相模国三ノ宮・比々多神社

環頭大刀

近隣の田んぼでは田植えの準備が始まりましたが、今日の雨は水不足を解消する恵みとなったでしょうか。

境内も雨に包まれた静かな一日となりました。

さて、京都大学から装飾大刀(そうしょくたち)の調査で研究生がやって来ました。

古墳の副葬品(ふくそうひん)では、被葬者の階級が最も高いとされるのが装飾大刀です。

さらにその中でも環頭(かんとう)大刀が最も貴重とされています。

相模国内からは金銀で飾られた装飾大刀が20数例見つかっていますが、環頭(かんとう)大刀は南足柄の2例、伊勢原市の2例、海老名市と藤沢市のを合わせて6例しかありません。

そして最も古く技法が精巧なのが、三之宮郷土博物館収蔵の環頭大刀把頭(かんとうたちつかがしら:伊勢原市指定文化財)です。

環頭大刀把頭

環頭大刀把頭 三之宮郷土博物館収蔵

この把頭は大正時代に栗原古墳(三ノ宮)近くで耕作中に発見されたものです。

古墳時代(4~7世紀)末期のものと考えられ、まさしく権力の象徴とされる儀仗(ぎじょう)用です。

金銅製(こんどうせい)の鋳造品(ちゅうぞうひん)で、楕円形の環の中に龍の頭部を配したもので、鍍金(ときん)が鮮やかに残っています。

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