‘なぜ?なに?’ カテゴリーのアーカイブ

出産にあたり

2011年7月6日 水曜日

本日は戌(いぬ)の日。大安吉日とあって、安産のご祈願が相次ぎました。

犬は多産でお産が軽い、この世と来世を往復する動物と考えられていること、よく吠えて家を守るため邪気を祓う意があるともいわれています。

安産守と岩田帯(腹帯)

安産守と岩田帯(腹帯)

比々多神社では、安産祈願の方に特製の岩田帯(腹帯)を授与しています。

腹帯は胎児を保護する役割や霊魂を安定させる信仰的な意味もあるともいわれています。

ご懐妊おめでとうございます

ご懐妊おめでとうございます

妊娠中にはお葬式に参列してはいけないとか、火事をみてはいけない、あるいは食事についても制限のある食物が多くあります。

これらの禁忌(きんき)は、妊婦と胎児を気遣うためのもので、まさに生命の誕生という一大事を迎えるための先人たちの知恵ともいえましょう。

皇室でも御懐妊5ヶ月目の戌の日に「内着帯」を行い、9ヶ月目の戌の日に正式な「着帯の儀」が行われているようです。

(神社新報社『神道いろは』より)

今月は、18日(月)海の日と30日(土)が戌の日で、ともに大安です。

 

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病気平癒

2011年7月4日 月曜日

今朝、親御さんの病気平癒を願って娘さんがご祈祷をされました。親を思う心に感銘を受けました。

当社では、病気平癒祈願の折に、『旧事記』(くじき=先代旧事本紀)に記された「十種神寳」(とくさのかんだから)といわれる「沖津鏡・辺津鏡・八握剣・生玉・足玉・死返玉・道返玉・蛇比礼・蜂比礼・品物比礼」に合わせて、「一二三四五六七八九十」(ひとふたみよいつむゆななやここのたりや)という、「鎮魂祭」(ちんこんさい)の起源である呪文(じゅもん)を唱えます。

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鎮魂祭は毎年宮中において、11月22日に行われている祭祀で、「みたましずめのまつり」です。初代・神武天皇の御代、天皇皇后の心身安静を祈請するために、十種神宝を用いて、呪文を唱えたとされています。

社殿に掲げられた眼病平癒の絵馬

社殿に掲げられた眼病平癒の絵馬

さて、江戸時代の官撰地誌である『新編相模風土記稿』(1841年成立)には、「・・・疫病流行の時、この幟を家内に建置けば、その難を逃れると云う」と記されています。

「この幟」とは、その前文に記されていますが、6月16日(今年の暦では7月16日に相当)の小祭の折に、願を掛けて奉納した木綿の幟ということです。

新編相模國風土記第三集(明治18年5月30日出版)

新編相模國風土記第三集(明治18年5月30日出版)

霊験あらたかなる比々多の大神さまのご神威により、元の健やかなる心身に立ち返ることをお祈り申し上げます。

 

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社頭講話研修会

2011年6月28日 火曜日

昨日は、神奈川県神社庁相模中連合支部の半日研修「社頭講話研修会」(於:大磯・大内館)が開催され、支部神職約20名が参加しました。

神職は、伝統のおまつりを後世に残すため、祭祀の厳修が最も重要な仕事です。また、不特定多数の氏子や崇敬者と接するため、その人柄も大事です。

社頭講話研修会

社頭講話研修会

昔は、「惟神の道」(かんながらのみち)といって、神さまのことはあまり口にはしませんんでした。

しかしながら、戦後は国家からの完全な分離や神祇院(じんぎいん)の廃止、公共機関内の神棚除去、官公吏員の公的資格における神社参拝の禁止など、神社信仰の危機から守る意味でも、広報や教化することが大切な役割となっています。

また、社会構造の変化や核家族化により、年寄りから学ぶ機会が数少ない昨今、生活と密接し、身近である神さまのことを簡易に伝え、理解してもらうことが必要です。

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心に届くお話が出来るよう、私たち神職も日々勉強です。

 

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畏れ

2011年6月10日 金曜日

5日のブログに、紫陽花(あじさい)は土の性質(酸度)によって、多彩に色を変えることから七変化といわれると記しました。

今日の「産経抄」(産経新聞)には、「それほど敏感な花なら、千年に一度の津波を起こした地殻変動に気づかないはずがない。福島第1原発事故に伴って漏れた放射性物質も、たとえ微量であっても感知しているはずだ。」と記されていました。

ヤブキリ(キリギリス科)

ヤブキリ(キリギリス科)

