‘博物館’ カテゴリーのアーカイブ

飯田九一

2014年12月10日 水曜日

酒祭(11月6日)では新酒の醸造安全を祈願しましたが、氏子の蔵元(吉川醸造)から今年も特別限定酒が届きました。

正月期間は御神酒として参拝者に振る舞う予定です。

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このラベルの絵は、神奈川県に所縁(ゆかり)の深い日本画家・俳人・俳画家である飯田九一氏(いいだくいち:明治25年-昭和45年)によるものです。

飯田九一氏は、橘樹(たちばな)郡大綱村(現在の横浜市港北区の一部)に生まれ、父・快三氏は大綱村長や神奈川県議会議員を務めた人です。

氏は俳諧関係の収集家でもあり、それらは県立図書館に保管されています。また、県内の社寺には多くの句碑が残されています。

昭和36年 辛丑 年賀状

昭和36年 辛丑 年賀状

坪井正五郎の人柄

2014年11月26日 水曜日

昨日に続き、冷たい雨と風の強い一日です。

この雨の中、『坪井正五郎-日本で最初の人類学者』の著者・川村伸秀氏を始め、茅ヶ崎市内に住む方々7名が訪ねて来られました。

坪井正五郎企画展(平成27年5月予定・茅ヶ崎市立図書館)開催にあたり、当社に残る書簡の調査とのことでした。

左:明治34年正月 右:明治40年正月

左:明治34年正月 右:明治40年正月

坪井正五郎は、文久3年(1863)江戸生まれの人類学者で、モースの大森貝塚発見に影響を受けて考古学に興味を持ったとされ、考古学の草分け、日本の人類学の始祖といわれる人物です。

東京大学教授として、現在の自然人類学、文化人類学、民俗学、考古学と幅広い研究を重ね、石器時代住民=コロボックル説を唱えたことで知られます。

当社周辺は古代文化発祥の地であり、考古学研究のため何度も足を運んだものと考えられます。

三之宮郷土博物館には、先々代宮司との親しい縁を感じる書簡が残されています。

その内容は真面目な研究者とは異なるユニークな一面を知ることができます。

外国からのお参り

2014年9月18日 木曜日

本日は厚木市からバスによる団体参拝があり、三之宮郷土博物館や神輿殿、下谷戸縄文遺跡などをゆっくりと見学されました。

また、外国人女性の方がお参りになり、博物館を熱心に見学され、質問が近隣の古墳などにも及びました。

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一般社団法人伊勢原市観光協会から外国人向けのフリーペーパーが届き、頁をめくると当社についても英語と中国語で紹介されていました。

11月には外国人男性の結婚式が予定されています。

神社の魅力、伊勢原の良いところ、日本の素晴らしさなど、〝 ・・・ らしさ 〟を伝えられるように、これからも真心をこめたいと思います。

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- 参拝の作法 -

How to worship

参拝は真心をこめて行いましょう。

Please worship with sincerity.

1.浅く拝礼して、[鈴の緒を大きく振り、]お賽銭を奉納し、心を澄まします。

Make a slight bow.[Rattle the bell by shaking the rope.]

Place a monetary offering in the box and compose yourself.

2.そして二度深く拝礼します。

Bow twice deeply.

3.次に二度拍手をします。

Clap your hands slowly.

4.そしてもう一度深く拝礼します。

And bow once deeply.

『 神社関係用語英訳語参考例集 』 ( 神社本庁 ) より

企画展出陳

2014年9月11日 木曜日

昨日は、神奈川県立歴史博物館で開催される遺跡展「発掘された御仏と仏具-神奈川の古代・中世の仏教信仰-」(12月6日-1月18日)にあたり、県教育委員会から出品の依頼と事前調査がありました。

今回の企画展では仏教関連の遺跡が出陳されますが、三之宮郷土博物館所蔵の「銅鋺」(どうわん:仏具)を始め、境内の経塚(きょうづか)から出土した「経筒」(きょうづつ)や「古瀬戸四耳壺」(こせとしじこ)、「丸瓦」(まるがわら)などを貸し出し予定です。

