相模国三ノ宮・比々多神社

企画展出陳

昨日は、神奈川県立歴史博物館で開催される遺跡展「発掘された御仏と仏具-神奈川の古代・中世の仏教信仰-」(12月6日-1月18日)にあたり、県教育委員会から出品の依頼と事前調査がありました。

今回の企画展では仏教関連の遺跡が出陳されますが、三之宮郷土博物館所蔵の「銅鋺」(どうわん:仏具)を始め、境内の経塚(きょうづか)から出土した「経筒」(きょうづつ)や「古瀬戸四耳壺」(こせとしじこ)、「丸瓦」(まるがわら)などを貸し出し予定です。

銅鋺

銅鋺

銅鋺は神社の西側に位置する登尾山古墳(とおのやまこふん:市教委・文化財サイト)から、装飾大刀(そうしょくたち)、馬具一式、銅鏡などとともに出土したものです。

相模国からの出土例は4例(小田原・秦野・伊勢原・横須賀)であり、高台(こうだい)付きで蓋(ふた)を伴うのは唯一例です。

仏教の広がりとともに古墳がその存在意義をなくしていきますが、副葬品の銅鋺には、「法具」(ほうぐ)としてというより、埋葬者の「権力の象徴」として納められたものと考えられています。

いずれにしても、仏教文化をもたらす貴重な資料であることは間違いありません。

経筒

経筒

経筒は経典(きょうてん)を入れて納めたもので、円筒形・六角形・八角形で、青銅製・金銅製・鉄製・陶製・石製などがあります。

境内の経塚から出土した経筒は丸瓦に包まれて発見されたこともあり、保存状態がとてもよいものです。

後日、出品のための写真撮影があり、あらためて展示会のお知らせを致します。

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