大震災の1週間前(3月4日)、茨城県の鹿島灘の下津(おりつ)の浜に鯨(くじら)の一種である「カズハゴンドウ」52頭が打ち上げられました。地域の人たちの努力むなしく、22頭は海へ戻ることが出来ずに命をひきとり、浜に埋葬されました。

記憶に新しいニュージーランド大地震(2月22日)の2日前にも、スチュワート島という小さな島に107頭の鯨が打ち上げられていたそうです。

動物の予知能力というか感性の鋭さに驚かされます。

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上述の鹿島灘に近い鹿島神宮には、地震を起こす鯰(なまず)の頭を押さえるといわれる「要石」(かなめいし)があり、香取神宮(千葉県)の要石は鯰の尻尾を押さえているといわれているそうです。

(参考 『鹿島の神と諏訪の神』~東日本大震災の復興に向けて)

自然の変化に敏感な動植物を観察することにより、人の感性は磨かれます。神社の境内には、沢山の自然が息づいています。どうぞゆっくりと時間を掛けてお過ごしください。

神と自然への畏(おそ)れと感謝の祈りこそ大切です。

先祖伝来のまつり、「先神事」(まづしんじ)といわれる所以です。

 

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吾妻社例祭

2011年5月10日 火曜日

本日、伊勢原カントリークラブ内にある吾妻社例祭のご奉仕をいたしました。

ゴルフ場のコース内に小高い吾妻山がありますが、そこにお社がまつられています。例年新緑のこの時期におまつりを行っています。

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小高いといっても急な斜面であり、コースを横切るため危険も伴います。数年前から、クラブハウス内にお供え物を準備して遙拝(ようはい)する形になりました。

もちろん、事前にお社の周辺を掃除して、〆を飾り、お供え物を上げて行っています。

本日は霞(かす)んでいましたが、澄んでいれば江ノ島を一望できる最高のロケーションです。桜の名所でもあります。

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比々多神社には、智に長け、勇猛な日本武尊(やまとたけるのみこと)がおまつりされています。『古事記』では、東国平定の大義を成し遂げたミコトが、足柄山で妻である弟橘姫(おとたちばなひめ)を思い出して、「吾妻はや」と嘆きます。それから東国を「あづま」(東・吾妻・我妻など)と呼びます。

神奈川には、吾妻神社や橘樹(たちばな)神社が多く鎮座しています。

 

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植樹

2011年4月25日 月曜日

22日の比々多神社例祭には、例年より少なかったものの植木市が出ました。毎年植木を求めていますが、今年も榊(さかき)を購入しました。

榊は「賢木」「坂木」などとも表記し、常に繁っていることから繁栄を象徴する栄木、神域を示すことから境木などの説があります。(『神道事典』弘文堂より)

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榊は神事には欠かせないもの。神さまの依代(よりしろ)となる「神籬」(ひもろぎ)、お祓いに用いる「大麻」(おおぬさ)、拝礼に用いる「玉串」(たまぐし)など。

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所管神社(22社)の境内にも植えてもらうため、午後から各社総代さんのお宅に配りました。

植樹した榊

植樹した榊

繁栄の象徴である常緑樹の成長に、栄えあれと願って土をかけました。

 

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産育儀礼 安産の神さま

2011年4月13日 水曜日

今日は戌(いぬ)の日。桜吹雪が舞う中、安産のご祈願や安産御守を受けに来る参拝者が目立ちました。

妊娠・出産は、女性にとって重大な事柄でありますが、家族や親戚にとっても喜びと不安が交錯した関心事といえます。新しい生命の誕生に希望をもち、母体の安全を祈ることは、医学が発達した現在でも昔と変わらぬ祈りです。

安産守・岩田帯・腹帯イロハ

岩田帯・安産守・腹帯イロハ

比々多神社には、「木花開耶姫」(このはなさくやひめ)という妊娠と出産を守護する神さまがおまつりされています。

神話では、天孫(てんそん)・瓊々杵尊(ににぎのみこと)と出会い、その日の内に子を孕(はら)みます。「一夜で娠(はら)むなど、私の子ではない。」といい放たれますが、戸の無い室屋に籠(こ)もり、「もし天孫(あなたの子)であるなら、元気に生まれるでしょう」といって、室に火を放った中で、立派な3人の神さまを生みました。

また、『吾妻鑑』(あづまかがみ)建久3年(1192)8月9日条には、時の征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)・源頼朝公(みなもとのよりともこう)が、妻・政子(まさこ)の安産を祈願して、「三宮冠大明神」へ神馬(しんめ)を奉納したことが記されています。そして、無事に実朝公(さねともこう)を授かっています。