銅鋺

銅鋺

銅鋺は神社の西側に位置する登尾山古墳(とおのやまこふん:市教委・文化財サイト)から、装飾大刀(そうしょくたち)、馬具一式、銅鏡などとともに出土したものです。

相模国からの出土例は4例(小田原・秦野・伊勢原・横須賀)であり、高台(こうだい)付きで蓋(ふた)を伴うのは唯一例です。

仏教の広がりとともに古墳がその存在意義をなくしていきますが、副葬品の銅鋺には、「法具」(ほうぐ)としてというより、埋葬者の「権力の象徴」として納められたものと考えられています。

いずれにしても、仏教文化をもたらす貴重な資料であることは間違いありません。

経筒

経筒

経筒は経典(きょうてん)を入れて納めたもので、円筒形・六角形・八角形で、青銅製・金銅製・鉄製・陶製・石製などがあります。

境内の経塚から出土した経筒は丸瓦に包まれて発見されたこともあり、保存状態がとてもよいものです。

後日、出品のための写真撮影があり、あらためて展示会のお知らせを致します。

元気なシニア世代

2014年8月20日 水曜日

広島市内では集中豪雨による土砂災害が発生し、多くの尊い命が失われました。

御霊の平安をお祈り申し上げますとともに、罹災(りさい)に遭われた方々にお見舞い申し上げます。また、救助活動が順調に捗(はかど)ることを願うばかりです。

さて、当地では引き続く残暑に〝 閉口頓首 〟(へいこうとんしゅ)といったところです。

しかしながら、午前中はマンスリーウォーキング(伊勢原市教育委員会スポーツ課)、午後は文化財めぐり(厚木市文化財保護課)が実施されました。

マンスリーウオーキング

マンスリーウオーキング

元気なシニア世代は、約2時間のウォーク「県立いせはら塔の山緑地公園めぐり」を無事に終えて神社に再び戻って来ました。

文化財探訪

文化財探訪

また、文化財めぐりでは、浄発願寺(伊勢原市日向)、日向薬師(伊勢原市日向)を経て、当社へとお参りになりました。

当社の説明

木陰で由緒説明

熱心で意欲的なシニア世代の元気さに驚く一日でした。

探求

2014年7月16日 水曜日

昨日は自修館中等教育学校に通う前期課程の1年生7名が、引率教諭とともにフィールドワーク(ルポルタージュ学習)のため来社しました。

同校には「探求」という総合科目が設けられ、テーマに基づく調査・研究を重ね、様々な考察力・学究心を育むことに主眼をおいているそうです。

この度は伊勢原市の歴史や文化財、遺跡などについての訪問取材でした。

郷土博物館での学習

郷土博物館での学習

三之宮郷土博物館を見学をした後に、当館の文化財についての説明、また事前に準備された多くの質問に対してお答えしました。

その後、神社裏の下谷戸縄文遺跡環状列石及び住居跡、宮ノ前遺跡、らちめん古墳を案内しました。

水や電気は当たり前、スマートフォンを自由に使う時代において、縄文時代や弥生時代、古墳時代などの生活様式に思いを巡らすことは大変ですが、想像力を働かせることにより様々なものが見えてきます。

今後とも体験を大切に、調査・研究を重ねながら、探求する力を養って欲しいと思います。

環頭大刀

2014年5月21日 水曜日

近隣の田んぼでは田植えの準備が始まりましたが、今日の雨は水不足を解消する恵みとなったでしょうか。

境内も雨に包まれた静かな一日となりました。

さて、京都大学から装飾大刀(そうしょくたち)の調査で研究生がやって来ました。

古墳の副葬品(ふくそうひん)では、被葬者の階級が最も高いとされるのが装飾大刀です。

さらにその中でも環頭(かんとう)大刀が最も貴重とされています。

相模国内からは金銀で飾られた装飾大刀が20数例見つかっていますが、環頭(かんとう)大刀は南足柄の2例、伊勢原市の2例、海老名市と藤沢市のを合わせて6例しかありません。

