夕刻4時半、宮司以下祭員、実行委員会役員が特設舞台に着座し、奉告祭を執り行いました。
当社総代に合わせて、会場の人たちも一緒に玉串拝礼を行いました。そして、御神火を篝火(かがりび)に点け、まが玉祭の象徴である「勾玉」(まがたま)を舞台中央に据えました。
いよいよ、横浜雅楽会による「管絃と舞楽の夕べ」の開幕です。
演奏の始まりは御神楽(みかぐら)で、「其駒」(そのこま)です。平安時代には三日三晩に亘って行われたという大曲で、舞台の両袖に座った楽人の斉唱する神楽歌が境内に響きわたり、荘厳な雰囲気を醸し出しました。
そして、束帯(そくたい)姿に冠(かんむり)をつけ、石帯(せきたい)と太刀を佩(は)き、榊(さかき)を手にした舞人(まいびと)が優雅に「人長舞」(にんじょうまい)を舞いました。
吹物(ふきもの)と呼ばれる笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・笛(ふえ)の三管(さんかん)、弾物(ひきもの)という箏(そう)・琵琶(びわ)の二絃(にげん)、打物(うちもの)という鞨鼓(かっこ)・楽太鼓(がくだいこ)・鉦鼓(しょうこ)の三鼓(さんこ)の「三管両絃二鼓」の楽器編成で演奏する管絃(かんげん)が始まりました。
曲目は「平調音取」(ひょうじょうねとり)、「五常楽急」(ごしょうらくのきゅう)、「鶏徳」(けいとく)でした。
仕舞いは音楽とともに演じられる舞で舞楽(ぶがく)です。
先ずは「白浜」(ほうひん)。
舞楽には左舞(さまい)と右舞(うまい)がありますが、高麗楽(こまがく)の演奏で舞う右方の舞で4人舞です。曲の中程で舞人が跪(ひざまづ)き、右肩をぬぐのが特徴です。
最後の楽曲は「納曽利」(なそり)です。
これも高麗楽(こまがく)の演奏で舞う右方の舞で二人で舞う走舞です。
雌雄の龍が楽しげに戯(たわむ)れる様子から「双龍舞」と呼ばれます。
奇怪な面に桴(ばち)を持ち、躍動感ある活発な舞です。
幽玄美あふれる雰囲気に酔いしれ、古典音楽に親しむ束の間でした。
来場者もきっと満足していただけたと思います。