相模国三ノ宮・比々多神社

酒祭 其の二

続いて、神社に戻ってからの祭典についてご紹介いたします。

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沢山(さわやま)から戻り、お水をご神前に並べ、準備を整えて11時半に社務所前から参進しました。

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遠く大化元年(645)、大酒解神(おおさかとけのかみ)・小酒解神(こさかとけのかみ)が当社におまつりされた折に、「うずら瓶」(うずらみか:県重文)が奉納されたといいます。(天保5年社伝記)

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同社伝記によると、天長9年(832)相模国の国司・橘朝臣峯嗣(たちばなのあそんみねつぐ)を勅使として、当国総社・冠大明神の神号を賜りました。

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この橘氏の氏神さまは京都・梅宮大社で、ご祭神は酒解神です。当時の地方長官が、氏神さまを思う気持ちは強く、当社へも庇護の思いがあったと推察されます。

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さて、三段の滝のお水は、神さまにお供えされ「御神水」となりました。

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蔵元や卸、酒販店の神棚に1年間供えられ、生業の安全と発展のみしるしとなります。

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商売の厳しさはどの業界でも同様だと思いますが、神さまに頭を垂れて感謝の念を捧げ、新たな気持ちで励むことが大切だと思います。それが、「正直の頭に神宿る」です。

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1時間余りに及ぶ祭典を修め、直会(なおらい)に移りました。早朝から長丁場の儀式でしたが、それぞれ心を新たにされた様子でした。

酒解神のご神威(しんい)をいただかれ、生業の繁栄をお祈り申し上げます。

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明日は酒蔵の蔵祓が予定されています。

撮影:増山正芳氏

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