現在、伊勢原市内では新東名高速道路やその他幹線道路の建設、周辺道路の改良事業など、かつてない大規模な工事が進められています。
一方で、県内屈指と言われる埋蔵文化財の調査事業も広範囲で実施されています。
今日は新東名高速道路の建設事業の内、高取山トンネル掘削(くっさく)工事にあたり、建設関係者が来社しました。
数年前から、工事に伴う安全祈願祭に出向いたり、正月に安全祈願の祈祷をお受けしていますが、今回は工事による水涸(みずが)れや減水の可能性についての説明と相談でした。
土工(どこう)区間は神社から離れていますが、当社の飛地(とびち)境内地が栗原(くりばら)の山林にあり、その沢山(さわやま)にある「三段の滝」において、酒祭(さかまつり)のお水取り神事を毎年行っています。
山岳のトンネル掘削では、地下水が岩盤の亀裂に含まれていることから、平地と異なり水脈を正確に把握することが難しいようで、リニア中央新幹線の工事によって河川が枯渇(こかつ)したという事例もあるようです。
長い時間を掛けて湧き出た水が栗原川となり、遠い昔から自然環境の保全に大きく寄与し、農業用水としても地域人々の暮らしを支えてきました。
今年の酒祭(11月8日)には影響はなさそうですが、来夏には三段の滝からほど近い(距離:約200メートル・深さ:40メートル下)場所まで工事が及ぶようです。
酒祭は蔵元・卸・酒販店の関係者が参列し、新酒の醸造安全を願うものですが、豊かな水の恵みがあればこそです。
かつて、旱(ひでり)が続いた折に、当社に伝わる御神宝(ごしんぽう)「うずらみか」(県重文指定)に御神水(ごしんすい)を汲(く)み、祈雨(きう)祈願をしたことが『新編相模風土記稿』(しんぺんさがみふどきこう)という官撰地誌(かんせんちし)に記されています。
今年は沢山の水神さまに、水涸れのないことを只管(ひたすら)に祈るばかりです。
切実な問題ですね
リニアの開通にも 今後 水や自然との共存問題が起きてくるんでしょうね
水清らかな 相模の国 お水の大切さが やっとわかってきた気がする今日この頃です
鈴木治美 様
工事を進めてみないとわからない部分もあるようで、生活の便利さ、豊かさの元には犠牲があることをつくづく感じます。
神社では祭りを通して神々に感謝と無事を祈ることで、皆さまにも気が付いて頂けることが種種あると思います。