢(けが)れを移す「人形」(ひとがた)の社頭配布も7月に入ってからとなります。

但し、限定奉製(ほうせい)の「茅の輪守」(ちのわまもり)は、本日から授与所(じゅよしょ)で頒布(はんぷ)を始めました。

悪疫退散(あくえきたいさん)・厄災消除(やくさいしょうじょ)の願いを込めて、神職が一体ずつ丁寧に奉製しています。

茅の輪守

茅の輪守

自宅や職場の神棚や玄関、門戸などにおまつりして、厄難(やくなん)が降りかからぬようお祈り申し上げます。

草刈りと枝下ろし

2020年6月7日 日曜日

今日は以前より計画されていた役員・総代奉仕による草刈りが行われました。

草の生長が著しい時期を選んで行われていますが、招魂社周辺や土手、元宮周りがすっきりとして綺麗になりました。

その後の会議において、秋口までの予定や計画について確認しました。

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続いて、午後からは立木の枝下ろし作業が行われました。

本殿や神輿殿の屋根に枝がかかり、屋根を傷める可能性もあるため、急遽役員に協力を仰ぎましたが、惜しみない力添えを得て無事に事が進められました。

第一義としては屋根を守るためですが、最近は本殿周りを巡る参拝者も多く、とても明るくなりました。

おみくじ再開

2020年6月6日 土曜日

本日現在、御神前の鈴緒(すずお)や鐘楼(しょうろう)の鐘撞(かねつ)き、手水舎(てみずや)の柄杓(ひしゃく)利用につきましては、感染症予防につき控えております。

また、御朱印は書置き対応、郷土博物館は閉館中ですが、昨日より箱類の「おみくじ」のみ再開させて頂きました。

社殿における御祈祷や出張祭典では、マスク着用にて祭儀奉仕をしておりますので、御参列の皆様も必ずマスクの着用をお願い致します。

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今日も一組ずつながら、厄災消除や初宮詣、安産祈願等の御祈祷を楷書のようにくずさない形で丁寧にお仕えし、祝詞(のりと)の結びには疫病除けの祈りを言霊(ことだま)に込めて神前に捧げています。