‘なぜ?なに?’ カテゴリーのアーカイブ

狛犬

2011年3月9日 水曜日

神社に参拝すると、参道の両脇などで “ にらみ ” をきかせているのが「狛犬」(こまいぬ)です。高麗犬・胡麻犬と書くこともあります。

神社の境内では、石造のものを目にすることが多いですが、社殿内部で見られる木彫や陶製、また金属製のものもあります。

比々多神社の狛犬

比々多神社の狛犬

比々多神社『天保社伝記』には、「何人ノ作ナルコトヲシラズ」とありますが、高さ1尺3寸余り、古を帯びていて、石造・金属製にはない木彫ならではの柔軟な味わいが深く、当時(7世紀頃)の彫刻技術を今に伝えます。頭の巻毛(まきげ)が簡素で、四股(しこ)は長め、現在の狛犬は頭が大きいのに比べ、身体の均整がよく調和して、逞(たくま)しさの中にも軽快さと品位が感じられます。関東最古の狛犬ともいわれています。

こま犬・あま犬(市重文指定)

こま犬・あま犬(市重文指定)

宮中では、御簾(みす)や几帳(きちょう)の裾(すそ)に、鎮子(ちんす=重し)として木彫の狛犬一対を置いていたそうです。

平安時代の『類聚雑要抄』(るいじゅうぞうようしょう)には、「左獅子 於色黄 口開 右胡麻犬 於色白 不開口在角」と記されています。つまり、左が獅子で口を開き、右が狛犬で口を閉じ角があるということです。この、左とは神さまから見てのことなので、向かって反対ということです。

狛犬の材質や形、表情などは時代や地域などにより様々です。

それでは、全国の神社で出会った狛犬の一部をご紹介いたします。

大崎八幡宮(宮城県)

大崎八幡宮(宮城県)

志波彦神社(宮城県)

塩竈神社(宮城県)

塩竈神社(宮城県)

志波彦神社(宮城県)

真山神社(秋田県)

真山神社(秋田県)

雄山神社・中宮(富山県)

雄山神社・中宮(富山県)

大洗磯前神社(茨城県)

大洗磯前神社(茨城県)

香取神宮(千葉県)

香取神宮(千葉県)

湯島天満宮(東京都)

湯島天満宮(東京都)

秋葉山本宮秋葉神社(静岡県)

秋葉山本宮秋葉神社(静岡県)

日吉大社(滋賀県)

日吉大社(滋賀県)

北野天満宮(京都府)

北野天満宮(京都府)

梅宮大社(京都府)

梅宮大社(京都府)

八坂神社(京都府)

八坂神社(京都府)

八重垣神社(島根県)

八重垣神社(島根県)

津峯神社(徳島県)

津峯神社(徳島県)

住吉神社(福岡県)

住吉神社(福岡県)

普天間宮(沖縄県)

普天間宮(沖縄県)

宮古神社(沖縄県)

宮古神社(沖縄県)

早春花に生命を感じる

2011年3月6日 日曜日

駐車場脇の路地や地面に目を落とすと、コバルトブルーの小さい花が密生して花を開いていました。早春を伝える可憐な「オオイヌノフグリ」(大犬の陰嚢)です。実が犬のタマタマに似ていることから名付いたようです。4枚の花弁は、夕方には閉じてしまう1日花ですが、虫媒しなくても、雄しべが雌しべにくっついて花粉をこすりつける(自家受粉)そうです。足下に生える雑草ながら、生命力を感じます。

オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリ

日本神話では、イザナギ・イザナミの夫婦神が、国土である島々を生み、海や山、川や木の神を始め多くの神々を生みました。山川草木に神さまが宿るという日本人の信仰の原点です。

イザナギ・イザナミの国生み

イザナギ・イザナミの国生み

イザナミが火の神を生んで命を失うと、イザナギは黄泉(よみ)の国へイザナミに会いに行きます。しかしながら、その変わり果てた姿を目にして、命からがら逃げ帰ります。

黄泉の国の出口で、イザナミが「あなたの国の人を黄泉の国に、1日1,000人呼び込みましょう」というと、イザナギは「それなら、毎日1,500の産屋を建てて、1,500人の生命を誕生させましょう」といいました。この世では、1日1,000人の人が命を失っても、1,500人の新しい命が誕生することになりました。

