‘なぜ?なに?’ カテゴリーのアーカイブ

羽織袴と振袖姿

2016年1月11日 月曜日

今日は1月第2月曜日で「成人の日」です。

戦後の昭和23年(1948年)に制定された祝日で、平成12年(2000年)のハッピーマンデー制度実施までは小正月にあたる1月15日でした。

1月1日時点の20歳は121万人とのことですが、ハッピーマンデー導入により、学齢方式(前年4月2日からその年の4月1日に20歳を迎える人を対象)により、各市町村主催の成人式が定着しています。

伊勢原市では平成7・8年生まれの1019人(男525人・女494人)が目出度く成人となりましたが、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。」という祝日法の意を理解し、責任を伴った行動のできる社会人になって欲しいと願うばかりです。

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男子は成年式である元服[げんぶく・げんぷく:同義で加冠(かかん)、冠礼(かんれい)、首服(しゅふく)、初冠(ういこうぶり)など]や褌祝(ふんどしいわい・へこいわい=兵児祝)に由来し、女子は裳着(もぎ=着裳ちゃくも)がこれにあたります。

神社では、男子和装の第一正装である紋付き羽織袴、未婚女子の正装である振袖姿で成人式の祈祷を受ける方もありました。

今年は着物姿のお参りが多く、その中には巫女奉仕経験者も何人か見受けられました。

おめでとうございました。

伝える日本の文化

2015年12月29日 火曜日

毎年のことながら、新年を祝う書状(年賀状)は社務多用につき、年末最後の大仕事となってしまいます。

年賀に用いる賀詞には「寿」「福」(一文字)、「賀正」「迎春」「初春」(二文字)、「恭賀新正」(きょうがしんしょう)、「敬頌新禧」(けいしょうしんき)、「春風献上」(しゅんぷうけんじょう)「献寿歳旦」(けんじゅさいたん)「謹賀新年」(四文字)、「明けましておめでとうございます」「謹んで新春のご祝詞を申し上げます」(文章)など、目上や目下、友人などによって表現を使い分ける楽しさがあります。

現在ではメールで済ませることも多いようですが、年に一度じっくりと考えて日本語のもつ奥深さを再認識する良き機会ともいえます。

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「門松(かどまつ)は年(歳)神様(としがみさま)の依代(よりしろ)」「注連縄(しめなわ)は年神様をお迎えするために清浄を示すもの」「鏡餅は年神様のお供え物」「橙(だいだい)=代々栄える」「ゆずり葉=後の世代までゆずり絶やさない」「海老=腰が曲がるまで長寿」「昆布=喜ぶ=子生(こぶ;子供が生まれる)」など、正月準備の中でも子供たちに伝える日本の文化や風習は山ほどあります。

正月飾りは正月七日の七草まで、鏡餅は1月11日の鏡開きまで、そしてお飾りは地域の〝どんど焼き〟でお焚き上げをします。

尚、当社では1月14日に「古札焼納祭・どんど焼き」を執り行います。

神棚まつりの事

2015年12月27日 日曜日

今年最後の日曜日、午前中は安産祈願や初宮参りなどの家族連れ、午後は遠方からの御朱印めぐりなどが多かったように感じます。

大掃除を済ませたご家庭も多いと思います。この数日は、神棚におまつりする新しい御神札(おふだ)を受けに多くの方がお参りです。

syuisyo明後日は〝二重苦〟(29日)、31日は一夜飾りとなることから、神棚のおまつり末広がりの “ 八 ” となる28日、または30日になさるご家庭が多いようです。

簡易神棚

簡易神棚

住宅事情などにより神棚まつりがままならないご家庭向けに、授与所では簡易神棚を準備しています。

また、身内の不幸により「神棚の事をどうして良いか分からない」「初詣をしても良いのか」など、この時期ならではの問い合わせが寄せられます。

迷わずにどうぞお気軽にお尋ねください。

申の話

2015年12月19日 土曜日

来たる平成28年の干支(えと)は「丙申」(ひのえさる)です。

来年は閏日(うるうび:2月29日)のある閏年(うるうどし)ですが、太陽暦では4年に1回巡るため、申(さる)・子(ね)・辰(たつ)の年にあたります。

「丙」(「火の兄」の意)は十干(じゅっかん)の第3位、五行(ごぎょう)は火の陽。「あきらか」「つよい」意をもち、太陽に喩えられます。

「申」は動物の猿を充て、十二支の第9位、西南西の方位、時刻は午後4時及びその前後2時間(午後3時頃から午後5時頃)、季節では旧暦7月(孟秋)を指します。

「申」は稲妻(電光)を描いた象形文字で「電」の原字。電光が屈折して走る形で「伸びる」意を表します。

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さて、猿に因(ちな)んだ故事ことわざには次のようなものがあります。

