相模国三ノ宮・比々多神社

伊勢原北地区まち歩き

本日、伊勢原市景観まちづくり市民ワークショップの第6弾として、伊勢原北地区のまち歩きが実施され、禰宜がメンバーとして参加いたしました。

午前9時、伊勢原駅北口に集合した参加者は、東大竹の大宝寺へ向かいました。

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大宝寺は、千手山慈眼院と号し、浄土宗知恩院末のお寺で、阿弥陀如来がご本尊です。また、千手観音は相模第三十一番札所、延命子育地蔵尊は相模第二番札所となっています。住職から詳しい話を伺うことができました。

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御堂には「せみ凧」が沢山飾られていましたが、明治末期の和尚さんが考案された伊勢原に伝わる伝統玩具です。

その後、伊勢原火伏不動尊に参りました。丁度28日の縁日にあたり、ご開帳された木彫りの不動明王を拝むことが出来ました。文化13年(1816)の大火では、このお不動さんでぴたりと火が止まり、火伏不動といわれるようになったそうです。

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冠婚葬祭などに必要な品々を揃える豊田屋で足を止めながら、呉服屋の多い商店街を抜けて伊勢原大神宮へと参りました。

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伊勢原大神宮は旧村社で、元和6年(1620)創建という、歴史としてはそれほど古くはありませんが、この地を開拓した伊勢(三重県)出身の山田曾右衛門により勧請されたお宮で、地名発祥の由縁があり、珍しい内宮・外宮二殿形式の建物です。

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宮司さんは兼務社の新嘗祭で留守でしたが、権禰宜さんから由緒について話を伺うことが出来ました。

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大神宮前からバスに乗車し、上粕屋に位置する産業能率大学へ行きました。大学構内には、中世の建物址(掘立柱建築址)が色違いのタイルで残されていました。

産能大・桜井先生の案内で建物の6階まで上がり、伊勢原市内を見渡しました。景観を俯瞰することによって、見えてくるものもあります。

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自然に囲まれた大学キャンパスの風景を眺めながら、新東名や国道246号バイパスの建設予定地を横目に、関東ふれあいの道を進みました。

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次に向かったのは上粕屋神社。神職は常駐しませんが、氏子の方々の努力でとても境内が整備されています。

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樹齢500~600年の欅(けやき)の老木は風格と歴史を感じさせてくれます。

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宮鐘には、「萬民豊楽」「風調雨順」と刻まれていました。

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主君である上杉定正に謀反を疑われた太田道灌公は糟屋館(かすややかた)で刺客に命を奪われましたが、その道灌公を守ったとされる家臣の墓地が七人塚として残されています。

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洞昌院は曹洞宗の古刹で、境内に太田道灌公の墓所(胴塚)があります。下糟屋の大慈寺も墓所とされ、首塚があります。

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行程の最後に向かったのが、国の有形文化財に指定される山口家住宅。

邸内の雨岳文庫は、地域の歴史や文化保存だけでなく、生涯学習の場として情報発信をしています。

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「景観によるまちづくり」を視点として、計6回にわたる地区別(比々多・大山・成瀬・大田・伊勢原南・伊勢原北)まち歩きが開催され、5回に参加いたしました。

これらは、ほんの一部ではありますが、それぞれの歴史の奥深さ、文化の幅広さ、自然の魅力など、伊勢原の景観を再発見することが出来ました。

季節によって目に写る風景も異なり、これが私たちの暮らすまちなみの素晴らしさだと思います。

今後、新しいまちづくりの尺度の1つとして、景観計画がまとめられると思いますが、先人の残した財産を後世にも残していきたいと感じました。

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