そして最も古く技法が精巧なのが、三之宮郷土博物館収蔵の環頭大刀把頭(かんとうたちつかがしら:伊勢原市指定文化財)です。

環頭大刀把頭

環頭大刀把頭 三之宮郷土博物館収蔵

この把頭は大正時代に栗原古墳(三ノ宮)近くで耕作中に発見されたものです。

古墳時代(4~7世紀)末期のものと考えられ、まさしく権力の象徴とされる儀仗(ぎじょう)用です。

金銅製(こんどうせい)の鋳造品(ちゅうぞうひん)で、楕円形の環の中に龍の頭部を配したもので、鍍金(ときん)が鮮やかに残っています。

小学生歴史体験教室

2014年5月15日 木曜日

皐月(さつき)も折り返しの15日を迎え、月次祭(つきなみさい)を斎行し、皇室の御安泰、国の安寧、氏子崇敬者の安全と発展を祈り上げました。

雨で順延となっていた公民館講座「小学生歴史体験教室」が開催され、比々多小学校の6年生4学級が2班に分かれてやって来ました。

下谷戸遺跡の見学

下谷戸遺跡の見学

教育委員会文化財課職員の説明のもと、例祭(4月22日)や国府祭(5月5日)で通る「化粧塚」(けしょうづか)から始まり、三ノ宮「下尾崎遺跡」の横穴墓(おうけつぼ)、県内最大級の円墳「埒面古墳」(らちめんこふん)を経て、境内に移築された「下谷戸縄文遺跡環状列石及住居跡」(しもやとじょうもんいせきかんじょうれっせきおよびじゅうあと)などを歩いて見学しました。

三之宮郷土博物館

三之宮郷土博物館

最後は三之宮郷土博物館内の文化財をゆっくりと見学し、それぞれ熱心に見入ったりメモを取っていました。

「三ノ宮の歴史の古さを知った」「太刀を大刀と書くのがわかった」「12000年前の土器が見られた」「鉄と銅、銅と金が仲が良いのが学べた」など、具体的な感想がありました。

郷土の歴史に興味をもつとともに、愛着がわく機会になったのではないでしょうか。

金目川と国府祭

2014年4月24日 木曜日

皮肉なもので昨日は好天となりました。

朝から自治会、青年会、総代が参集してそれぞれの片付けを行いましたが、幟(のぼり)やテントも綺麗にしまうことができました。

本日も細かな片付けと御礼挨拶回りであっという間の一日でした。

読売新聞 23日

読売新聞 23日

さて、次は国府祭(こうのまち:5月5日・県無形民俗文化財)に向けた準備です。

相模国(さがみのくに)の成立を物語る祭政一致の祭儀ですが、国府の地(大磯)に六社(総社:六所神社、一宮・寒川神社、二宮・川勾神社、三宮・比々多神社、四宮・前鳥神社、一国一社・平塚八幡宮)が集まり、古式ゆかしく合同祭典が繰り広げられます。

国府祭 守公神

国府祭 守公神

皇紀2600年(昭和15年)の佳節に、お揃いで調えられた白木の神輿が練り歩きます。

今年は当社では三ノ宮が年番(三ノ宮→栗原→神戸)となります。

eco当社のお神輿は金目観音(平塚市南金目)で安息を取りますが、金目敬神講や金目川での禊(みそぎ)の様子が、エコミュージアムまるごと金目博物館平塚市博物館の特別展「水と生きる里」(3月15日-5月11日)で取り上げられていますので、どうぞご覧ください。

バスで博物館見学

2014年3月28日 金曜日

大安吉日、戌の日の今日は、朝から諸祈願や外祭(出張祭典)で賑わいの一日となりました。

初宮参り おめでとうございます

初宮参り おめでとうございます

当社で3年前に結婚式を挙げられたご夫妻も子供を授かり、安産祈願でお見えになりました。

交通安全祈願祭 御神水でお清め

交通安全祈願祭 御神水でお清め

また、埼玉県ふじみ野市から郷土文化研究会の皆様(50名)が大型バスでお参りになりました。

ふじみ野市伊勢原市と人口規模(約10万人)がほぼ同じで、小河川域に遺跡が多く、市内からは2万7千年前のナイフ型石器が見つかっています。そして、歴史民俗資料館や郷土資料館を有しています。

今回の目的は三之宮郷土博物館の見学で、時間をかけてゆっくりとご覧になっている様子が印象的でした。

ふじみ野郷土研究会

ふじみ野郷土文化研究会の皆様

帰り際、駐車場で桜(河津桜・ソメイヨシノ・四季桜)を眺めていました。

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