‘なぜ?なに?’ カテゴリーのアーカイブ

奥津城

2016年9月17日 土曜日

昨日は中・平塚・伊勢原連合神社総代会(中郡二宮町・大磯町、平塚市、伊勢原市、秦野市の一部に鎮座する87社・会員557名)の理事会が平塚八幡宮で開催され、今後の行事について話し合いが行われました。

来る11月17・18日には、バス3台で茨城方面に参拝研修旅行に出掛ける計画です。

higanさて、今日は霊園の墓地において、五十日祭後の埋葬祭(納骨式)や十年祭のご奉仕がありました。

上代語(じょうだいご)では墓所(ぼしょ)のことを奥津城(おくつき:奥都城)といいます。

「津」(都)は格助詞で「の」の意で、奥まったところにある区域、つまり神さまとして霊の鎮まっているところを意味します。

大伴の遠つ神祖(かむおや)の奥津城は著(しる)く標(しめ)立て人の知るべく 『万葉集』 四〇九六

明後日にはお彼岸を迎えますが、週末とあってお墓を綺麗に掃除する人たちの姿が見受けられました。

七五三について

2016年9月14日 水曜日

昨日は激しい雨に降られたものの、「戌の日」にあたり安産祈願のご祈祷がありました。

一年間の生活に四季折々の節目があるように、私たちは誕生してから成長していく過程において、様々な儀礼を経験します。

この人生のまつりを「人生儀礼」とか「通過儀礼」といいます。

昔から〝七つまでは神の子〟といわれますが、この歳までは特に様々な儀式が行われます。

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秋が深まるとともに、「七五三参り」の問い合わせが増えて来ました。

七五三は11月15日ですが、二十八宿(にじゅうはっしゅく)の鬼宿日(きしゅくにち)といって、何事のお祝いにも最良の日とされたから、5代将軍徳川綱吉の子・徳松のお祝いが行われたからなどといわれています。

七・五・三は縁起の良い陽数(ようすう)ですが、七五三縄(しめなわ=注連縄・標縄)という語に表されるように「しめる」「しるし」といった意味合いは面白いものです。

七五三御守

七五三御守

頭髪を伸ばし始める三歳男女の「髪置」(かみおき)、初めて袴(はかま)を着用する五歳男児の「袴着」(はかまぎ)、幼児用の紐(ひも)を解いて大人と同じ帯をしめる七歳女子の「帯解」(おびとき)を起源とするものですが、これまでの成長に感謝し、今後の健やかな成長を祈ることに変わりはありません。

社会状況の著しい変化とともに、その日取りは広がっていますが、収穫や実りに感謝する季節の行事ともいえそうです。

特別奉製 「 千歳飴 」

特別奉製 「 千歳飴 」

当社では随時(午前8時半~午後4時半)「七五三参り」のご祈願を承っていますが、神社の恒例行事や結婚式などにより、お待たせすることもありますので、電話(0463-95-3237)またはメール( hibita@athena.ocn.ne.jp )にてお問い合わせください。

尚、お祝いの縁起ものとして、特別奉製の「千歳飴」を授与所でお頒ちしています。

鶺鴒鳴

2016年9月12日 月曜日

八月節白露(はくろ)の次候で「鶺鴒鳴」(せきれいなく)となりました。

和歌に詠(よ)まれる古今伝授(こきんでんじゅ)の3種の鳥を「三鳥」(さんちょう)、すなわち百千鳥(ももちどり)・喚子鳥(よぶこどり:呼子鳥)・稲負鳥(いなおおせどり)というそうですが、百千鳥は鶯(うぐいす=春)、喚子鳥は郭公(かっこう=夏)・杜鵑(ほととぎす:時鳥・不如帰・子規など)、そして稲負鳥は鶺鴒(=秋)とされるようです。

『日本書紀』の一書(いっしょ)には、男神の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と女神の伊弉冉尊(いざなみのみこと)の国生みにあたり、鶺鴒(にわくなぶり=せきれいの古名)が尾を上下に振って、両神に共為夫婦(みとのまぐあい:美斗能麻具波比・溝合為夫婦・合為夫婦=婚姻・交合)を教えたと記されています。

石叩(いしたた)き、庭叩(にわたた)き、妹背鳥(いもせどり)、嫁鳥(とつぎどり)、嫁教鳥(とつぎおしえどり)、恋教鳥(こいおしえどり)、恋知鳥(こいしりどり)、道教鳥(みちおしえどり)といった異称をもつ理由が理解できます。