みそぎが池(宮崎)

宮崎県・みそぎが池

古事記神話で、「つくしの日向(ひむか)の橘(たちばな)」といわれる禊池(みそぎいけ)

 

また、死の国である黄泉から生き返った行為や禊祓(みそぎはらい)により生き返ることを「甦り」(よみがえり)といいます。

人間はもちろんのこと、動植物の命は1度限りです。しかしながら、親からいただいた命を子どもに残す生命力は、まさに “ 不連続の連続 ” といえる「甦り」そのものといえます。

天皇陛下御即位20年奉祝植樹 「櫟」(いちい) 

天皇陛下御即位20年奉祝記念植樹 八剱神社 

祈年祭で伺った八剱神社(平塚市上吉沢)の境内には、天皇陛下御即位20年を奉祝して、記念に植えた「櫟」(いちい)の苗木が少し背丈を伸ばしていました。

氏神さま

2011年3月6日 日曜日

 今日は、冬ごもりの虫が這い出る二十四節気(にじゅうしせっき)の1つ「啓蟄」(けいちつ)。気温が15度くらいまで上がるとの予報でしたが、朝は冷たい空気が張っていました。

庭先の「蕗の薹」(ふきのとう)は花が咲き始めています

庭先の「蕗の薹」(ふきのとう)は花が咲き始めています

伊勢原市では「市民総ぐるみ清掃デー」の日にあたり、我が家でも家族総出で西谷戸組(にしやとぐみ)の皆さんとともに、いい汗をかきました。
昔から農耕を主体としてきた日本人の生活リズムからいうと、立春を過ぎ、神社では祈年祭(きねんさい)を迎えて、春の始め、一年のスタートを切ったところですが、行政と同様、自治会も年度末を迎え、組長も交代となります。日本人の折り目正しさを感じる時期でもあります。
 
 
さて、私たちの日々の暮らしに密接なつながりをもつのが氏神(うじがみ)さまです。四季折々、また人の成長の折り目ごとに、祈りと感謝の真心を捧げる地域の神さまが氏神さまです。
神社本庁 では、暮らしに生きる神道シリーズ6「氏神さま」を発行いたしました。
 
氏神さま
氏神さま

とても分かり易いリーフレットです。ご希望の方には、社務所で頒布(無料)いたします。

祓所(はらえど)での自動車清祓

祓所(はらえど)での自動車清祓

 年度末ともなると、新車(車やオートバイ)購入に伴い、事故防止祈願とともに、お清めのお祓いで参拝者が増えます。

地鎮祭 おめでとうございます

地鎮祭 おめでとうございます

家屋の新築にあたり、土地を祓い清め、土地の神さまのご加護のもと、工事が安全且つ順調に推移することを願うのが地鎮祭です。

雛まつり

2011年3月3日 木曜日

あかりをつけましょ ぼんぼりに お花をあげましょ 桃の花

 五人ばやしの 笛太鼓 今日は楽しい ひな祭り   ♪ ♪

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今日は桃の節句。上巳(じょうし=旧暦3月上旬巳の日)の節句ともいわれます。女児のいる家庭では、雛人形や調度類を飾り、白酒・菱餅(ひしもち)・あられ・桃の花などを供えて、女の子の健やかな成長を祈る家庭行事です。

古くは禊(みそぎ)をして穢(けが)れを祓う習慣があり、紙や土で人形をつくり、川や海に流していましたが、時代の推移で次第に立派なものに変わり、飾って鑑賞するようになったようです。各地に残る「流し雛」(ながしびな)の風習がこれです。本格的な農事に入る前の身を清める意味合いもあったようです。

女の子が生まれて初めて迎える節句を初節句といいますが、母親の実家から雛人形や調度品を贈り、お祝いをするのが習わしです。

時代の趨勢により、段飾りはデパートやホテルなどの広いところで見かけるものとなりましたが、家庭の行事としてお祝いをすることの大切さだけは、子どもに伝えていきたいものです。

