相模国三ノ宮・比々多神社

早春花に生命を感じる

駐車場脇の路地や地面に目を落とすと、コバルトブルーの小さい花が密生して花を開いていました。早春を伝える可憐な「オオイヌノフグリ」(大犬の陰嚢)です。実が犬のタマタマに似ていることから名付いたようです。4枚の花弁は、夕方には閉じてしまう1日花ですが、虫媒しなくても、雄しべが雌しべにくっついて花粉をこすりつける(自家受粉)そうです。足下に生える雑草ながら、生命力を感じます。

オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリ

日本神話では、イザナギ・イザナミの夫婦神が、国土である島々を生み、海や山、川や木の神を始め多くの神々を生みました。山川草木に神さまが宿るという日本人の信仰の原点です。

イザナギ・イザナミの国生み

イザナギ・イザナミの国生み

イザナミが火の神を生んで命を失うと、イザナギは黄泉(よみ)の国へイザナミに会いに行きます。しかしながら、その変わり果てた姿を目にして、命からがら逃げ帰ります。

黄泉の国の出口で、イザナミが「あなたの国の人を黄泉の国に、1日1,000人呼び込みましょう」というと、イザナギは「それなら、毎日1,500の産屋を建てて、1,500人の生命を誕生させましょう」といいました。この世では、1日1,000人の人が命を失っても、1,500人の新しい命が誕生することになりました。

みそぎが池(宮崎)

宮崎県・みそぎが池

古事記神話で、「つくしの日向(ひむか)の橘(たちばな)」といわれる禊池(みそぎいけ)

 

また、死の国である黄泉から生き返った行為や禊祓(みそぎはらい)により生き返ることを「甦り」(よみがえり)といいます。

人間はもちろんのこと、動植物の命は1度限りです。しかしながら、親からいただいた命を子どもに残す生命力は、まさに “ 不連続の連続 ” といえる「甦り」そのものといえます。

天皇陛下御即位20年奉祝植樹 「櫟」(いちい) 

天皇陛下御即位20年奉祝記念植樹 八剱神社 

祈年祭で伺った八剱神社(平塚市上吉沢)の境内には、天皇陛下御即位20年を奉祝して、記念に植えた「櫟」(いちい)の苗木が少し背丈を伸ばしていました。

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