近隣の田んぼでは稲穂がその重みに頭を垂れて、刈り取りの時期を迎えていますが、稲の穂がふくれることを穂孕(ほばら)みというそうで、交道(とつぎのみち)を二神に教えた鶺鴒は、稲の成熟・実りをも連想させてくれます。

良縁・子授・安産・子育て

2016年8月20日 土曜日

台風9号、10号に続き、11号が発生しましたが、今日は小雨と大雨が繰り返す一日となりました。

出張祭典(地鎮祭)では雨に濡れましたが、この先3~4日は台風の影響が及びそうです。

このような日は、室内で行う様々な社務を進めています。

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天候による影響もあって、いつもに比べて御朱印の少ない土曜日となりましたが、戌の日とあって安産を願う夫婦や親子、家族連れのお参りがありました。

当社にお祀(まつ)りされる酒造神(しゅぞうしん)「大酒解神・小酒解神」(おおさかとけのかみ・こさかとけのかみ)は、大山祇神(おおやまつみのかみ)・木花開耶姫(このはなさくやひめ)であり、良縁・子授・安産・子育ての御神徳(ごしんとく)をもつ神さまです。

妊娠・出産という未知の困難に対する不安を和らげるため、人知(じんち)の及ばないところに神さまの御加護(ごかご)を願うのです。

国旗と国歌

2016年8月18日 木曜日

台風が去った後も大気が不安定な状態が続き、南の海上にある湿った空気が、突然の雨をもたらすような日々となっています。

不順な天候により体調を崩すこともありますが、こまめな水分・塩分補給を欠かさず、熱中症予防に努めるとともに、睡眠や休息を大事にしましょう。

さて、オリンピックは終盤に向かい、パラリンピックの選手が現地に向かう頃となりました。

卓球、レスリングにおける日本選手の目覚ましい活躍ぶりは目を見張るものがあり、バトミントンやシンクロナイズドスイミング、その他競技種目でも、更なる活躍が期待されます。

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現在までに10個もの金メダル(柔道3、レスリング3、競泳2、体操2)を獲得していますが、選手が胸を張って国歌を歌う姿は誇らしいものであり、高々と揚がった国旗に、その努力と成果の全てが示されている気がします。

国旗や国歌はそれぞれの国の歴史や文化、宗教や民族性を表現するもので、お互いに尊重することが世界の常識です。

国旗「日の丸」は白地の中心に赤い丸が記されたデザインですが、白は素直な心、赤は太陽を象(かたど)ったもので、源平合戦の頃から旗や扇(おうぎ)に用いられ、朱印船(しゅいんせん:近世に朱印状により渡航を許可された貿易の船)の船印(ふなじるし)に使用され、明治3(1870)年には国旗として布告(ふこく)されました。

また、国歌「君が代」は『古今和歌集』(こきんわかしゅう)にある和歌を雅楽調(ががくちょう)に作曲したもので、「君」は天皇陛下を、「君が代」は天皇に象徴される日本の国・国民全体を指します。苔(こけ)が生えるほど末永く国が栄えて欲しいという願い、日本人の生き方が表現されています。

迎え火

2016年8月13日 土曜日

「盆と正月」といわれる二大行事ですが、当地では月遅れの盆です。

祖霊(それい)をお迎えする御霊祭(みたままつり)、精霊祭(しょうりょうまつり)には、盆棚(ぼんだな)に茄子(なす)や胡瓜(きゅうり)など、季節の野菜を供えます。

庭先では苧殻(おがら)を焚(た)いて迎え火を行いますが、幻想的な炎とともに、近所に上がる煙を見ると気持ちを穏やかにさせてくれます。

迎え火

迎え火

また、忙しなく棚経(たなぎょう)回りをする僧侶の姿を見かけました。

あをあをと盆会の虫のうす翅(ば)かな 蛇笏

夕暮の人しづまりぬ霊まつり 素丸

遺言の酒備へけり玉祭 太祇

社家の当家では、迎え火の前に祖霊祭を執り行いましたが、明日、明後日は祖霊祭で方々を回ることになります。

薄翅蜉蝣 ( うすばけげろう )

薄翅蜉蝣 ( うすばけげろう )