「犬と猿」(非常に仲の悪いことのたとえ)、「意馬心猿」(いばしんえん:心が煩悩や欲望のために働いて抑えがたいことのたとえ)、「猿知恵」(浅はかな知恵)、「猿に絵馬」(取り合わせの良いもののたとえ)、「猿に烏帽子」(見かけだけで実の伴わないこと)、「猿の尻笑い」(自分自身の欠点を棚に上げて、人の欠点をあざわらう愚かさのたとえ)、「猿の水練、魚の木登り」(まったく見当違い、的外れ)、「猿の人真似」(人のすることをそっくりまねることをあざけって言うことば)、「猿も木から落ちる」(いかにすぐれた専門家でも、時には失敗することもあるというたとえ)

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「日枝、日吉、山王、八王子、樹下」など全国にはそれらを冠した神社が約3800社鎮座し、総本宮は旧官幣大社の日吉大社(滋賀県大津市坂本)です。

その「神使」(かみのつかい)として知られるのが「猿」で、「神猿」(まさる)として親しまれ、「魔が去る」「何事にも勝る」に通じ、方除・厄除などの御利益があるといいます。

おみくじの話

2015年12月8日 火曜日

今日は兼務社の総代さんが、新年のお神札(ふだ)の申し込みで代る代るお越しになりましたが、午後には神明社(伊勢原市上平間)の祭典奉仕がありました。

当社のおみくじ

当社のおみくじ

さて、神社を特集する出版社の方から、当社の「おみくじ」を掲載させて欲しいとのご依頼がありました。

おみくじは吉凶を占うもので、大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶などの吉凶判断ばかりに目がいってしまいがちですが、願望、交際、縁談、産児、事業、試験、病気、転居など、生活全般にわたる教示や注意が記されています。

また、一見難しそうに思える和歌には、今後の生活の指針となるべき教えや導きが込められているものです。

当社蔵 昔のおみくじ

当社蔵 昔のおみくじ

「結び」はあらゆるものを生みだす「産霊」(むすひ)の意で、上代(じょうだい)にはムスヒと清音で発音していたそうです。

吉と出ても凶と出ても用心し、真心を込めて結ぶことが大切です。

神棚のお神札

2015年12月5日 土曜日

師走最初の土曜日、十二柱神社(伊勢原市伊勢原)、神明社(伊勢原市白根)と兼務社の祭典から始まりました。

兼務社では神宮大麻(じんぐうたいま)頒布式(はんぷしき)を執り行っていますが、総代さんのご協力のもと、神棚におまつりする新年のお神札(ふだ)を氏子の各家庭に頒布(はんぷ)することになります。

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社頭では、お伊勢さん(伊勢の神宮)の「神宮大麻」(じんぐうたいま)、本務神社(比々多神社)を始め兼務する22社の「氏神様」(うじがみさま)、台所の「荒神様」(こうじんさま)、「歳神様」(としがみさま)を組み札(くみふだ)にして、幣串(へいぐし)と紙垂(しで)を一式にして随時頒布しています。

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午後には、無事竣工を迎えられたお宅に伺い、新室(にいむろ)の家祓をご奉仕、神棚に家移り(やうつり)の奉告をしました。

すっきりしました

2015年11月25日 水曜日

昨日の暖かさから一転、冷たい雨が降り師走の寒さとなりました。

風邪はもちろんのこと、体調を崩さないように注意が必要です。

神棚祭

神棚祭

さて、11月最後の大安吉日、神棚の奉還祭(ほうかんさい)や稲荷社鳥居の新造、改築祓、建物解体祓、地鎮祭などの出張祭儀が重なりました。

出張祭儀では神棚祭や稲荷祭など、神社での祭典と同様にお祀(まつ)りされている神さまに祈る場合と、室内や庭上(ていじょう)などに祭壇(さいだん)を設け、常磐木(ときわぎ)の榊(さかき)を立てて神さまの宿る依代(*よりしろ)とし、土地や建物などを司る神さまを降神(こうしん)して祈る場合があります。