風の神さま

2011年2月25日 金曜日

ニュージーランド南島・クライストチャーチ付近で起こった大規模地震では、多くの方々が尊い命を失いました。謹んで哀悼の意を表するとともに、依然行方のわからない日本人留学生の早期無事発見をお祈り申し上げます。

今日は、強い南寄りの風「春一番」がかけぬけました。温度の急な上昇が見られましたが、明日は再び冷え込みそうです。

地鎮祭 おめでとうございます

地鎮祭 おめでとうございます

外で行う出張祭典は、場所によっては強風に気を揉みながらのご奉仕となりました。

春一番は漁師の人たちから起こった言葉といわれますが、昔から気象状況を感じながら生活をしてきた私たちにとって、風は暮らしの重要な指針となっています。

さて、「シナツヒコ」は風を司る神さまで、古事記には「志那都比古神」、日本書紀には「級長津彦命」と記されるイザナギノミコト・イザナミノミコトの子神です。

奈良県生駒郡(いこまぐん)に鎮座する「龍田大社」(たつたたいしゃ)は、天御柱命(あめのみはしらのみこと)・国御柱命(くにのみはしらのみこと)と称される風神をおまつりするお宮で、五穀豊穣や交通を左右する神さまといわれています。

当社のお隣り、二宮・川勾(かわわ)神社では、風を司る対の神さま「級長津彦命」(しなつひこのみこと)「級長津姫命」(しなつひめのみこと)をおまつりしています。

相武(さがむ)と磯長(しなが=師長)が合わさって相模国が成立しましたが、5月5日の国府祭(こうのまち:県無形民俗文化財指定)で行われる特殊神事「座問答」(ざもんどう)では、寒川神社と川勾神社が、一宮を争って神さまの座を交互に上位に進めること三度、ついに三宮である当社が仲裁に入り、「いづれ明年まで」と円満解決、和を以て次の年にもちこされます。

この磯長(しなが)を開拓したとされる神さまが前述の2柱の神さまともいわれています。

鎌倉時代の蒙古襲来(もうこしゅうらい)の折、2度(文永・弘安の役)にわたり元艦(げんかん)を大風によって沈めさせた大風を神風(かみかぜ)と称します。

「神風や」(「かみかぜ」は「かむかぜ」の転じたもの)は、「伊勢」「五十鈴川」(いすずがわ)「御裳濯川」(みもすそがわ)「玉串」(たまぐし)などの “ お伊勢さま ” に関わる枕詞(まくらことば)です。

統一地方選が近づき、明日から後援会事務所開きがあります。選挙も様々な意味で風が重要となります。

職能神

2011年2月22日 火曜日

今日の境内は、春疾風(はるはやて)というか、まだ冷たい強い風が吹いています。

毎年、立春過ぎに伺う不動産屋さんで、例年通り年頭安全祈願祭が行われました。

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不動産屋さんの立場からすると、商売繁昌や事業繁栄、社運隆昌、また社員の安全や健康などが願意の中心となるところです。

家族や友人、社員などに沢山のことを、それも一度にお願いをするのは “ 虫の良すぎる話 ” となります。神さまは大らかですから、全て聞き届けてくれますが、お願いする側の心構えとして感謝の念をもつことは大切です。

さて、神さまには、ある職能についてのご神徳(しんとく)をもち、守護してくれる職能神(しょくのうしん)または司職神(ししょくしん)というのがあります。

木の神はククノチノカミ、火の神はカグツチノカミ、土の神はハニヤスビコ(ビメ)ノカミ、金の神はカナヤビコ(ビメ)ノカミ、水の神はミヅハノメニカミなどです。

また、お稲荷さんは殖産興業、天神さんは学問、大黒さんや恵比寿さんは商売繁昌などの例があります。

もちろん、先ずは氏神さま(住む土地の神さま)にお願いをすることが肝心です。

初宮参りの起こり

2011年2月19日 土曜日

懐妊後、安産の祈願を籠めた祈願者が、無事出産したことを奉告するため、初宮参りで来られました。 

初宮参り  おめでとうございます

初宮参り  おめでとうございます

 神社本庁撰定『諸祭式要綱』によりますと、遠く鎌倉時代、朝廷において皇子の誕生を祝い、50日祝、100日祝と称して初めて内裏(だいり)に参内(さんだい)した「御行始」(みゆきはじめ)が初宮参りの起源といいます。

