2016年12月7日 のアーカイブ

大雪と南天

2016年12月7日 水曜日

今日は二十四節気の「大雪」(たいせつ)で、初候は「閉塞成冬」(そらさむくふゆとなる)です。

雪こそ降らなかったものの、雲が空を覆い天地の気を塞(ふさ)ぎ、気温の上がらない真冬のような一日となりました。

明日は更に冷え込むようで、寒さ対策は万全になさった方が良さそうです。

雪降れば冬こもりせる草も木も春に知られぬ花ぞ咲きける 『 古今和歌集 』 紀貫之

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さて、今日はこの時期に赤い実をつける南天(なんてん)について触れます。

南天は〝難を転じる〟ということから、庭の鬼門(きもん=東北の方角)や裏鬼門(うらきもん=南西の方角)によく植えられていますが、江戸時代には火災除けの縁起木として植えられたようです。

初宮参りや初節句、七五三などのお祝いでは、赤飯に南天の葉が添えられ、厄除けの意味合いがありますが、南天に含まれる成分で傷むのを防ぐ効果もあるようです。

新潟県では「南天が多く実をつけると大雪、少ないと小雪」という言い伝えがあるそうです。食べ物の少ない冬に、鳥の好物となる赤い実ですが、鳥の糞(ふん)に含まれる種子で子孫を広げるわけで、大雪の寒い季節はより実をつけて種子を残そうとしているのかもしれません。

空気が乾燥するこの季節、生薬(しょうやく)として鎮咳効果のある南天の出番があるかもしれません。