7月初旬から続いた猛暑ですが、今日の猛暑日は0地点ということで、熱帯夜からも解放されて比較的過ごしやすい朝を迎えることができました。
本日は午前中から地鎮祭、稲荷社改修奉告祭、井戸埋清祓などの出張祭典が続きました。
お稲荷さんで伺ったお宅では、白蟻(しろあり)による被害で木造鳥居が朽ち果てたため、鳥居新造の相談を受けました。
神社の大きな鳥居であれば、材質は木製、石製、銅製、陶製、鉄筋コンクリート造りなどがありますが、本来は木造素木(しらき)が最も清浄な神域に相応しいものといえます。
しかしながら、邸内(屋敷内)のお稲荷さんでは、変色がしにくい、腐食が少ない、耐久性に優れている、運搬や施工がしやすい、低価格などの観点から、最近では硬質樹脂製のものを取り付ける例が増えています。
「笠木」(かさぎ)・「島木」(しまぎ)という鳥居上部の横柱の両端が反(そ)り上がり、額を掲げる「額束」(がくづか)や最下にある横柱「貫」(ぬき)の上部に補強のため打ち込んだ三角形の材「楔」(くさび)があるものを「明神鳥居」(みょうじんとりい)といって、最も普通の形の鳥居です。
お稲荷さんの鳥居は、朱塗りが特徴的です。
柱上の笠木・島木を受ける柱上部にある円盤状の部材「台輪」(だいわ)のある明神鳥居を「台輪鳥居」「稲荷鳥居」といいます。
いずれにしても、鳥居は神社を表し神聖さを象徴する建造物です。
立ち止まって一礼し、穏やかな気持ちでくぐるのが、日本人らしい美しく正しい作法ともいえます。