子どもの成育を祈願するのは、古も今も変わらない親の願いです。

室町時代には、「色直の祝」と称して、産婦産室などに白色を用いたのを平常に戻し、この日に初めて生児を食膳に向かわせ、これを「箸立」とか「喰初」(くいぞめ)、「箸揃」(はしそろえ)などといったようです。

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現在、皇室では100日目にお箸ぞめが行われています。

生後100日目(または120日目)頃の首がすわる時期に、食膳を準備して初めて子どもに食べさせる(実際には食べるまね)内祝いの儀式を「お食初め」といいます。百日(ももか)の祝い、箸初め、箸揃えなどともいい、一生幸せに育ち、食に困らないようにとの親の願いが込められています。膳には、赤飯の他に尾頭(おかしら)つきの魚や小石を入れますが、これは固い丈夫な歯が生えるようにとの祈りが込められています。

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比々多神社では、「初宮参り」のご祈願【初穂料7000円以上】の方に、「お食い初め一式」を頒布しています。

としごいのまつり

2011年2月12日 土曜日

年末から続いた乾燥を潤しながらも、寒い冷たい雪の降る昨日今日となりました。

2月17日は、五穀豊穣(ごこくほうじょう)と諸産業の繁栄を祈る「祈年祭」(きねんさい)ですが、本務社に先立ち、昨日は雷電神社(伊勢原市串橋)、本日は神明神社(伊勢原市笠窪)、八幡神社(伊勢原市坪ノ内)で斎行されました。

落幡神社祈年祭(昨年)

落幡神社祈年祭(昨年)

祈年祭は、「としごいのまつり」ともいいますが、秋の実りに感謝する新嘗祭(にいなめさい)と対の形で古くから重要なおまつりとして行われてきました。

奈良朝以降の律令制のもと、祭祀規定に従い、全国の官社(かんしゃ)に幣帛(へいはく)が奉(たてまつ)られました。平安時代中期の延喜式(えんぎしき)には、官社として2861社が登載されています。

比々多神社は、相模国(さがみのくに)の式内社(延喜式内社または式社)13座の1つに数えられます。とても由緒正しき歴史があります。

 

午前中、髙山松太郎県議会議員さんの県政報告会に出席いたしました。

文化会館大ホールは満席でした

文化会館大ホールは満席でした

来賓には、長塚幾子伊勢原市長さん、中台和子伊勢原市議会議長さん、弁士として、松沢成文神奈川県知事さん、義家弘介参議院議員さんを始め、統一地方選挙を控えた多くの市議会議員さんが出席されました。

新東名や246バイパス、大山バイパスなどの道路や県立塔の山公園整備、協同病院新築のことなど、伊勢原の近い未来像について興味深く聞いてきました。

建国記念の日

2011年2月11日 金曜日

今日2月11日は「建国記念の日」。祝日法(国民の祝日に関する法律)には、「建国をしのび、国を愛する心を養う」と記されています。

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神倭伊波礼毗古命(かむやまといわれびこのみこと)が、九州・日向(ひゅうが)から東征(とうせい)し、大和(やまと)への長い道のりの間、民を苦しめる豪族を平らげて苦難を克服し、人々の豊かで幸せな暮らしを祈り、畝傍(うねび)の橿原(かしはら)において、初代・神武(じんむ)天皇として御位(みくらい)につかれました。

日本サッカー協会のシンボルとなっている3本足の “ 八咫烏 ” (やたがらす)は、神武天皇を熊野から大和へと導いた鳥です。

日本の皇室は、世界でも類稀(たぐいまれ)なる万世一系(ばんせいいっけい)の長い歴史と伝統を誇り、今上陛下は第125代にあたります。今年は皇紀2671年(神武天皇ご即位から数えて)です。 