産育を司る安産の神さまのご加護のもと、元気な赤ちゃんを授かり、すくすくと成長することを願います。

銀(しろがね)も金(くがね)も玉もなにせむにまされるたからこにしかめやも

 

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宇志波伎坐大神等

2011年4月7日 木曜日

地鎮祭は、「とこしずめのまつり」と読みますが、音読で「じちんさい」といいます。単に地祭(じまつり)ということもあります。各種建物の新築、または土木事業の起工に際して、敷地の神さまをおまつりして、工事の安全、土地の平安堅固(へいあんけんこ)であることを祈るおまつりです。

地鎮祭 おめでとうございます

地鎮祭 おめでとうございます

斎場(さいじょう)には、忌竹(いみだけ)を四方に立てて、注連縄(しめなわ)を張り、青葉常磐木(あおばときわぎ)の真榊(まさかき)に御幣(ごへい)を垂らし、神さまをお迎えします。

お迎えする神さまは、「此の地(ところ)を宇志波伎坐(うしはきま)す大神等(おおかみたち)」。つまり、その所在地の「産土神(うぶすなのかみ)と大地主神(おおとこぬしのかみ)」です。

地鎮祭 おめでとうございます

地鎮祭 おめでとうございます

次第の流れの中で、特徴的な行事が3つあります。榊(さかき)や切麻(きりぬさ)で土地を祓(はら)い、起工行事となる鍬(くわ)入れを行い、神霊(みたま)を鎮めるための鎮物(しずめもの)を埋納(*まいのう)します。

*鎮物は本来儀式で埋めますが、基礎工事の際に埋めることが多くなっています

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地鎮祭の歴史は1300年以上も遡(さかのぼ)りますが、古くから定住生活を続けてきた日本人の生活意識と結びついたものともいえます。土地の神さまへの敬意と感謝の念が、子孫繁栄、発展への元となっています。

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千社札について

2011年3月31日 木曜日

本日で3月もお仕舞い。明日は大祭会議ですが、自治会・総代・青年も新年度の体制で会議に臨みます。

社頭掲示ポスター(4月)
社頭掲示ポスター(4月)

神域は常に清浄を旨(むね)としていますが、大祭月なら尚更のことです。それでも日々の清掃で手の届かないところが多くあります。

社殿のこんな高いところに、また殿内のこんなところまで、、、千社札(せんじゃふだ・せんしゃふだ)が貼り付いています。

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千社札は、名前の通り全国の神社仏閣を巡り、「千社詣」(せんしゃまいり)の証として、出生地や名前などが記された札を柱や壁、天井に貼り付けたものです。

観音信仰による霊場巡り(巡礼)から端を発したといわれますが、江戸中期以降は庶民信仰が盛んになり流行したようです。

手書きから木版刷りのものが普及して、浮世絵の技法が取り入れられると、派手な納札交換会が行われ、贅沢なことを禁じた江戸幕府により禁止のお触れも出されました。

現在では機械印刷により、多種多様なステッカーやシールがありますが、建物の美観を損ねるため、一切お断りをしています。

 

本日、スト-ンサークル(下谷戸縄文遺跡環状列石及び住居跡)の脇の桜が咲きました。昨年より9日遅い開花です。枝垂れ桜も蕾が膨らみ始めました。

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十三参り

2011年3月21日 月曜日

雨粒が激しく、足下が悪い中にもかかわらず、着物姿で「十三参り」のご祈願に来られたご家族がありました。通過儀礼(人生儀礼)として、心身長養を祈願いたしました。

『論語』では、「吾(われ)十有五(じゅうゆうご)にして学に志し・・・」とありますが、学業に専念して沢山の知恵を得る年頃です。また、多感な頃合いで多くのものを吸収しながら、大人への道を進む大切な時期です。

十三参り おめでとうございます

十三参り おめでとうございます

十三参りは関東ではあまり馴染みがありませんが、関西では盛んに行われています。生まれた年の干支(えと)が初めて巡ってくる年(数え年13歳)の少年少女が着飾り、旧暦3月13日(現在では4月13日)、福徳・知恵を授かるため、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に参詣するという習わしがあります。智恵貰(ちえもらい)などともいうそうです。

詣る子に智慧の泉といふが湧く   舘野翔鶴 

 現在では、日頃からお世話になっている神社仏閣にお参りする人たちが多くなっています。当社でも、時期を気にせずにお参りする方が増えています。中学入学とともに、勉強も難しくなりますので、知恵を授かりにお参りください。