玉虫

2016年8月8日 月曜日

台風5号接近による影響でしょうか。

午前中は強い風が吹き、地鎮祭の最中には僅かな時間ながら、雨に降られました。

しかしながら、「雨降って地固まる」「お清めの雨」「八月八日で末広がり」など、良きこと、目出度き言の葉を添えてお祝い申し上げました。

玉虫

玉虫

さて、境内では蝉(せみ)を筆頭に、兜虫(かぶとむし)や鍬形虫(くわがたむし)など夏の虫の全盛期ですが、今日は緑色に輝く玉虫(たまむし)を見つけました。

昔は「箪笥に入れておくと着物が増える」といわれ珍重(ちんちょう)されたものです。

「玉」は美しいもの、大切なもの、ほめていう意を表す語で、美しい入江は「玉江」、美しい衣服は「玉衣」(たまぎぬ)、「玉の緒」(たまのお)は「魂の緒」の意で、いのち・生命のことです。

また、神社では「玉串」(たまぐし)、「玉垣」(たまがき)、「勾玉」(まがたま)などがありますが、「魂・霊」(たま)と同源とも考えられます。

和名の玉虫について考えているうちに、何処かへ飛んで行ってしまいました。

有職故実

2016年8月3日 水曜日

夏らしい暑さとともに、発達した積乱雲が青空に浮かんでいます。

不安定な大気状態から突然の雷雨やゲリラ豪雨、また竜巻などの突風には十分な注意が必要となっています。

神奈川県下には食中毒警報も発令されていますので、この時期の食品衛生は大切です。

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さて、県神社庁から「神まつりを支える人々~責任役員・氏子総代の心得」が届きました。

総代さんを交えた会議や準備のやり取りでは、祭具や調度品などについて、なるべく固有の名称を用いることで〝有職故実〟(ゆうそくこじつ)の大切さをお伝えしています。

当社では祭儀の準備は神職が主に携わっていますが、兼務社(所管22社)では総代さんによるところが大きく、諸祭儀に関わって頂くことで脈々と守ってきた伝統を肌で感じて頂いているのではないでしょうか。

幸く真幸く

2016年7月21日 木曜日

今日は気温が上がらず過ごしやすかったものの、弱い雨の一日となりました。

地鎮祭には長靴を持参して出掛け、お宮に戻ってからは濡れた装束や祭壇(さいだん)を乾かしました。

参拝者用肩掛

参拝者用肩掛

また、社殿では初宮参りや清祓、工事安全祈願祭などがありました。

祝詞(のりと)は祭で神さまに読み上げる言葉(詞)ですが、冒頭の表現から始まり、核心部で神徳・由縁・感謝・装飾・奉仕・献供・奉告・祈願などを表現し、結びの語句で締めくくります。

『万葉集』に「言霊(ことだま)の幸(さきは)ふ国」「言霊の佐(たす)くる国」とあるように、言霊信仰に基づいて善言賛辞(ぜんげんさんじ)を用い、荘重典雅(そうちょうてんが)な格調を整えることによって、神さまを称(たた)え、聞く人の心に響くものとなります。

norito式後の言葉では、〝 幸先(さいさき=前兆・吉兆)の良い 〟ことを祝うのも大切です。

「幸(さき)く、真幸(まさき)く」(無事に・幸せに)の祈りです。

奥津城での墓前祭

2016年7月17日 日曜日

昨日は兼務する神明社(伊勢原市上平間)と南金目神社(平塚市南金目)で大祓を執り行いました。

現在、神奈川県神社庁(横浜市磯子区磯子台)の庁舎新築工事が進められていますが、当社はもちろんのこと所管社(22社)にお願いしている募財は、お蔭様で順調に集まっている状況です。

墓前祭

墓前祭

さて、昨日は奥津城(おくつき=墓所)における一年祭のご奉仕がありました。

神道では、個人所有の墓地はあっても、神社所有の墓地はあまりないため、宗派を問わない霊園や寺院に設けられることが大半です。

墓石の形に決まりはありませんが、頂上を尖(とが)らせた剣先(けんさき)状のものが多いようです。

当地では月遅れの盆で、8月13日の迎え火、16日の送り火となりますが、神葬祭(しんそうさい)のお宅では祖霊祭を執り行います。

比々多地区内では、今週末から8月第1週にかけて、各地(12カ所)で納涼盆踊りが予定されています。