*「神座」(しんざ)、「神籬」(ひもろぎ)ともいう

建物解体祓

建物解体祓

地鎮祭や解体祓、井戸埋清祓などでは、清祓(きよはらへ)といって、神職が榊の大麻(おおぬさ)や切麻(きりぬさ:半紙と麻を切ったもの)で祓うとともに、施主や施工者が米・酒・塩などで一緒にご奉仕をしてもらうことで、祭典後に「すっきりしました」という言葉をよく耳にします。

神葬祭の儀式

2015年11月24日 火曜日

一ヶ月にわたり、参拝者の目を楽しませ、心を和ませてくれた菊の展示が終わりました。

今日は菊華会の皆さんが、菊を撤収し、手際よく菊小屋の片付けを行いました。

来月にはご神前で解散式を執り行います。

sinnsousaiさて、昨夕・本日と神葬祭のご奉仕がありました。

神葬祭は仏式葬儀に対する神道の葬儀で、日本固有の民族精神にもとづくものです。命は一つ限りながら、祖先から脈々とつながる祖霊をまつる信仰で、伝統的な世界観や他界観が儀式に表れています。

斎場の事情や家の都合などにより省略、あるいは異なることもありますが、枕直しの儀、納棺の儀、柩前日供(きゅうぜんにっく)の儀、帰幽奉告(きゆうほうこく)の儀(産土神社)、墓所地鎮祭(ぼしょじちんさい)、通夜祭(つやさい)、遷霊(せんれい)の儀、発柩祭(はっきゅうさい)、発柩後祓除の儀、葬場祭(そうじょうさい)、火葬祭(かそうさい)、帰家祭(きかさい)、毎十日祭(十日、二十日、三十日、四十日、五十日)、埋葬祭(まいそうさい)、百日祭、一年祭、合祀祭(ごうしさい)などの儀式があります。

亡骸(なきがら)となった遺体は奥津城(おくつき)という墓所に埋葬されますが、通夜の折に故人の御霊(みたま)は霊璽(れいじ:仏教の位牌にあたる)に遷(うつ)し留(とど)められます。

命の再生

2015年11月23日 月曜日

今日は二十四節気の一で「小雪」(しょうせつ)。

心配していた空模様でしたが、お蔭様で降られずに「新穀勤労感謝祭」を斎行することができました。

参進

参進

宮中の神嘉殿(しんかでん)では、天皇陛下が新穀を神々に御親供なされ、全国津々浦々の神社でも「新嘗祭」(にいなめさい・しんじょうさい)が斎行されています。

昭和天皇御製 新米(にいよね)を神にささぐる今日の日に深くもおもふ田子のいたつき

祭儀に先立つお祓い(修祓)

祭儀に先立つお祓い(修祓)

天照大御神(あまてらすおおみかみ)が「吾が高天原にきこしめす斎庭の稲穂(ゆにわのいなほ)を以て、また吾が児(みこ)にまかせまつるべし」と仰せになって、天孫降臨(てんそんこうりん)に際して、斎庭の稲穂をお授けになったことが祭儀の起源ととらえることができます。

お米は神代の昔から伝わる神聖な命の根〝 イネ 〟であり、命の再生を今に伝えるこの祭儀の意味合いはとても重要です。

式内十三社巡り

2015年11月21日 土曜日

三連休の初日は好天に恵まれ、雨で日延べした方も、晴れて七五三を迎えました。

境内は終日賑わい、「いせはら歴史ふれあいウオーク」(伊勢原市教育委員会主催)参加の方々も当社及び三之宮郷土博物館を訪れました。

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さて、昨日・今日と式内社巡りの御朱印が多く見受けられます。

延喜式とは弘仁式(こうにんしき)・貞観式(じょうがんしき)に続いて編纂された律令の法制書(施行細則)で、醍醐天皇の延喜年間に勅により編纂に着手したことからこの名があります。

50巻より成り、第1巻から10巻までが神祇(じんぎ)・祭祀(さいし)に関する規程が記され(神祇式)、第9巻・10巻をいわゆる「神名帳」(じんみょうちょう)といいます。

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ここに記された社を「延喜式内社」といい、天神地祇(てんしんちぎ)3132座(2861社)、相模国は13社で、祈年祭に幣帛料(へいはくりょう)をあずかりました。

平安時代には全国の神社数は約3万社といわれ、式内社2861社を除いたものが式外社(しきげしゃ)になります。