相模国三ノ宮・比々多神社

今日は、寒の戻りで寒い一日となりましたが、雨が上がり久々に幟(のぼり)を立てることが出来ました。

ご神前の幟

ご神前の幟

 天保5年(1835)の比々多神社『社伝記』によれば、第53代淳和(じゅんな)天皇の天長9年(832)に国司・橘朝臣峯嗣(たちばなのあそんみねつぐ)を勅使(ちょくし)として当国総社(とうこくそうしゃ)「冠大明神」の神号(しんごう)を天皇より賜りました。

この神号は、鎌倉幕府の歴史書ともいえる『吾妻鏡』(あづまかがみ)の建久(けんきゅう)3年(1192)8月9日条にも見られます。

すなわち、源頼朝(みなもとのよりとも)が妻・政子の実朝(さねとも)出産にあたり、安産祈願のために相模国の社寺に神馬(しんめ)を奉納したという記事の中に、当社が「三宮冠大明神」の名を以て記されています。

春の大祭(4月22日)には、氏子による幟立てが行われます。今年は4月18日(日)に予定されています。

例祭に立てられる三之宮の幟

例祭に立てられる三之宮の幟

新編相模風土記稿』(江戸時代の官撰地誌・1841年)の「巻之五十 大住郡巻之九 三宮明神社」には、

「六月十六日小祭と唱ふ、此日祈願ある者、木綿の幟を納む、疫病流行の時、此幟を家内に建置ば、必ず其難を逃ると云」とあります。

つまり、ご神前に幟を奉納して、神さまのご神徳により流行の病を逃れたということです。

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