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 今日は、日本の建国を祝う会(神社本庁内)により、明治神宮会館(渋谷区代々木神園町・明治神宮内)において、「建国記念の日奉祝中央式典」が開催され、井尻千男氏(拓殖大学名誉教授)による「僥倖(ぎょうこう)の国日本」と題した記念講演が行われました。

また、明治公園から青山通り、表参道、明治神宮に向かい、首都圏の大学によるマーチングバンドや鼓笛隊、神輿の連合渡御などで構成された奉祝パレードが盛大に実施されました。

神奈川県でも、主催:日本会議神奈川・鎌倉明治会・神道政治連盟神奈川県本部、後援:神奈川教育正常化連絡協議会・教科書を良くする神奈川県民の会・日本世論の会神奈川県支部・新しい歴史教科書をつくる会神奈川県支部により、鶴岡八幡宮において、祈願祭・奉祝式典・記念講演が開催されました。

記念講演には、皇學館大学教授・新田均氏をお迎えして「伝統と誇りある日本」~男系皇統維持は歴史的責務~と題してお話をいただきました。

 

全国各地でも同様の催しが開催されています。建国の理想を大切に、国の安寧(あんねい)と発展を祈る一日でした。

 

紀元節の歌」(作詞:高崎正風・作曲:伊沢修二)は万葉調の品格ある詩文で、日本人のアイデンティティを感じるものです。

一、雲に聳(そび)ゆる 高千穂の 

  高根おろしに草も木も 

  なびきふしけん 大御世(おおみよ)を 

  仰ぐ今日こそ たのしけれ

二、海原なせる 埴安(はにやす)の 

  池のおもより 猶ひろき 

  めぐみの波に 浴(あ)みし世を 

  仰ぐ今日こそ たのしけれ

三、天(あま)のひつぎの 高みくら 

  千代よろずよに 動きなき 

  もとい定めし そのかみを 

  仰ぐ今日こそ たのしけれ

四、空にかがやく 日のもとの 

  よろずの国に たぐいなき 

  国のみはしら たてし世を 

  仰ぐ今日こそ たのしけれ

言霊

2011年2月9日 水曜日

冴え返る余寒なお厳しい天候ながら、今日は本当に久しぶりの雨で、潤いとお清めをいただいた気持ちです。

昨日、崇敬会員の訃報を受け、今日は神葬祭の準備にあたりました。

神葬祭では、故人の来歴を振り返り、誄詞(しのびごと)という祭詞(さいし)の中で、こもごも生い立ちに触れます。

社務所での一年祭

社務所での一年祭

神葬祭の祭詞は、人それぞれの歩みについて言の葉を添えていくため、古語辞典や辞書(現在は電子辞書)を傍らに置いて、悩みながら筆を進めていく難業です。また、通常の祝詞(のりと)の2倍から3倍以上の長文となるため、奉製に時間を要します。

本来、「祝詞=神さま」「祭詞=ご先祖さま」に聞き届けていただくためのものなので、微音で奏上(そうじょう)しても構わないわけですが、参列者に信心や理解を増していただくためにも、神職は朗朗と読み上げる必要があるのです。

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『古事記』では、雄略(ゆうりゃく)天皇が葛城(かつらぎ)山で一言主神(ひとことぬしのかみ)に出会った折、「吾は悪事(まがごと)も一言(ひとこと)、善事(よごと)も一言、言い離つ神。葛城の一言主の大神なり」といったと記されています。

『万葉集』では、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)の反歌に、「敷島(しきしま)の大和(やまと)の国は言霊(ことだま)の幸(さき)はふ国ぞ真幸(まさき)くありこそ」とあります。

日本は、言葉の霊力が幸福をもたらす国だということです。

現在のIT社会は、ブログやツイッターなど、不特定多数の人たちが無尽蔵に言葉を発しています。「言霊の幸はふ美しい国」の道義や品性を再認識すべきだと思います。

もちろん、私たち神職は、“ 挙措 ”(きょそ=立ち居振る舞い)も大切にしなければなりません。